以下为收费内容(by http://www.prretyfoot.com)十年目 本文来自 http://huangsewenxue.com/ シーズンも終わりチームの事務所に呼び出された僕は関係者と共に来期の契約について話し合う事になった。チームが気にしているのは契約が満了した僕が他のチームに移籍するかどうかという事だろう。尤も僕も今のチームから離れるつもりはない。その事を告げると関係者は大いに安心したようだった。まあ実際の契約に関してはもう少し詰めてみる必要がありこの場での契約、という訳には至らなかったのだが。 事務所から出て自分の住まいの近くに車を止め、歩いている途中に声をかけられた。 「あの~、すいません。中原…中原雄基選手ですよね?」 声のした方を向くとそこには女性の姿が。見た目からして僕と同じくらいの年齢だろうか。服の上からでも分かるような胸と長く黒い髪が目を引く。 「…そうですけど、貴方は?」 「私は…えーっと……」 そう言いながら鞄の中を探る。そして 「こういう者です!」 名刺を手渡される。そこに書かれていたのは 『メンタルトレーナー 大野美月』 「メンタルトレーナー…?」 「はい。スポーツ選手のサポートをさせていただいてますので興味がありましたら是非」 「…まあ、考えておきます」 「じゃあ気になったら名刺に書いてある住所に来てくださいね。それじゃ!」 彼女は手を振って去っていった。 翌日 放っておいても良かったのだが名刺に記された住所が自分の住居から歩いていける程度の距離である事を知る。まあ話を聞く程度ならとその住所に向かった。マンションに着きインターホンを押すと彼女が姿を見せた。 「あっ、来てくれたんですね!上がってください!」 言われるまま室内に通されキッチンの椅子に座らされる。コーヒーを淹れながら彼女が口を開く。 「そう言えば中原選手って今年で契約切れるんですよねー?どこかに移籍するんですかぁ?」 「いや、今は特に」 「あら?そうなんですか?中原選手なら移籍するーって言えば色んなチームが欲しがりますしお給料も今より上がりそうなのに。何か理由があるんですか?」 特に話す義理もないのだが別段彼女に話しても構わないだろう。 「まあ、一応このチームで9年もやってきて応援してくれるファンもいるしね。それに…」 「それに…?ああ、分かりました!そう言えば彼女さんがここのテレビ局のアナウンサーの早川麻友さんなんですよね。中学からずっと一緒のカップルってテレビでも言ってましたね。近々結婚するらしいなんて言ってましたけどあれ本当なんですか?」 突然テンションが上がりだす。どうしてこう女性は他人の恋愛に興味を持ちたがるのだろう。まあ彼女の言ってる事は全て当たっているのだがそこまで話す必要もないだろう。 「その辺は想像に任せるよ。…で、君がくれた名刺なんだけど」 「え?ああ!そうでしたね!そっちが本題でした!」 そう言って資料を手渡す。 「えーっと…メンタルトレーナーっていうのはご存知でしょうが選手の皆さんの精神を安定させる仕事なんですが、それとは別に個人で契約していただく事でより繊細なケアを…」 と一通りの話を聞いた後試しにという事でいくつかの実践が行われた。 「はい、じゃあ次は目を閉じて集中してくださいね」 言われるままに目を閉じる。しかし次の言葉が聞こえてこない。不思議に思っていた矢先急に彼女の甘い香水の匂いが強くなり膝の上に重みを感じる。驚いて目を開けようとした瞬間抱きすくめられ 口づけをされた。 「!?」 「ふふ、ちょっといたずらしちゃいました?」 「い、いたずらって何でこんな…!?」 動揺して頬を紅潮させる僕を見て笑う。 「あら~?もしかして…彼女以外の女の子と遊んだことなかったりします?」 「そ、それは…」 実際そうだった。麻友との付き合いが長い事もあり今まで特に他の女性と関係を持った事などなかった。僕の反応を見て状況を察した美月は膝の上に乗ったまま顔を近づける。 「じゃあ私がちょっとだけ遊んであげます?ね、ゆ?う?き?君?」 「あ…あああ……」 耳元で甘く囁かれた瞬間、脳が蕩けるような恍惚感を覚えてしまった。まずいと思いつつも美月の挙動から目が離せない。すると僕の心を見透かしたように美月が立ち上がる。今まで彼女の尻の下にあったペニスがズボンの上からでも分かるほど勃起してしまっているのを見て意地悪く告げる。 「不思議ですねえ?私まだ何もしてないのにひょっとしてキスされただけでこんなおっきくなっちゃったんですかあ?」 「ち、ちが…!」 「隠してもだ~め?彼女がいるのにこんなおっきくなっちゃうおちんちんにはお仕置きが必要ですね?」 そう言うと美月は僕のファスナーを下ろし下半身を露出させた。 「ほらぁ?やっぱりこんなビンビンになってる?」 そしてそのまま竿を扱きだしたかと思うと合わせてもう片方の手で睾丸を揉みしだく。 「ああ!?ああああ……!」 そのテクニックは麻友とは比べ物にならないものだった。美由も手で奉仕してくれる事はあるがおよそ一本調子であるのに対し美月の滑らかな手での強弱を付けたストロークはあっという間に精液を絞り出されてしまいそうな快感だった。加えて睾丸を揉みほぐされ続けるという経験した事のない快楽を与えられる。思わず声が出てしまうのも道理だった。しかしその快楽はすぐに終了した。美月はペニスから手を離し 「う~ん…手で射精させちゃうのも味気ないですね。今日は初めて来てくれたお礼に私のお口でイかせちゃいます?」 そう言うが速いか僕の亀頭の先にキスをする。 「ぐ…!?」 そして じゅる?じゅる?じゅううううううううう? わざと卑猥な音を立てるようにしてゆっくりと美月の口が僕のペニスを飲み込んでいく。既に射精寸前まで追い込まれていた僕が温かい口内での強烈な吸い付きに耐えられるはずもなく 「あ、あああああああ!で、出る!」 奥まで咥え込まれただけで美月の口内に射精してしまった。 「はぁ…はぁ……」 放心状態の僕とは裏腹に余裕たっぷりに口内の精液を見せつけ飲み込む。 「あ~あまだちょっとフェラしただけなのにこんなにザーメン出しちゃって?そんなに私のお口気持ち良かったですかぁ?」 口から溢れた精液を舌で舐め回し艶っぽい表情を浮かべたまま笑う。 「ここに来たらまた遊んであげますからね?雄基君?」 二日後 「く…ああああ………出るっ!」 今日は美月に扱かれ続け彼女の手を精液で白く汚していた。 「は~い?お疲れ様~?帰る前にシャワー浴びてっていいですよ~?」 結局あの日から僕は昨日今日とこのマンションに通い美月に精液を搾り取られていた。女の部屋に通っているのがマスコミに見つかっては面倒な事になるだろうがそこは細心の注意を払っている。また美月もそれをリークいsて一儲けしてやろうとは考えていないようだった。 美月に言われた通りバスルームへ行く。先程射精させられたばかりのペニスはまだ勃起が収まりきらず精液が付着していた。シャワーでその精液を洗い流すように体を洗っているといきなりバスルームのドアが開く。 「み、美月!?」 そこには美月が一糸纏わぬ姿で立っていた。すらりとした体躯に白い肌、そして何より目立つのが今まで服の上からしか見た事のなかった豊満な乳房だった。その淫猥な胸とは裏腹にピンと立ったピンクの乳首がより情欲を掻き立てる。 「一回イっただけじゃ物足りないですよねえ?もうちょっと遊びましょう?たとえばこんな感じで?」 そう言うとボディソープのボトルを手に取り体中に塗りたくった。そして僕の背後から抱きつく。 「ま、待て!」 「ほ~ら?雄基君の体もヌルヌルにしてあげますよぉ?」 足を絡ませ上半身を密着させたままで美月が体を上下に動かす。押しつぶされた乳房で背中を撫で回され更に手はペニスに伸びる。 「は…あああ………」 「ふふ、さっき出したばっかりなのにまたイきたくなっちゃいましたか?…でもその前にまたいたずらしちゃおっかな~?」 そして美月の手がペニスから離れたかと思うと 「ひあああああ!?」 いきなり乳首を摘まれる。いきなりの感触に驚く僕を尻目に美月は乳首を責め続ける。 「み、美月…やめ……」 今まで全く味わった事のない快感に力が入らなくなってしまう。美月の手から逃れるようにゆっくりと足が曲がり遂には床に膝を付かされてしまう。 「あらあら…?チンポだけじゃなく乳首まで弱点なんですかあ?」 馬鹿にするように言うと僕をそのまま押し倒す。 「でもぉ?試合だとあんなかっこいい雄基君が女の子にちょっと遊ばれただけでこんなメロメロになっちゃうなんて可愛い?」 彼女に完全に舐められているのは分かっていた。しかし同世代の女性に性経験の差でこのように子供扱いされる事すらも快楽を強める材料となってしまっていた。そして美月は仰向けにした僕の上に乗って再び僕の乳首を弄り始める。更には太腿でペニスを挟み込んできた。 「あ…く……!」 「あらぁ?チンポと乳首一緒に責めてあげるのは雄基君にはちょっと刺激が強すぎたかしらぁ?ふふ、でも逃してあげませんよ。ヌルヌルの太腿で扱かれてザーメン出しちゃう無様な顔、見ててあげますからね?」 そう言うと更に足の動きを速めてきた。むっちりとした太腿で逃げ場なく扱かれ続け更に今まで経験した事のない乳首への刺激。美月の思うがままにされてしまう屈辱感だけではこの快楽に抗う事は出来なかった。 「や、やめ………ああ、ああああああ!」 十数分前に射精した事などお構いなしに精液を噴き上げた。 「は~い?また情けない顔してザーメン出しちゃいましたねぇ?こんな快感にすぐ負けちゃうチンポで恥ずかしくないんですかぁ?」 意地の悪い笑みを浮かべながら言う。 「あっ、そうだもし明日も明後日も家に来てくれるならぁ…?」 耳元に口を寄せる。 「雄基君にいい物プレゼントしてあげよっかな~?」 二日後 既に美月の魅力に嵌りつつある事を自覚しながら僕は毎日彼女のマンションに通い続けるのを止められずにいた。しかしそれも今日で最後にしよう。美月がくれるプレゼントを貰ったらそこでこの関係を終わりにする。さもないと通うのを止められず完全に彼女の虜にされてしまいかねない。 「いらっしゃーい?約束通り毎日ちゃんと来てくれたんですね?」 「…プレゼントは?」 「慌てないの?ちゃんと奥に用意してありますから」 美月に連れていかれたのはベッドルーム。特に何かが置かれている訳でもなさそうだ。そして二人でベッドの上に座る。 「ところで…プレゼント何だと思います?」 「さ、さあ分からな…!?」 目の前で美月がいきなり服を脱ぎ出す。そのまま下着だけの姿になったかと思うとその下着も脱ぎ捨てる。そして裸になると先程脱いだ下着を持ち僕の目の前でゆらゆらと揺らした。 「プレゼントは~?美月ちゃんの脱ぎたて下着で~す?」 「…!?」 「あれぇ?どうしましたぁ?嬉しすぎて声も出ませんかぁ?」 「ち、ちが…」 その反応を見てニヤリと笑うと 「じゃあ何でこんなチンポ勃たせてるのかなぁ?」 「ぐ!?あ、あああ……」 いきなりズボンの上からペニスを握ってきた。 「嬉しくないわけないですよねぇ?だってこんなスケベな下着実際に見た事ないですもんねぇ?」 片手で股間を揉みしだきながら下着を揺らす。美月の小さな顔なら隠れてしまいそうな大きなブラジャーと下が透けそうなレースのショーツ。一見おとなしそうな黒い髪の彼女にはおよそ不釣り合いな赤い色をしている。そのいやらしさに釣り込まれ気づくと左右に揺らされる下着を目で追ってしまっていた。 その瞬間 「むぐぅ!?」 いきなり美月がショーツで僕の鼻と口を塞いできた。彼女がつけていた香水の匂いと下着に染み付いた彼女自身の雌の匂いが一気に脳内まで侵食してくる。 「ん…!ぐ……!」 「ふふ、たまらないでしょう?この匂い?あらあら?チンポもまた硬くなってきて目も虚ろになってきましたね?そんなにいいならもっと吸わせてあげます?」 そう言うと美月は僕をベッドの上に押し倒し口を手で塞いだ。そしてショーツを鼻に押し付ける。先程までは口で呼吸することで何とかこの匂いを吸い込まないようにしてきたもののこうなっては勝ち目がない。一方的にショーツに染み付いた匂いを嗅がされ続け解放された後はもうフラフラになってしまっていた。 「随分だらしない顔になりましたね?ほら?下着をプレゼントしてほしかったらちゃんとおねだり出来ますよね?」 「み、美月の下着…ください……」 頭の中まで彼女の雌の匂いで犯され僕は半ば思考を失ったまま彼女の言う事に従っていた。 「へぇ~?女の子の脱いだ汚い下着なんて欲しいんですかぁ?これ貰ってどうするんです?」 僕が逆らえないのを見越して挑発をかけてくる。 「し、下着の匂いを嗅いで…」 「嗅いで?」 「オナニーしたい…」 「ふ、ふふ…あははははは!恥ずかしくないんですかぁ?そんな変態みたいな事言って?あ~あファンの人が聞いたら幻滅ですよぉ?」 「そ、それでもいいからぁ…!」 「も~?仕方ない変態さんですね?じゃあはいプ?レ?ゼ?ン?ト?」 そう言ったかと思うとショーツを僕の頭に被らせる。 「あ…ああ……」 「変態の雄基君にはお似合いの被り物ですよぉ?」 そんな嘲りの言葉を半ば一線を越えてしまった僕がまともに受け止められるはずがなかった。馬鹿にされるたびに心が蕩けてしまうような歪んだ感情を抱いてしまっていた。 「そうだ?折角だからこの恥ずかしい格好写真に撮っておいてあげます?」 そう言うと美月は携帯を取り出し僕に寄り添うように寝転んだかと思うと 「はい、チーズ?あ、安心してください。別にこの写真売ったりしませんから私そういうの興味ないですし…まさかこの下着被されて顔のよく見えないド変態があの中原雄基選手がだなんて信じる人ほとんどいないでしょうから?」 そして起き上がると 「そう言えばまだ今日は雄基君のザーメン貰ってなくて物足りないですねぇ?まあ私の下着でオナニーするバカな所を見つめてあげてもいいんですけど?折角脱いでるんだから今日はおっぱいでイかせてあげます?」 そう言うと僕のズボンを脱がせのしかかるとその凶悪な乳房でペニスを挟む。 「ふ…あ、ああ……」 柔らかく弾力のある乳肉にペニスが圧迫される。残念ながら麻友はそれほど胸が大きくなく今までこのような責めをされた事はなかった。手や口のような強烈な責めでなく徐々に下半身が溶かされ支配されるような柔らかい責めを受け僕は自ら腰を振ってしまっていた。 「あらあら?仕方ないですねこの変態さんは?じゃあこういうのはどうですか?」 美月が舌を出したかと思うと胸の谷間に唾液を何度も垂らす。 ぐちゅ…?ぐちゅ…? 次第に僕のペニスから放出されたカウパーと唾液が混ざり合い美月の乳肉とペニスが擦れ音を立て出す。段々と大きくなる音で催眠にかけられたように僕の腰の動きは速くなっていった。更に 「ふふ、折角だしもうちょっとサービスしてあげます?」 そう言うと美月は乳房でペニスを締め付けたままペニスの動きとは反対に乳肉を上下させる。 ぐちゅ?ぐちゅ?ぐちゅ?ぐちゅ? もう射精を止めるのは不可能だった。 「で、出るうううう!」 そのまま美月の乳房に精液を放つ。 「あん?全く…毎日搾ってあげてるのに凄い量ですね?ほんと仕方ない変態チンポなんですから」 そう言いながら乳房を指でなぞり付着した精液を舐める。 「と?こ?ろ?で?雄基君これから私とやりたい事ありますかぁ?」 「や、やりたい事…?」 「そうこれから私にこ~んなエッチな事して欲しいでちゅ~?とかぁ言ってくれたら考えてあげますよぉ?」 「べ、別に…」 「あらぁ?じゃあ何で私の下半身チラチラ見てるんですかぁ?」 「う……!」 美月が僕の耳元で囁く。 「雄基君は今まで麻友ちゃん一筋だったからこんなスケベなテクニック味わった事ないんだよねぇ?それで毎日ザーメン搾られながらぁ?手コキやフェラでもこれだけ気持ちいいのにもし美月ちゃんのマンコに挿れたらどれだけ気持ちいいのかな~って妄想してるんだよねぇ?」 「……!」 「ただ美月ちゃんとセックスなんかしたら病みつきになって戻れなくなっちゃうから雄基君の良心が必死に止めてるだーけ?」 少しずつ美月の言葉が頭を埋め尽くしていく。 「もしこれから結婚した後に別の女の子とセックスなんてしたら大問題だよねぇ?毎日毎日マスコミに叩かれて人気もなくなっちゃうよねぇ?」 そして 「でも今ならちょっと女の子と遊んだだけ?一回悪い子になっちゃうだけですっごく気持ちよくなれるんだよぉ?」 そう言い終わると美月は立ち上がる。そして最後にこう告げた。 「もし雄基君がこれからも毎日来てくれるなら五日後にぃ?な?ま?で?セックスさせてあげてもいいよ?」 翌日 「ふふ…?やっぱり来ちゃったんですかぁ?変態さん?」 プレゼントを貰ったら手を切ると決めていたはずなのに美月の誘惑に逆らえなかった。ノコノコと彼女のマンションを訪れた僕を彼女は完全に見下しているのだろう。 リビングに通されると 「は~い?じゃあ今日はそこに寝転がってください?」 ソファの前に寝転がされる。そして僕の下半身を露出させ自分はソファに座ったかと思うと 「あ…が……!」 ぐりぐりと脚先でペニスを弄り回される。 「ほ~ら?気持ちいいですかぁ?悦ばせるのに脚だけでいいなんてほんとどうしようもない変態ですね?」 そう言いながらも今は全く僕の方を見ていない。本を読みながら踏みつけるように強く刺激したかと思えばすぐに脚をどけてみたりと全くペースが一定でない。 そして数分が経ってようやく彼女が僕を射精させる気がない事に気づく。僕を無視しているようで実は声を聞いて強さを調整していたらしく全く射精に至れない。 「み、美月…!もう焦らさないで……」 泣き言を言う僕を冷たい目で見下す。 「はぁ?何調子に乗ってるんですかぁ?私は別に貴方の性欲処理用の女じゃないんですよぉ?」 そう言って強く踏みつける。 「が……ああああ……!だ、だって今まで……!」 「だから言ってるじゃないですかぁ?ちゃんと四日後にセックスしてあげるって?それまでは雄基君が勝手に私の部屋に来てるだけなんだから文句言われても困ります~?」 「そんな……!」 そう言われては何も言い返せない。美月とセックス出来るという餌に釣られてしまった以上何をされようと絶対服従し毎日彼女の為すがままにされてしまうしかない。 「ふふ、それにしても情けないですねぇ?ほら、こういうのはどうです?」 両方の脚の裏でペニスを挟み扱く。 「ああああああ!」 手のような繊細な責めではなく両脚での力任せの扱きで射精直前まで一気に高められる。 しかし 「はい残念でした~?」 僕の反応を見て取りすぐにそれも止めてしまう。 「あれぇ?どうしたんですかぁ?ガッカリしたような顔して~?期待してても疲れるだけですよぉ?」 「ぐ……!」 それ以降は指先で撫で回されるだけで全く射精させる気のない生殺しを受け続けそして 「あ~あ。なんだか飽きちゃいましたね。今日はもう帰っていいですよ?」 「え……?」 「だから~今日はもう帰ってもいいですよ。良かったですねぇもう焦らされなくて?」 明らかに悪意のこもった満面の笑みを浮かべている。そうやらこれからもこのような美月の横暴を受けなければいけないようだ。 そして自分の家に帰ってからはもう溜め込んだ情欲を発散するしかなかった。 「あ、あああ。美月ぃ!美月ぃ!」 彼女に与えられた下着の匂いを嗅ぎながらペニスを扱き続ける。先程までの美月の性格の悪い笑い顏を思い浮かべ脚先で踏みにじられた感触を思いながら焦らされ続けた鬱憤を晴らすように何度も射精した。 それから数日、つまり美月との約束の前日までそれは続いた。毎日美月のマンションに通うも彼女は全くやる気を見せずただこちらを生殺しにし続けてはその反応を楽しむだけ。美月を喜ばせないように必死に彼女の責めに耐えようとするも最早弱点を知り尽くされてしまった彼女に勝てるはずもなく喘がされ続け彼女の嘲笑を受けるのだった。 そして彼女から解放された後はすぐに言えに帰りそれを思い浮かべながら何度も自慰に耽る。このために何度彼女のショーツの匂いを嗅ぎブラジャーに顔を埋めた事だろう。こうなる事を予想して下着をプレゼントされたのならばまんまと彼女の術中に嵌ってしまった事になるがそれを知られて受ける彼女からの嘲笑などこうやって彼女の下着で与えられる快楽に比べれば微細なものだった。こうした淫靡なサイクルを繰り返す内にどっぷりと嵌り込んでしまい気づけば家にいる時は常に彼女の下着を握っているような異様な状況になってしまっていた。 そして約束の日 「は~い?いらっしゃ~い?」 「きょ、今日が約束した日だろ…?」 「はいはい、そんな焦ると嫌われちゃいますよぉ?」 そう言って僕をベッドルームに通す。が様子がおかしい。妙にしおらしく落ち込んだ様にも見える。 「そう言えば雄基君に言わないといけない事があるんです…」 「言わないといけない事…?」 「実は私…こっちの人間じゃないのでもうすぐ帰らないといけないんですよねぇ」 「か、帰るってどこに?」 「う~ん強いて言うならぁレインズの本拠地の近く…ってとこですかねぇ?」 「レインズ…!?」 レインズといえば僕の所属するチームのライバルチームだ。本拠地はかなりここから離れている。そして美月は告げる。 「ねぇ雄基君?物は相談なんですけどぉ…レインズに移籍して私と一緒に過ごしません?」 「な、何を言って…!?」 突然の発言に慌てる僕を尻目に抱き着いて話しかけてくる。 「え~いいじゃないですかぁ?二人で幸せになりましょうよぉ?」 「だ、だってファンを裏切って…」 「大丈夫ですよぉ?移籍は選手の権利なんですからぁ?移籍して怒る方がおかしいんですよぉ?」 この噛み合っていないような会話でも動揺している僕は反論出来なかった。 「ぐ……でも麻友を置いては……」 その言葉に美月がニヤリと笑みを浮かべる。 「あらぁ?麻友ちゃんと私、どっちが好きなんですかぁ?」 「そ、それは……」 口ごもる僕を見て囁く。 「もう正直になろ?雄基君が好きなのは私なの今悩んでるのは美由ちゃんが好きだからじゃなくて可哀想に思ってるだけなの?」 「ち、違う!」 「へぇ~本当に麻友ちゃんの事愛してるんですかぁ?たとえば毎日毎日私の所に来ましたけどぉ?本当は麻友ちゃんと合う予定とかすっぽかしてたりして?」 「……!」 僕の反応を見るやポケットに手を突っ込み携帯を取り出す。そしてメールを見ると 「あれぇ?最近麻友ちゃんと食事に行く予定キャンセルしてますけどぉこの日って一昨日ですよねぇ?」 「一昨日は確か私の脚の下でアンアン言わされてましたよねぇ?彼女との大事な予定よりもこっちの方を選んじゃったんですかぁ?」 「う…ぐ……」 「あ~あ?今の雄基君と結婚しても麻友ちゃん幸せになれませんよぉ?」 「な…!?」 「だって今の雄基君が麻友ちゃんと結婚してもぉ?どうせ私の事が忘れられないでしょう?」 「……」 「だーかーら?麻友ちゃんと別れた方が彼女も幸せになれるんです?」 「幸せに…」 「ね?だから別れましょ?」 美月の言葉に黙って頷く。僕は初めに言われた通りもう美月の虜となってしまっていた。ただ今までずっと一緒にいた麻友を裏切る事に抵抗があったのだ。頭の回らないままこうして逃げ道を作られてしまえばいとも簡単に麻友を捨ててしまう。それほど九日間の美月との関係は僕を狂わせていた。 「じゃあ早速麻友ちゃんに電話してあげてください」 「で、電話…?」 「うーん…やっぱり抵抗あります?じゃあもっと楽な方法にしてあげます?」 そう言うと美月は自分の携帯を取り出し僕の携帯と合わせて何やら操作すると 「はい!この前の写真麻友ちゃんへのメールに添付しておきました?後は送信ボタン押すだけです」 そう言って僕に携帯を手渡す。 「で、でも…」 電話をかけるよりは遥かに容易とはいえまだ渋る僕の耳元で美月がとどめを刺す。 「ボタン押したら後でセックスしてあげるからね?」 その言葉が引き金となり震える指でボタンを押す。 二十秒ほど経っただろうか。僕の携帯が鳴る。僕の手から携帯を取り美月が出る。 「は~い?もしも~し?」 『あ、貴方誰よ!?』 この声はまさしく麻友だった。 「はぁ~?自分から掛けて来ておいてその言い方はないんじゃないですかぁ~?」 『私は雄基の彼女!で、貴方は誰なのよ!?』 「私ぃ?私は雄基君の今のカ?ノ?ジョ?」 『ふざけないでよ!雄基に替わって!』 その言葉を聞き美月は携帯を僕の耳につける。 「麻友…」 『ゆ、雄基!?何やってるの!?その女は誰!?』 「こ、この人は僕のメンタルトレーナーで…あ!?ぐ……」 話している途中に美月が僕のファスナーを下ろしペニスを手で扱き始める。 『ゆ、雄基!?どうしたの!?』 「ち、ちが…何でもな…あ、あああああ……」 必死に耐えようとするも声が漏れてしまう。ここで美月が替わり 「もしも~し?ちゃんと替わりましたよぉ?」 『ね、ねえ!何したのよ!?』 「ふふ、教えてほしい?雄基君が話してる後ろからちょっと手コキしてあげただけ?あれぇ?もしかして麻友ちゃんは雄基君のこんな声聞いた事ないんですかぁ?そうですよね~?だって麻友ちゃん下手ですもんねぇ?」 そう言ってケラケラと笑う。 『ち、違う!私は…!』 「さっき送ってあげた写真見ましたぁ?雄基君があんな幸せそうなアヘ顔してるの見たことないんじゃないですかぁ?雄基君ったらここ数日毎日家に来てあんな感じで二人で楽しんでたんですよぉ?フェラしてあげたりぃ?パイズリしてあげたりぃ…?」 『も、もうやめて!』 堪えきれなくなった麻友が大声をあげる。 『大体そんな証拠が…』 「ふふ、何なら今までの音声全部麻友ちゃんプレゼントしてあげますよぉ?雄基君ったら録音されてるのも知らないであんなに喘いじゃって?これ聞いて勉強したらどうですかぁ?」 次第に麻友の声が小さくなる。聞こえてくる声に涙が混ざり始める。美月もしばらくはそれをからかって遊んでいた。 そして 『ねえ!貴方どこにいるのよ!教えてよ!雄基を助けに行くからぁ!』 その言葉を聞いて急に美月のテンションが変わった。 「はぁ…そうですね。私が悪かったです。私が二人の仲を引き裂くなんて出来ないですし…ほら、雄基君。ここの場所教えてあげてください」 そしてこちらを見て笑いながら 「そしたらもうに?ど?と?雄基君の前に姿を見せないですから?」 そう言って携帯を僕の耳につける。 『ね、ねえ雄基!今どこにいるの!?教えてよ!?』 僕の答えは決まっていた。 「ごめん…教えられない」 無言が続き電話が切れた。 「ふふ…ちゃんと麻友ちゃんと別れられましたね?よく出来ました?」 「こ、これでセックス……」 「あらあら?彼女と別れた直後にもうセックスの事考えてるなんてちょっと遊びすぎましたかね?」 そう言って笑う。 「あ、そうだ!移籍することちゃんとファンの皆さんにも知ってもらいましょう?」 美月が部屋の奥に行き何やら取り出したかと思うと 「はい!動画録る準備が出来ました~?原稿も用意してありますからお別れのメッセージ録画しましょ後で雄基君のホームページに載せてあげます?」 そして用意されていたスーツを着させられ原稿を読まされる。ファンへのおざなりな挨拶、レインズへ移籍する事、これからも変わらず応援して欲しいという事など書いてある事を一通り喋った。しかしそれだけでは終わらなかった。美月が折角だからと取り出した移籍に関する契約書にサインを迫られた。何かおかしいと頭の片隅では感じていたが美月の事で一杯に満たされた僕の思考がまともに考えられるはずもなかった。 「は~い?じゃあお待ちかねのセックスの時間で~す?」 そう言って美月が服を脱ぎ出す。ここ数日見ていなかった彼女の一糸纏わぬ姿に再び目を奪われる。そしてベッドに寝転がると 「ほらこれが彼女もファンも裏切ってヤれる美月ちゃんのエッチなカ?ラ?ダ?これからは二人でい~っぱいセックスしようね?」 もう何も考えられなくなり美月の体に飛びつき膣にペニスを挿入する。美月も今までのやり取りで興奮していたのか抵抗もなくペニスを飲み込む。 「う!?ぐ……!」 美月の膣内は予想以上の快感だった。今までの感じからして性経験が豊富なはずの美月なのにその膣の締め付けは自分以外経験のない麻友以上だった。しかも奥に突き刺す度に膣壁がペニスに絡み付く。簡単に射精しないように耐えようとしてもそれを塗り潰す極上の快楽を与えられたいという気持ちで勝手に美月の体を突いてしまう。 「あああああ!美月ぃ!」 「ふふ、どうせ最近も毎日家に帰って私とセックスする妄想しながら下着でオナニーしまくってたんでしょう?ほらほらぁ?妄想通り中出ししちゃってもいいんですよぉ?」 美月に促されもう止めることは出来なかった。 「美月ぃ!美月ぃ!」 「も~?そんなに私の名前ばっかり呼んで麻友ちゃんの事は忘れちゃったんですか?」 「麻友なんてどうでもいいからぁ!」 完全に美月の手に堕ち体を突き続ける僕を見て冷淡な笑いを浮かべる。 「あ~あ?十年以上付き合ってた彼女フッて一時間もしてないのに他の女と寝取られセックスして悦ぶなんてほんとどうしようもない変態マゾですね?」 その言葉に更に興奮させられてしまう。耳からは美月の嘲りの言葉が入り目の前では突く度に美月の巨大な乳房が揺れそして膣では容赦なく締め上げられる。天国のような快楽にもう射精は抑えられなかった。 「そういう変態君にはぁ?お?し?お?き?」 言うなり美月の締め付けが更に強くなる。 「あああああああああ!出るううううううううう!」 とどめを刺され美月の膣内に大量に精液を放出する。彼女とファンを捨ててこれだけの快楽が得られるなら安いものだと錯覚してしまうような甘美な時間だった。 そしてその後 「さ~てそろそろ本当の事教えてあげます」 美月が僕の上で話しだす。 「私の本当の仕事はメンタルトレーナーじゃなくてこれ?」 初めに貰った名刺とは別のものを取り出し見せる。 「契…約屋?」 「そう、契約屋まあ簡単に言えばターゲットを決めて他の場所に引き抜いちゃうって事?今回雄基君をレインズに引きぬいたのも依頼された私のし?ご?と?」 頭が真っ白になった。移籍を決めてから妙に手際が良かったのもそのせいだったのか 「まあでも私の仕事なんて関係ないですよね?だって雄基君はちゃ~んと納得してレインズに移籍したんですから?」 そうだ、何の問題があるだろう。僕は自分の意志で移籍を選んだ。それが最善だったのだ。麻友も僕と別れたほうが幸せになれると分かったではないか。 「さあ?じゃあもう一回セックスしましょ?」 こうして僕は完全に思考を放棄して美月との肉欲に溺れていった。 それから数カ月後 レインズの中心メンバーとして今日も活躍した僕は美月の待つ家に帰る。美月は契約屋の仕事を辞め僕との関係に専念する事に決めたようだ。 「おかえりなさ~い?ふふ、今日はまた一段と気合が入ってましたね?」 「ああ、だって古巣相手だからな」 美月とレインズとの関係はまだ続いており、引き抜いた選手、つまり僕がライバルチームである僕の古巣相手に活躍すればその都度ボーナスが出る仕組みになっているらしい。そしてそうなれば美月の機嫌も良くなり 「じゃあ今日はご褒美に一晩中た~っぷり虐めてあ?げ?る?」 この選択が合っていたのか僕には分からない。しかし美月が喜ぶのならこれが最善だったのだろう。そんな僕の無駄な思考は美月に抱き締められ胸に顔を埋めさせられながら溶けていった。 マインドバイブレーション ~強制乳内射精ベルト実演訪問販売~  ピンポーン。  と、チャイムの音が僕の部屋に響いた。こんな時間に来客なんて珍しいのに。  せっかく学校が休みだから自室でゆっくり休んでいたかったが、家族が全員外出しているので仕方なく僕は階段を降りていく。  白調の玄関は、靴が少ないせいかやたらと閑散しているように感じた。 「はーい、どちら様ですかー!?」  僕はドア越しに向こうの人物に声を掛けた。スリッパを履きながら覗き穴に近づく。 「……すみません、私ユートピアカンパニーという会社の者です。今日はこちらのお父様にお話があってお伺いさせていただいたのですが……」  聞こえてくる丁寧な喋り口の声。どうやら女の人の様だ。覗き穴に目を当てると、確かにその声の人物らしき女性が玄関の前に居た。  しかし、父さんに用事の人か……間が悪いなぁ。まぁしょうがない、今日は帰ってもらおう。 「すいませーん! 父は今出かけてるんですー! なので、また今度にしてもらった方がいいと思いますよー」  僕はわざとらしく声を大きくして、父さんの不在を伝えた。彼女を鬱陶しく感じているわけでは無かったが、僕としてはさっさと戻って自分の部屋で休んでいたかった。  だが、彼女にどうやら帰る気配は無かった。 「あの……ご子息様……でいらっしゃいますか?」  彼女はさっきとは若干小さめの大きさでドア越しに話しかけてくる。僕は脱ぎかけていたスリッパをまた履き直した。 「……はぁ。そうですけどー?」  何でこんな事を聞いてくるのか。疑問には思ったものの、嘘を付く必要も無いと思ったので正直に答える。  どこの会社の人間かもわからない、しかも聞いたことも無いような会社の名前に僕は少し警戒心を抱いていた。 「…………。……お父様がご不在と言うことなので、渡して頂きたいものがあるのですがよろしいでしょうか?」  トーンの変わらない淡々とした口調で言葉を並べる女性。  通販か何かの会社なのだろうか。  そういえば今朝、父さんが「昨日何か届かなかったか」とそわそわしながら家族に聞いていたかもしれない。  たぶんまたネットショッピングでどうでも良いものを買ったのだろう。パソコンの使い方を教えるべきじゃ無かったかも。  僕は呆れながら、父宛らしい宅配物があるなら受け取っておくことにした。 「まぁ……いいですが……」  エロ本とか、……オナホールとかかもしれないな。などと少し下品な考えを巡らせながら僕は玄関のドアを開いた。  ガチャリ。キィ……。  ドアを開けると、明るい太陽の光が差し込んで一瞬目を眩ませる。そこには覗き穴ごしに見た女性がしっかりとした姿勢で立っていた。   そこに立っていたのはスーツを着た、眼鏡のお姉さん。左手には大きめの黒いトランクを提げている。  黒髪は後ろでまとめて前に少し残す短めのポニーテール、黒のスーツに白のボタン式シャツをきっちり着こなしていかにも清楚なOLというのが第一印象。 「失礼致します。私、ユートピアカンパニーの――」  彼女が名刺を取り出し手渡そうとする際に僕は彼女の体が気になってしまう。  全体的に清楚なルックスなのに対し、その胸元はボタンが外れなそうなほどむちむちとしていて嫌でもそこに目が行く程の胸がそこにあったからだ。  他にも、スカートの丈は普通なのに黒ストッキングごしでもわかるキメの細かそうな脚、柔らかそうな太もも――。 「あの……どうかされましたか?」  彼女はきりっとした顔を向けて僕に聞いてくる。  ここまで男を誘うような肉体をしてるのに、しっかりと整った顔で表情を崩す気配がない。  まさに頭の良さそうな、仕事の出来る眼鏡女性って感じだ。  クラスにも何人か眼鏡っ子はいるのだが、このお姉さんは特に僕の心を惹きつける……年上だとは思うが、僕の好みだった。 「あ……いやいやいや! すいません! 何でも無いです何でも……」  僕は慌てて受け取った名刺をポケットに突っ込んだ。  舐めるような視線を感じたのか否か、訝しげな様子で僕の顔を伺っている。あくまで無表情で。 「で……その、ユートピ……でしたっけ?」 「はい。私、ユートピアカンパニーで訪問販売兼、御配達を担当させていただいております。篠宮と申します。今後ともどうかよろしくお願いいたします」 「は、はいよろしくです……」  深々とお辞儀する彼女。  僕は上半身が曲がって振動が加わったその大きな胸にまた目を奪われる。窮屈そうな胸が鈍く揺れる様子がなんともいやらしい。  すぐさま僕は我に帰って、お姉さんを玄関の中に招き入れる。彼女はそれを聞いて「失礼します」と玄関をまたぐ。その動作も逐一丁寧だった。 「それで……今日はこちらのお父様に配達物がございまして。名前を確認していただければと思いますが……間違いないですか?」  お姉さんは懐から一枚の紙を取り出し、僕に確認を促す。白くて細い彼女の指に気を取られそうだったが、その紙に目を通すと確かに父さん宛の様だった。 「はい……間違いないです。父です」 「ありがとうございます。で、こちらがその商品なのですが……確認、していただけないでしょうか?」  と、お姉さんはトランクを玄関の段上に置き、突然父への配達物であるはずのトランクのロックを外した。 「えっ、えっ?」 「……。こちら、新商品の『ヘブンズベルト』というもので……、まだ発売されたばかり、数も少ない高級品です」 「高級品……父さん……」  僕は父さんがこんなよくわからないベルトにいくら払っているのか、と考えると頭を痛くなった。  彼女とは言うと、何もおかしいことはないと言わんばかりに、無表情で僕にトランクの中身を見せる。  その中には、よくTVショッピングとかで紹介されているような、機械式ベルトが入っていた。  ベルトのバックル部分は四角く内部に機械が取り付けられているようで、リモコンらしき物も装着されている。 「これは、あれですか……ダイエットとかに使う……」 「はい。普通は……これをご使用する際、お客様自身の腹部に付けていただき、このバックル部分にあるリモコンを操作してベルトをバイブ運動させ、脂肪を燃焼させる事ができます」  そう言いながらベルトからリモコンだけを外して、良く見えるように説明してくれる。  リモコンにはボタンが幾つかあり、振動の強さが調節出来るみたいだ。  お姉さんはベルトをトランクから取り出し、説明を続ける。全体で見ると結構ベルト部分は長く、結構お腹が出ている人でも使えそう。  父の腹を思い浮かべながらそんな事を考えていると、お姉さんは流れるような作業でベルトを持ち上げ―― 「そして……お腹以外には、こういった使い方をすることも出来ますよ……」  そのベルトを……スーツの上から、まるでブラジャーを付けるかのように……その大きな胸の上から巻いてしまった。 「……このように、留める部分は着脱しやすい様になっておりまして、一人で胸部にセットすることも可能です……」 「えっ、それで……それを……?」  ごくり、と生唾を飲み込んでしまう。 「……。これで、胸部の脂肪が気になる女性の方にも効果が期待できるというわけです……」 「あ……なるほど……」  僕は、はみでそうな程の巨乳にみちみちと食い込むベルトというなんともエロい光景に頭をやられ、つい変な想像をしてしまった。  駄目だ、なんだか完全にあっちのペースだった。大体、僕はなんでこんな説明を受けているんだろう……。 「――と、様々な使い方が出来るわけなのですが……」  彼女がその小さい顔をあげる時に揺れる髪の毛や……眼鏡ごしの上目遣い……それに髪から……良い匂いがする。  僕は心の底から湧き上がる感情をなんとか抑えようと……してはいた……。 「……お客様」  不意に、彼女の纏っていたプレーンな雰囲気が一瞬変わった気がした。大きな変化では無いものの……間違いなく最初の時とは違う感じだ。  彼女は心を見透かそうとしてくるかの様に、上目遣いでこちらを見つめてくる。 「は、はい? なんです……?」  僕はなんとか平静を装って、彼女に勘ぐられないように気を付けた。  きっと、ばれてない。このお姉さんは……真面目そうだし……きっと……そういうHな事とは無縁の生活を送ってきたんだ……そういう人だ……きっと。 「お客様……私の、この状態を見て……いやらしい事をお考えになったのでは無いですか……?」  心臓が、一際大きく高鳴る音が聞こえた。  今までもやもやとしていただけの欲望が、その一言で一つの形になろうとしている。  視線や意識も彼女の胸に向いてしまう……ベルトに締め付けられた胸の柔肉。  シャツどころかベルトまではじけ飛ばしてしまいそうな……みち、みち、と……音まで聞こえてきそう……。  僕の意識が、彼女の体に吸い込まれて……周りの風景がぼんやりになっていく。 「良いのです。これは、そういった使い方も出来るように開発されていますので……」 「いや……それは、その……」 「お金持ちのお客様は……これをお好みの女性に着せて……ちょっとしたプレイを楽しむ方もいらっしゃるようですよ……」  彼女は僕に近づき、囁くように説明を続ける。僕の心は、その言葉にどんどん乱されていく。  そんな、ちょっとしたプレイなんて……想像できるものは一つしか無いじゃないか。   してみたい。あんなにみっちりとした彼女の胸に着せて……もし、あの中に…………。   「お客様のご所望とあれば……今この場でお試しいただくこともできますが……どうでしょう……?」  彼女の表情からは、そんな卑しい物は一切感じられないのに……雰囲気や空気、そして声が……男を誘うぞわりとした空気を僕に感じさせるのだ。 「え……あの……」 「私のこの……胸で……お試しいただいてもいいのですよ……もちろん、お試しいただくだけなら……代金はいただきませんので……」  もう、まともに受け答えすら出来ない……いや出来たとしても……。僕の気持ちは一つの邪な欲望でまとまっていた……。  それを……彼女もわかってくれている……。 「あ、……」 「構いませんよね……? さ、そこにおかけになってください……」  僕は暗示にかかったかのようにこくりと頷いて、言われるがまま玄関の段差に腰を下ろした。  彼女は両手で僕の両足を開き、股間を全くの無防備にさせられいく――。  大体この商品は父さんに届けてきたものでは無かったか……そんな疑問も、もうどこかへ行ってしまった……。  彼女はスーツ姿のままゆっくりと股の間に近づき、僕のジーンズに両手を伸ばす。 「お客様は楽になさっていて結構ですよ……ご体験についてはサービスですので……こちらで全てやらせていただきます……」  一気に距離感を埋められ、更に彼女の雰囲気と匂いに飲まれる。  鼻から入って脳内を幸せにさせるその香り。何かに言い表すのは難しい独特の香りだ。  香水……いや、媚薬という物を嗅いだらきっとこんな気分になるのかもしれないと思った。  嗅げば嗅ぐほど、頭の中がふわふわといい気持ちになっていく。僕のちんこが頭をもたげるのがわかる。 「では、チャックを開けて、ペニスを取り出させて頂きますね。失礼致します……」  真面目で、そんな事とは全く無縁そうな彼女の口から出る卑猥な言葉。僕はごくりと生唾を飲んでしまう。  一方の彼女はお構いなしに見事な手際でチャックを外し、ズボンの中に手を突っ込んできた。 「うっ……」 「あまり大きな声は出さないようにお願いします。近隣の方に聞かれれば……誤解を受けてしまう可能性がありますので」  そうだ。これは何もいやらしい行為じゃない。ただ、少し商品の説明を受けているだけなんだ。  言い聞かせるように僕は頭を落ち着かせて、彼女のされるがままになる。  理性を理性で押さえつけて、仕方のない事だと、言い聞かせて自ら堕ちていく……。 「……しっかり取り出せましたね。痛くありませんか? 宜しければ、もう少し脚を開いて下さいませ」 「は……はい……」  既にパンパンになっていたモノは、少し探っただけで勢い良くズボンから飛び出てきた。  オナニーでしか使ったことがない、どうしようもないようなそれを見られているという事実で恥ずかしくなってしまう。 「少し……包皮が余ってらっしゃいますが、問題ありません。では挿入の準備を行いますね」  自分の一番見られてはいけないような所。そんな所を眼鏡越しのキリッとした瞳に観察されて、恥ずかしくて恥ずかしくて……でも、どこか興奮している自分が居た。  心のどこかでこんなのおかしいと思ってはいても、彼女の白い手が僕のちんこを握っているその感触がどんどん理性を侵食してくる。  誰かに触られるなんて初めてだったし、ましてやこんなスーツ姿で眼鏡でいかにも清楚な感じのお姉さんに握られているのだ。  頭がどうにかなってしまいそうだった。  彼女はというと慣れているのか、特に驚くような恥ずかしがるような事もなく、淡々と胸の下のボタンを外しながら僕の股間や表情をじっくり観察してくる。  そんな事務的な彼女の態度も、僕の性癖を著しく刺激してくるのだ。  萎えさせないように裏筋をすりすりと細かくさする彼女の指も僕の性感を昂らせた。 「このように、まずは女性の胸部にある、衣服のボタン等を外していただいて、ペニスを入れる隙間を作ります」  彼女は右手で僕のちんこを支え、胸の下部分にある服の隙間を、左手の二本指で開いた。  その大きな胸の隙間がちらりと見える、彼女の肌と同じ色をした肉の壁が、左右からぴっちりと合わさってそこからはみでていた。  訪問販売をするくらいだ。ここまで歩いて来たのだろう。そしてこのスーツ姿……。  僕はしっとりと汗が滲み出るような谷間の中を想像し、漏れる蒸気が目に見えるような想像をしてしまって、もう僕は張り裂けるくらいに勃起していた。 「では……ベルトで締めているので、少しきついかもしれませんが……挿入させていただきます……ね」 「は……はい……」  ゆっくり、ゆっくりと、彼女の胸が降りてくる。びくんびくんとわななく肉棒を捕食しようとするかのように……。  自分が何をしているのかも、既に頭の中から抜けていた。  今はただ、彼女のされるがままに……欲望のなすがままになっていたい……。胸の谷間に、早く自分のペニスを突っ込んでみたかった。  彼女の冷たい目が、一瞬細まったかと思うと……途端にちんこが飲み込まれたかのような感覚が襲う。  にゅぶっ……むにゅるりゅりゅるるるっ……! 「おぐ……くふぅ………」  先が柔らかい肉に咥えられたかと思うと、途端に肉の締まりが強くなり、余っていた皮が一気に乳で剥かれたのがわかった。  敏感な亀頭が露わになり、そこに容赦なくぎゅむぎゅむと柔肉が押し付けてくる。その感覚にほとんど反射的に声が出てしまった。 「……しっかり剥けたみたいですね。痛みがあったら仰ってください……その様子だと、大丈夫の様ですが」 「は、はいぃ……だいじょぶ、です……」  そして、亀頭が奥に進むごとに、締まりは弱まり、最後にゆったりと抱きかかえるような胸の感触が先っちょを刺激する。そこで僕の腰に彼女の胸先がぴったりと当たり、ペニスの先が彼女の胸から出ることは無かった。  この間、わずか数秒。ベルトに締められた彼女のおっぱい。その間をむりゅむりゅと突き進むだけでこれだけの感触が一気に襲ってきたのだ。  きっと今の僕の顔は、だらしなく緩みきって情けない事になっているのだろう。  逆におっぱいの方はといえば、動いてないだけでも竿の真ん中辺りをみっちり締められて……腰がぐいぐい吸い込まれてしまうかの様。 「あ、あの……もうちょっと……ゆるくなったりは……これ、つよすぎて…………」 「申し訳ありません……。私にこのベルトは少々小さい様でして、出来ればこの状態で、お試しいただけませんでしょうか」  僕の意見など端から聞く気もないみたいで、彼女はただ胸を両手で微妙に調整して固定しやすい場所を探している。    にゅ、むにぃ。むに、もにゅ。 「せめて、心地良いポジションを、セットさせていただきます」  「あっ、あ、うぁ……」  そうやって、少しづつ動かされているだけでも気持ちよかった。途中で両足を引っ張られたりして被虐心も煽られる。  結果、ようやく一つの位置に胸が固定されたものの、結局僕の亀頭は彼女の胸に埋もれたままだ。  こっちとしては亀頭がふんわりと包まれて気持ちいいので何も問題は無いのだが。彼女が呼吸するだけの動きでも、竿全体の圧迫感にちんこがとろけそうだった。 「では このリモコンで作動させます。少しづつ強くしていくといたしましょうか」  彼女が取り出したのは、さっきベルトから取り外していたリモコン。  そういえば……そのリモコンで、ベルトを起動したり、強さを変えたりできるんだっけ――  ピッ。  ぎゅち……ぐちゃぐぢょ……ぐちゅくちゃちゅ……ぐっぎゅちゅぐち……。 「あっ!! ちょっ! おほっ!!」 「いかがですか?」  リモコンがいかにもな電子音を発したかと思うと、途端にゆっくりとではあるが彼女の胸がぶるぶると震えだした。  小刻みではあるが、定期的にベルトが縦方向に振動しているようで太ももあたりがくすぐったくなる。  当然、僕のちんこは汗ばんだ彼女のおっぱいにぐちゃぐちゃともみくちゃにされる状態。  今度は完全にごまかせない喘ぎ声をあげてしまった。 「このように……ベルトが、リモコンで指定された強さで振動を始め、装着部の肉を震わせます」  「これっ……今どのくらいの強さ……なんですかあっ!?」 「今の振動の強さは3となっております。最高速度は10ですので、今は低レベルの振動ですね」  小刻みに震える胸を支えながら無表情で彼女は答える。 「えっぇう……そんな…………うぅ……」  3、これで3。既にまともに喋るのも難しくて、腰をくねらせてしまいそうなほどなのに……。    ぐちゅぎゅちゅ……ぐちゅくちゅ……くちゅちゅ……ぎゅちくち……。  竿全体を包みこむ彼女の乳が細かく動き、まるで汚れを根こそぎ洗い取ろうとしているみたい。  閑散とした玄関に響く水音。傍から聞いたら大したことのない音かもしれなかっただろうが、僕の脳内はいやらしく鳴るその音だけで埋め尽くされそうだった。 「どうでしょう……お気に召されそうですか?」  眼鏡越しの上目遣いでそう聞いてくる彼女の表情に脳髄を刺激され、更に興奮が高まっていく。  かといって彼女を押し倒したりしたいとは思わない。それよりもっと、彼女のなすがままになっていたい―― 「い、良いです…………」 「ありがとうございます。……ですが、この商品の素晴らしさはこれからですので」  彼女はそう言うと、また片手のリモコンを僕によく見えるようにして、親指で操作を始める。 「では、レベルを上げます。肉への振動を細かく調節出来るのが、このベルトの素晴らしいところですからね」  ピッ、ピッ。  くちゅ……くちゅくちゃくっちゅくっちゅぐちぐちゃくちゃくちくちくち……!    一気に、振動のスピードが上がる。当然、快感も激しくなって……。 「ちょっ、そんないきなりぃ! あっ! あっ、! 凄いこれぇっ……!」  情けなく喘ぐ僕を尻目に、彼女はこれくらいがどうしたと言わんばかりの無表情で僕を観察する。その温度差がまた恥ずかしくて、僕の心を焦がしていく……。 「……これで、まだ真ん中くらいですが……いかがです……?」 「こ、こしがもっていかれそうで……やば……ちょ、もう少し弱く……」  ピッ。  にゅっくん……にゅっくん、もっちゅ……もっちゅん……にゅっちゅ……にゅっむぅ……! 「ああっ!!!」  僕の意見などどうでもいいのか、彼女はまたリモコンを操作しベルトの動きを変える。  今度は振動がじっくりと大きくなり、縦横の振動にランダム性が加わった。  上下左右にベルトに震わされるまま形を変える彼女のおっぱい。乳内はどんどん我慢汁でいっぱいになり、服の中からの水音がはっきりと聞こえるまでになっていた。  彼女の汗とも混じって、まるで粘液でぬめった肉全体がぐちゅぐちゅと蠢き、ペニスを舐めしゃぶって味を確かめているかのよう。  激しい刺激では無くなったものの、腰の力がみるみる抜けて、自然に腰が上がっているのを感じる。  「この様に……振動数はそのままに強さを弱める事もできます。刺激が強すぎるという方でもまったりとした振動で刺激を得られるかと思います」  彼女の言う通り、逆にこのまったりとした細かい動きは僕のペニスに新鮮な刺激を送り更に射精感を高めてきた。    出したい。このまま彼女の胸の中で……射精してしまいたい。  こみ上げる衝動に、つい両手が彼女の胸に伸びてしまう。  両手でぎゅって締めて……自分に合わせた圧迫感の中で精液を放ちたい欲求が、無意識に僕の体を動かす。 「……。お客様。私の体には触れないようにお願い致しますね」 「えっ……いや……」  その僕の様子を察したのか、お姉さんは冷たい言葉で僕を制止する。  眼鏡越しの彼女の顔がより一層きつくなり、恐怖を感じるくらいの冷めた表情になっていた。 「私は、そういったサービスを行なっているわけではありません。あくまで、この商品をご体験していただいているに過ぎませんので」  そして彼女は、右手に掴んでいるリモコンを再度操作した。  すると、途端に刺激が弱くなり……一気に射精感が萎えていく。  にゅ………………にゅく………………にゅち………………むちゅ…………。 「あっ……」   強い刺激でフィニッシュしたいと思っていた所にこんな刺激……僕は、やり場のない気持ちでどうにかなってしまいそうだった。 「あの……なんで弱く……」 「商品説明はここまでです」  と、そう言う彼女の声はやはり冷たく抑揚が無かった。この生殺しの状況が、余計にそんな風に感じさせたのかもしれない。 「この商品は、まだお客様の物ではありませんから。このまま実際にお使いいただくかの様に楽しまれると、こちらとしても困ってしまいますので」 「……でも、それは……家に……持ってきてくださったんですよね……?」 「あなた様の物ではございません。そうですよね?」 「う……」  僕は何も言えなかった。  なのに、こんな状態でも緩い振動を与えてくる彼女の胸が、じわじわと僕の性感帯を刺激しペニスを萎えさせないようにしてくる。  さっきは途中まで出かかっていた精液がくすぶって、僕はたまらなくなってきていた。 「さて、そろそろ……終わりに致しましょうか、体験サービスはここまでということで」 「そんなっ……待って……」  つい大きな声を出してしまうほど、やりきれない気持ちがあふれる。  出来ることなら、彼女を今すぐにでも彼女の乳を掴んてバカみたいに腰を振り、快感を貪りたかった。  でも、そんな事は絶対に許さないと言わんばかりの空気が彼女にはあったし……何より度胸も無かったのだ。  くちゅ…………ぐち…………くちゅ……………くちゅぅ……。   それでも止まらない快感。生殺しで僕を弄ぶ振動。暖かく、ぬめり気のある肉の感触……。  もう……辛い……どうにかなってしまいそうだ…………。   お願いだから、このまま続けて欲しい…………。 「…………もし、お客様がこの商品をご自身でお買い取りいただくと言うのなら……最後まで続けさせて頂くこともできますが……」 「え……」  最後まで……続けてくれる。  その言葉は今の僕にはとても甘美に聞こえた。  このまま彼女の胸で射精、きっとびくびくと震えるペニスをふんわりと抱きかかえていてくれるだろう。  その感触、目先の快楽のためなら……どんな対価でも支払える気がした。 「それならば、この商品は貴方様の物となりますので問題はありません」  僕は無言でこくこくと頷く。それを確認した彼女は数秒の間を開けて、懐から一枚の紙を取り出した。  どんなに価値のあるものより、お金より、プライドより……今は彼女の胸で射精出来ることが最高の価値になっていて。 「しかしこちら……、もともとお父さまがご購入されたものですので、それを更に買い取られるということで、少々割高になってしまいますが……」 「はい……はい……それで……いいです……」  お姉さんはそれを聞いて満足したのか、ポケットからボールペンを取り出し器用に片手でさらさらと何かを書き加える。 「では、……改めまして、こちらの値段になりますので」  僕の目の前に突き出されたのは文字の書かれた白い半紙。  そこにはこのベルトを購入する契約する旨と値段が記されている。  10万円……と記された文字がペンで書いた線で消され、20万円と書きなおされていた。元の値段の二倍である。  学生で、アルバイトもしていない僕には少し……むしろこんなベルトに20万円は高すぎるくらいだった。 「あの、もう少し、安くなったりは……」  ピッ。    と、またリモコンの音が鳴る。  すると、更にベルトの振動が弱くなる。やりきれない気持ちも倍増していく。 「買い取っていただけないのなら、やはり終わりにさせていただきましょうか」 「そんな……」    ピッ。    くちゅ……………………くち………………くちゅ…………  どんどん、振動が弱くなる。勃起はまったく収まらないのに、刺激だけが小さくなっていく。 「どう……されますか……?」  ピッ。   切なさも、それとは反比例して、どんどんどんどん……大きくなって……  くち……………………………ぐち……………… 「あ……あぁ……」  今にも止まりそうになった所で、ついに僕の欲望は限界に達した。 「買うっ!! 買うから!! お金でも、なんでも払うから!!!」 「はい」 「払うから、そのまま動かして!! お願いだから、このままイかせてぇ!!!!」  僕はもう、自分で何を言ってるのかもわからなかった。 「……かしこまりました。では、少し指をお借りしますね……」  そう言うと彼女は僕の左手を手に取り、親指の腹に強く口づけをしてきた。  柔らかく濡れた唇の感覚がした後、そのままその指をさっきの紙に押し付けられる。  口紅が色濃く付いた指印がそこに押され、彼女は僕の腕から手を離す。  何故か、押された指印の横には、既に僕の名前が書かれていたのが見えた。その理由を考える余裕すら今の僕にはなかった。 「はい。これで契約完了ですね。……ありがとうございます。それではこれからはご購入サービスということで……お楽しみくださいませ」  むぎゅっ、みゅぎゅむぎゅうぅ……! 「ひぃっ!」  お姉さんは両手を後ろ手に回し、さっきよりもきつくベルトを締めた。  圧迫感が増したのに、もっちりと柔らかい独特の感触は変わらず、下半身の力が一気に抜ける。ちんこが奥に吸い込まれてしまいそうな感触もさっきとは段違いだ。  ピッ。ピッピッ――  くちゅくちゅ、くちゅくち、くちゅくちゅ、ぐっちゅぐぐちゃっ、ぎゅっちゃぐちゅっ! 「あっ! ああっ!! い、いきなり強くぅ!!」  とことん焦らしに焦らした末の、激流のような振動。  ペニスが溶けてしまいそうな快感に、僕は声を抑えるのも忘れひぃひぃとよがり声をあげる。 「良さそうですねお客様。さ、お望み通り、いつでも射精してくださって結構ですよ」  早く出せと言わんばかりに、彼女は振動の強さを一気に高めていく。  既に契約してしまった僕に、もう用は無いのかもしれない。  それでも、最後までしてくれるというその一点だけが僕にとって幸せだった。  上下に左右に、ぶるぶるぶると震えるおっぱいが敏感な部分を揉み、しごきあげる。  もうローションもいらないほどに中はぐちょぐちょになって、卑猥な水音が耳を、脳を犯した。  それでも射精しない僕に業を煮やしたのか、彼女は指を今までより荒く動かしてリモコンのボタンを押す。  ピッピッピ、ピ、ピピピピピピピピ―― 「あああああああぁあ!!」 「……はい。これで、オプション全部付きで、最高の速度と強さです。これで射精なさらないお客様はいらっしゃいませんよ」  まるで物を見るかの様な彼女の瞳、僕はそんな目線にも、歪んだ快感を覚えてしまう。  背筋が、ぞくりと震えた。  ぐっちゅっ、ぢゅぐちゅぐちゅグチュぐちゃぐっちゃぐっちゅぐちュぐちぐちゅちゅちゅぎちゅ!! 「いく! もう出ます!! このままっ、このままぁ!!」 「……はい。今後のために、最後まで観察させて頂きますから、そのまま私の胸の中に出してください」   亀頭も竿も、玉さえも震わされる程の振動。快感が限界に達し、精液が尿道を上がってくるのがわかる。  僕は彼女のお許しの言葉に幸せを感じながら、そのまま身を任せて腰を震わせ……お尻をきゅっと締めた。 「……どうぞ」   「ひぃ!! いっ、いっいぐううううううううぅ!!!」  びゅくっ!! びゅく、びくびく……どくん……どくん……びゅる…………とく……。 「あっ……あふ……すごいぃ……」 「……」  精液どころか射精の脈動も優しく、柔らかく受け止めてくれる彼女のおっぱい。  僕が射精したのを見計らって、彼女は振動をゆるめ精を出すのに丁度いい刺激を送ってくれた。くちゅくちゅとこし出すような甘い刺激。奥の精液も止まらずに流れでてきた。  にゅっく……にゅっぢゅ……ぶっちゅ……ぎゅっぢゅん……。  腰が自然に上下にかくかく動き、目の前がちかちかと点滅する……。  今まで感じたことのない射精の快感、出来ることなら一生浸っていたい。このまま乳肉に挟まれたまま生きていきたいとも思った。 「射精してらっしゃいますね。私の胸の中、熱いのが広がってくるのがわかります。あ、シャツに染みてきてますね」 「はひ………」  空返事で答えている最中も射精は終わらなかった。体の中の水分や、血まで精液となって搾り出されているんじゃないかと思うほどだった。 「奥に残らないように、しっかり搾っておきましょうか」  ピピピピ――。  ぎゅっぢゅ、ぎゅっぢゅ、ぶっちゅ、じゅっぢゅ!  また一気にスピードを上げられる。余韻に入りかけていた敏感なちんこが、精液でぬちゃぬちゃのおっぱいに洗われるみたいに擦られて射精感を無理やり引き出されていく。 「ぁひあああっ!! やめっ! ぁっ!!」  どぶどぷどびゅる……。ぶびゅっ、びゅぐぐ……。 「……せっかくですから、思う存分、一生忘れられない様に快感を頭に焼き付けさせていただきますね」 「あ……あ……――」  ――あれから……、どのくらい経っただろう。何度か連続で射精させられて、喘ぎ声も枯れ果てた僕はぼーっと魂が抜けたかのように余韻に浸っていた。  射精は終わってもう勃ちそうもないのに、時折フラッシュバックするかのように腰がぴくりと震える。 「うぁ……ぁ……も、むり…………」 「では、抜かせて頂きますね」  お姉さんはベルトを付けたまま、ゆっくりと両手で胸を持ち上げた。  ぶちゅる、と滑り出されるように皮の余ったペニスが抜け出る。服の間から糸が引いて、今にも精液がこぼれ落ちてくるのではないかと思う所で彼女は胸のボタンを締めた。  彼女の服の中が、大量に出したはずの自分の精液でどろどろになっていると思うと、また勃起してしまいそうだった。  驚くほどの手際の良さでベルトを外し、それをトランクに戻す彼女。トランクも製品の一つの様で持って帰る様子は無い。 「あの、お姉さん……」 「……はい……なんでしょうか」  そのまま何も言わず帰ってしまいそうな彼女に、僕はつい声をかけてしまう。 「良かったら……その、また……こういうこと……」  彼女はそれを聞いても身支度を止めず、立ち上がってノブに手を掛けた。  そのままドアを開けて帰ってしまうのかと思った所で、彼女は振り向く。口元だけを少し緩めたその表情を僕の方に向ける。 「もし、お客様がその商品をお気に召されましたのなら……期日までに我社に来ていただければと思います」 「それは……」 「その商品のお代金をお支払いになるついでに、我が社の様々な商品を……じっくり、ご紹介させて頂きますので……」  そんな事を言う彼女の顔は、今までで一番表情があって、美しく……妖艶に見えた。 「その時のご来店を……お待ちしておりますね……」  彼女の目から目を逸らせないまま、ドアはゆっくりと音を立てて……最後にガチャリ、と閉じてしまった。    そういえば、父さんにはちゃんと欲しかったものが届いたらしい。  僕は結局、あのベルトのことを誰にも言い出せないままになってしまった。  彼女はきっと、元から僕にあの商品を売りつけるために来たのだろう。  そんな事を考えて彼女の顔を想像しても、結局は興奮が沸き起こるだけだった。  僕はその晩から、  あの日味わった胸の感触、  精液を胸に溜めたまま帰ってしまったお姉さんの事、  そしてお姉さんの会社でされてしまうことを想像してオナニーが止まらなくなっていた。  あのベルトを見るだけで、勃起が止まらなくなって……。  夢の中でも、毎日のようにお姉さんに搾り取られるのだ。手で、口で、あの時の様におっぱいで……。  何度も彼女の夢で夢精した。その夢を思い出しながらまた自慰にふけった。  そんな生活がずっと続いている。  僕は今まで集めたコレクションや大事にしていたものも全部手放して、なんとかお金を作った。  クーリング?オフなんてものも考えなかった。   支払いの期日は刻一刻と迫っている。そのお金を持って行って、今度は何を買わされてしまうのだろうか。  このお金だけじゃ……全然足りなくなるかも知れない……。  まぁいいか……。またあんな快感を味わえるなら……何度でも、いくらでも対価を支払える……    僕の人生は……あの日から日に日に歪んでいくことになるのだった――。    悪の組織アクメ ようこそ、キミが新しく組織に加入された戦闘員さんなのですね」  そういって、心地の良い音色の声でボクを出迎えくれた。  事前に彼女がこの組織の『処刑場』と呼ばれる施設を取り仕切る幹部であることは聞かされている。 彼女の恰好は、よくある戦隊モノの悪役キャラクターとそっくりだった。  だが、一般的に知られる悪役キャラクターとは一線を画するほどに露出が激しかった。紫色のレザーブーツとグローブに、秘部を覆う桃色の布地と丈が異常に短い紫色のスカート。そして、谷間を惜しげもなく前面に押し出した豊乳。大きすぎる乳房を何とか包み込んでいる桃色のレースブラ。短めのレザージャケットをその上からボタンを留めず羽織るように着ていた。最後に、悪役キャラにふさわしい卑猥なアクセサリーが全身のあちこちを飾る。  とてもではないが子供には見せられない姿である。それもそのはず。彼女は本当の意味での悪の組織の幹部なのだから。 悪の組織といえば、お茶の間に流れる憧れのヒーローたちの宿敵。  そして、子供たちに人気を博しているヒーローの数は初代から数えれば、もう三桁はくだらないだろう。彼らと共に人気があるのが、悪の組織、いわゆる悪役キャラクターたちだ。両者あってのヒーローもの、戦隊モノである。  しかし、実際にお茶の間に放送されている戦隊モノのヒーロー番組はすべて架空の話である。そう、子供たちに夢と希望と楽しみを提供するための空想の話。  だが、それとは別に、テレビやインターネットでは公開されないヒーローたちの戦いがあった。悪の組織とヒーローたちの戦いは、厳密に秘匿とされ、あらゆるメディアで情報操作されている。それは、一企業の番組レベルの話ではない。国家レベルでの大戦である。  悪の組織と日夜戦うヒーローたち。  そのヒーローたちは、実は番組の中で戦っているあのヒーローたちだ。  たしかに番組は空想の産物。そう、ヒーローたちの対極に位置する悪の組織側は企業が作った偽物。本物のヒーローと偽物の悪役。それが番組の真実。  そして、そういう番組はしばしば新しいヒーローたちへ次々にと変わっていく。新しいチームに、新しいヒーロー、そして新たなる敵。同じような内容で違ったキャラクター。  それは企業側の都合なのか。はたまた視聴者からの意見によるものか。 真実は、違った。 消えたヒーロー、ヒロインたち。そう、彼らはやられたのだ。本物の悪の組織に。  そしてボクは、その大戦の一翼を担う悪の組織のメンバーとして正式に認められた。  今日はその研修としてここを見学するように言われている。  消えたヒーロー、ヒロインたちの最後をここで知って、いかにそれが素晴らしいことかをその目で見てきなさい、と幹部の一人から仰せつかった。 「では、わたくし、幹部の怪人ナーティアが本日サトル様の案内を務めさせていただきます」  そういって、ナーティアはお辞儀をする。  ナーティアの動きにあわせて、柔らかな双乳がぶるんと揺れる。その深々と刻まれた谷から目が離せなくなった。  そして、ナーティアが頭を上げると、柔らかな笑みを浮かべた。  慌てて、視線を外した。 「ふふ、どうかなされましたか」 「いえ、なにも……」 「さようでございますか」  ふと思い、一つ尋ねることにした。 「あの、ナーティア様が敬語を使う必要はないのではないでしょうか。先日、入ったばかりの新米戦闘員なので、ボクは……」 「いえいえ、だからなのですよ。悪の組織に進んで入隊してくださる方はなかなかいらっしゃいませんので。わたくしたち怪人は作られた存在。ですので、意思決定権などはありません。ですが、サトル様は御自分の意志でここに来られた。それは、わたくしどもからしましたら尊敬の値する行為なのですよ」  そういって、またナーティアは微笑んだ。扇情的な衣装とは裏腹に、彼女の笑みは母性的な優しさを含んでいる。 「そ、そうでしたか。なんだか、そういわれると恥ずかしいな」 「ふふ、恥ずかしがることなどありません。これから、サトル様にはこの組織『アクメハート』のために役立っていただくのですから、もっと自信をお持ちください」 「あ、ありがとう……」  女性と接する機会が滅多にないサトルにとって、ナーティアからの賛辞は気恥ずかしいことこの上なかった。 「では、サトル様には先日捕まえました4人のヒーローたちが処刑されるところをご覧いただきましょうか。」  そういって、ナーティアは施設の中を案内するように、ボクの前を歩いていく。その後を、同じペースでついて行く。 「ですが、残念ながら、最後の一人、リーダーのレッド君だけ取り逃してしまったのですが……」  すっと、後ろを振り返るナーティア。その視線から目を逸らす。幾分居心地が悪かったので、話を先に進めた。 「えっと……今までのヒーロー達も今日の彼らのように殺してきたのですか」 「はい、そうですよ。ですが、サトル様の思われているような処刑とは異なります。あくまで、ヒーロー生命の処刑です。わたくしたちは殺傷の類を好みません。わたくしたちの理念は『恒久的な幸福の追求』なのです」  そういって、ナーティアは真っ白な廊下を進んでいく。その後ろとトボトボと歩いてついて行った。まるで病院のように何もない白い廊下が続き、一枚の扉の前についた。扉といっても全面白で塗られているため、パスワード入力用のパネルがなければ扉とも気が付かなかっただろう。  そして、ピンク色の壁一面に大小のハートマークが彩られた部屋に入った。その部屋は、二分されている。中央に大きなガラス窓がはめ込まれているからだ。そして、今いる部屋と反対側、すなわちガラスの向こう側に一人の男性が拘束用の椅子に全裸で座らされている。拘束を外そうと抵抗を続け、そしてこちらを睨めつけながら「出せ、外せ」と言っているが、自分たちに彼の焦点があっていない。 「これはマジックミラーです。そして、ここは完全防音をなっております。彼の声はマイクを通じて聞こえますが、こちら側の声は一切聞こえません。普段でしたら、処刑に際して多くの観客、この場合怪人と戦闘員が見物に来るのですが、今日はサトル様のために貸し切りにしております」 「う、うん」  なにか腑に落ちない感覚を得ながらもナーティアの説明を聞いていく。 「そして、彼、アトミックブルーこと青沢勇気。原子力の力を用いたスーツを着用する彼らアトミックレンジャーは我々に多くの被害をもたらしました。それも、我々のみならず市民の暮らす街にも彼らの力は多大なる傷を残したのです。彼らの考え方はわたくし共とは相いれないもの。ですので、これから彼を処刑します。彼に、いえ彼らに『恒久的な幸福』がいかに素晴らしいものかを知っていただき、ヒーローなどという偽善を振りかざした蛮行を止めていただくのです。では、そろそろ初めてもらいましょうか」  そういって、ナーティアは指を鳴らすと、ガラス越しの部屋に扉が出現する。その扉の奥から二人の女性怪人が現れた。  全身にハートマークのタトゥーが施された怪人。ピンク色の長い髪をなびかせ、淫靡な笑みをこちらに向けてきた。マジックミラーで見えないはずだが、あらかじめボクが見学に来る話を知ってのことだろう。  その笑みも劣情を誘うには十分な卑猥さがあったが、彼女の姿はそれ以上だった。下半身を隠すものは紐のような赤いショーツのみ。むっちりとしたお尻は女性ならではのふくよかな丸みを有している。そして、何よりもその豊満な乳房が印象的だった。ナーティアの胸も爆乳の分類に入るほど豊かではあるが、彼女たちの乳房はナーティアの爆乳をはるかに凌いでいた。そして、ここから見ているだけでもわかるほど柔らかく、彼女たちが動くたびに乳房全体が波打った。 「彼女たちはこの処刑のためだけに生み出した怪人です。彼に行うのは、『ギロチンの刑』です。ギロチンと聞くととても怖いイメージが浮かぶかもしれませんが、先ほども申しましたとおりわたくしどもは殺傷の類は望みません。ですので、安心してご覧ください。そして、目に焼き付けてください、『アクメハート』に逆らったヒーローの末路を……ふふふ」  ナーティアの浮かべた笑みは、今までの流れの中で最も淫靡で嗜虐的なものだった。 *** 「くっ!ここから、出せ!これを外せ!」  ガタガタと椅子を揺らし、必死に拘束を外そうと試みる。だが、手首を痛めない仕様の柔らかな拘束具であっても、今の勇気には外すことができなかった。 アトミックスーツさえあれば、こんな拘束など簡単に引きちぎれるのに、と歯噛みせずにはいられなかった。  また、民間人を人質にされていなければ、アクメハートの怪人に負けることなどなかった。  そして、今ここに変身デバイスさえあれば、と。  次々と現状に対する後悔、あるいは仮の物語が浮かんでくる。自分がこんなにも無力だったとは思わなかった。いや、思いたくないのだ。  唯一の救いは、未だにレッドだけが捕まっていないという事実だけ。最も、これもアクメハートの怪人から聞かされた話だから完全に信用することはできない。しかし、もしこれが嘘であったとしても、アクメハートには何のメリットもない。故にこれは真実であると勇気は考えていたのだが。  そんな事実も虚しく、数日の監禁生活が続き、今日、処刑されるらしい。 (なんとかして、この状況を打開しなければ)  そう、考えているところに二人の怪人が部屋の中に入ってきた。 「な!」  勇気の口から驚きの声が飛び出した。  とても綺麗な顔立ちをした怪人で、勇気よりも背は幾分ばかり高そうだ。しかし、勇気が驚きの声を上げたのは、彼女の美しさにではなく、その異常なまでに大きな乳に、だった。形の整った、それでいて軽い動作で波打つほど柔らかさを保った爆乳。人の乳房ではありえない造形と大きさをもつそれを、あろうことか完全に露出させた状態で現れたのだ。  勇気はすぐに顔を伏せた。  当然だ。思春期の、ましてや女性経験のまったくない勇気には刺激の強すぎる光景だった。  そんな勇気の心境を知ってか知らずか、勇気の顔の位置までかがむと、おもむろに説明を始める。 「今からアトミックブルー、勇気君のヒーロー人格処刑を始めます。ふふ、た~ぷり楽しんでくださいね。項目はギロチンです?ふふ、恐いですか。でも、大丈夫。きっと、【もっと~、もっとしてくださ~~い】っておねだりしちゃいますよ?ちゃ~んと後で種明かししてあげるから。まずは下ごしらえに、うふふ、このローションを全身にかけていきますね?」  そういって怪人は、一つの瓶を手に取って見せつけてきた。  中には白く、ドロッとした液体が入っていた。そして、怪人が蓋を開くと、甘ったるい匂いが部屋中に充満する。 「あは、いい匂い。じゃあ、ゆ~っくりかけていきますね?」  すると、左肩にひんやりとした感覚がして、そのまま滑り落ちるように胸へお腹へと流れていく。そうして今度は右肩へと。右肩からツーっと垂れ流れていくローション。 (あれ?)  そこで今までにない感覚が芽生えた。 (なんだろう、ゾクゾクする。それに、あ、熱い。なに、これ!) 「あぁ、ん、あ」  ローションの流れた個所を中心に全身に広がる甘ったるい感覚。その感覚がどんどん鋭敏化し、熱を帯び始める。 「く、ぁぁ、何を、ぁん、」 「あら、恥ずかしいヒーローさん?たったこれだけで、感じちゃってるんですか?いやらしいヒーローさんですね?怪人に拘束されて感じちゃうなんて、悪い子?お仕置きが必要ですね?」  そう言い、壁際まで歩いていくと、とある大きなハートマークの模様が左右にスライドして開いた。そこにはいくつもの道具がつるされている。得体のしれない棒や筒のようなもの。  勇気には初めて見るものばかりだった。  そして、彼女が選び取ったものはグローブだった。それを両手二人分。 「ヒーローさんへのお仕置き。処刑の前に、謝罪をしてもらいましょう?アクメハートの皆様に逆らってごめんなさいって?」 「そんな、こと、ぜったい、はぁ、ぁぁ、言う、ものか……」 「あらあら、これはお仕置きのしがいがありそうですね?じゃあ、これを見ても同じことが言えるかな?」  そして、いつの間にか手にはめていたグローブに先ほどのローションをドバドバとかけていく。黒光りのグローブが白いローションで染め上げられていった。  そのグローブの手の平には、無数の細かい突起が。 「ほ~ら、見てー。ツブツブいっぱいの手のひらに、た~ぷりのローション?これを一体どうすると思いますか?」 「まさか、うそ、ぁぁ、うそ、うそうそ、や、やめ――――ぁぁあああああああ?」  勇気は声を張り上げて叫んだ。 「あははは、いい反応ですね?ほら、もっともっとぬりぬりしてあげますね~?」 「怪人のお手々で気持ちよくなっちゃって?ヒーロー失格ですね?」 「やだ、やめ、やめて―――ぬぉぉお、ぁあぁぁあ?」  ローションを塗られる場所からゾクゾクとした感覚が止まなくなり、全身が熱を帯び始めた。拘束されていなければ、ローションをかけられただけで全身をのけ反らせるほどの快感。そこに重ね塗りをするかのごとく、ツブツブの凶器を備えた四本の腕が縦横無尽に這い回る。まるで巨大な舌に舐めまわされているような。 「ひぐっ、ぁぁぁああ、もう、もう、ぁああぁ、ぐす、ぁぁ」 「あは、泣いちゃうぐらい気持ちいいのかな?だらしないね~?ヒーローがこんなことで泣いちゃうなんて。ほら、もっと鳴かせてあげましょうね。あんあん、女の子みたいに喘がせてあげる?」  怪人の一人がそういうと、椅子の後ろ側に回り込み、その凶悪な両手を脇の下に差し込んだ。ツブツブの手のひらがあばら骨一本一本を正確に捉えるように勇気の胸をつかむ。その動きは緩慢だった。 「ほ~ら、ここをこうやって撫でられると?」  だが、一度蠢きだした手は高速の杭打機のように前後運動を繰り返す。 「ひやぁぁあぁぁぁぁっぁあああぁっぁあ???」 「あは、ゾクゾクの快感が止まらないでしょ?ごめんなさいって言わないと、ずっとこのままだよ?」 「ふふ、いい声で鳴きますね。じゃあ、私はこっちを……ほら、太ももの内側、ここもと~っても敏感な場所なんですよ?ほら、な~でな~で、な~でな~で?」 「あああぁぁぁぁあぁ???ゆるじでぇ、ぁぁ、ゆる、ぁああぁあ???」  これ以上されたら本当におかしくなってしまいそうなほど勇気は追い込まれていた。辛い訓練にも、苦しい戦いの中でも耐え抜ける精神を養ったはずだった。だが、それは拷問に等しい圧倒的な快楽で押しつぶされてしまった。  勇気は、恥も外聞も何もかも投げ捨て許しを請う。  だが、それでも悪魔の四本の腕は止まることはなかった。 「許して?許されるわけないですよね~。だって、勇気くんは今まで散々怪人さんや戦闘員さんをいじめてきたのですから。それに、ヒーロー君が言わなきゃいけないのは、怪人のお姉さんに【ごめんなさい】でしょ。これ以上ないほどに情けない【ごめんなさい】をしないとね?」 「ごめん、ぁああなしゃい、ぃぃいぃいい???」 「あはは、なんて~?ちゃんと言えてないからダーメ?ほ~ら太ももの次は、お尻の穴も、な~でな~で?椅子の間が割れているから、ボウヤの弱点いじめ放題?な~でな~で?な~でな~で?」 「ひぎゅぅぅぅ?ぁぁああん、ぁぁ、ぁああ、ごめん、な、さい、ごめんなさい?ぁああぁあああぁあダメダメダメ??来る、なんかゾクゾクしたのがっぁあぁあぁ、あ、あぁあ、ぁあああ???」  全身に電流でも流れたかのような凄まじい快感が足先から頭の天辺まで蹂躙していく。初めて味わう地獄の快楽。拘束されていることも忘れ、手足を暴れさせ、腰がガクガクと浮き、張り裂けそうなオチンチンが激しくのたうつ。  異常な快感が通り抜けると、強烈な脱力感に見舞われた。思考が完全に回らない。手足に力が入らない。まるで魂ごと吸い取られてしまったかのような感覚。 「あはは、イっちゃったの?怪人のお姉さん達にいじめられて、『アクメ』しちゃったの?あはははは、本当にはっずかしいヒーローさん?」 「あは、そんなになでなで気持ちよかったんだ?うふふ、ちゃ~んとごめんなさいできてえらいえらいですね?それに上手に『アクメ』できてよかったですね?」  怪人の両手から解放されても、未だに全身を快感が蝕み続けていた。  勇気にとって、これが初めての『イク』だった。絶頂をしらない幼い体には凶悪すぎる初体験である。大のおとなでも泣き叫ぶほどの快楽を与えられたのだから。 「じゃあ、そろそろ、本番?お姉さん達の必殺技『パイズリギロチン』でヒーローさんの正義の心を『アクメ』で塗りつぶして、天国まで昇天させてあげる?」 「ふふ、ヒーローさんは、処刑の後、もう『アクメ』の快楽しか考えられない『アクメハート』の奴隷になっちゃうのですよ?毎日、エッチな怪人さんの与えてくれる『アクメ』のためだけに生きる幸福な日々?」 「ぁぁ……い、ぁぁ、……いや……」  恍惚に浸った脳でも何となく理解できた。さっきのような凶悪な快感をもう一度味あわされたら、もう、元には戻れない。 「ふふ、抗っても無駄ですよ。ボウヤにた~ぷり塗り込んだローション。あれは、お姉さん達の母乳を濃縮した極上の媚薬だったの?一度味わったら、お姉さんの母乳が欲しくて欲しくて堪らなくなるエッチな毒液?」 「体はしっかりと覚え込んでくれたみたいですし。ほら、ボウヤのオチンチン、お姉さんのおっぱい見た瞬間、こんなに硬く?今度は、ボウヤの頭に直接?ふふ、お姉さん達の母乳は肌の上からでもどんどん吸収されていくの。そういう風に作ってもらいましたから?」  一人の怪人がまた壁際に寄って行くと、先ほどとは別の大きなハートの扉を開く。  中には、いくつもの木箱が積み上げられていた。そして、その一つを抱えて持ってくる。床に置かれた木箱。その蓋を開くと、中から乳白色の液体が詰まった円筒形のタンクが現れた。 「ぁぁ……」  今まで使っていた瓶の何十倍もありそうな大量の母乳ローション。それがあと何十箱分もストックがあるという非情な現実。 「ほ~ら、ボウヤの大好きなお乳ですよ~?まだまだた~ぷりありますからね~?」  そういって、木箱に備え付けられていたアクリル製のボールで掬うと、その中身を自分のおっぱいに満遍なくかけていく。そして、同じようにもう一人の怪人にも。 「ほら、ヒーローさんの大好きなおっぱいがミルクローションでドロドロ?」 「ヒーローくんたら、期待のあまりにオチンポびんびんにしちゃって?」 「ふふ、そろそろボウヤの快楽処刑を始めましょうか?二人の魔乳怪人さんに『パイズリギロチン』されて、頭の中を『アクメ』のこと以外考えらない『アクメ奴隷』に生まれ変わらせてあげますね?」 「快楽と絶頂のことしか考えられないとても幸福な存在?ボウヤの人格を書き換えて、永遠の幸福を与えてあげる?」  拘束され身動きの取れない勇気を挟み込むように、両サイドから魔乳が徐々に、徐々に迫ってくる。 「ぃや……ぁぁ……」  弱弱しく声を上げ、拒絶の意志を示すもそれで彼女たちの歩みが止まるはずもなく。 「じゃあ、今までの自分にバイバイしましょうね?」 「『アクメ』天国でぜ~んぶ忘れさせてあげる?」 「「せーの」」    むにゅむにゅむにゅ~~? 「うむ―――――――――――――???」 「あは、全身ビクンビクンって、さっそく『アクメ』しちゃってるね?ほ~ら、頭の中『アクメ』のことしか考えられなくなっていくよ?お姉さん達のおっぱいでぜ~んぶ忘れさせてあげる」 「おっぱいでギロチンされて、なにも考えられないですね?ただ気持ちいい。ただ気持ちいいってことしかわからなくなっていく?」 (気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい、あぁあぁあぁ、『アクメ』、『アクメ』しちゃう??『アクメ』きちゃう?)    びくびくびくん―― 「あは、『アクメ』しっぱなしだね?でも、まだ『パイズリ』始まってすらいないよ。言ったでしょ、『パイズリギロチン』って?」 「『アクメ』しながら頭の中をシェイクするみたいに、おっぱいでぐっちゅんぐっちゅん揉み解して、正義の心なんてドロドロに溶かしちゃうんだから?」 「だから、安心して『アクメ』しまくっちゃっていいからね?ほら、いくよ~?」    ぐちゅんぐちゅんぐちゅん―― 「あは?おっぱいでぐちゅぐちゅ気持ちいいですか~?気持ちいいですよね。だって、おっぱいでこすり上げるたびに、全身がビクンビクンッて?それに、ボウヤのおちんちんの先っぽからいやらしい先走り汁、ぴゅっぴゅって?」 「ほら、脳ミソ蕩かして『アクメ』ことだけ、『アクメ』でいっぱい?『アクメ』気持ちいいね?『アクメ』さえあればもう何もいらない。ヒーロー?正義?なんだっけ、それ?もうボウヤの頭の中は快楽で染まった『アクメ』の快楽でいっぱいよね?」 「………?ぁ……?」 (ぁああぁあぁ、『アクメ』?『アクメ』、もっと、もっと『アクメ』ほしぃ?) 「ほ~ら、ボウヤの大好きなミルクですよ~?ボールにいっぱいの猛毒ミルクをおっぱいの間に~?あはは、いい反応ですね?もう、『連続アクメ』止まらないですよ?」 「いいんですよ、たっぷり気持ちよくなってくださいね?それにおっぱいぬるぬるで滑りやすくなりましたね~。今度は左右のおっぱい交互に?はーい、お顔も頭もおっぱいでぐちゅぐちゅ、ぐちゅぐちゅ?」 「うっ……あぷ……あぁ……?」 「あはは、おっぱいで溺れちゃいそうですね~?ほ~ら、ミルクも追加ですよ~?うふふ、溺れちゃわないように、特濃怪人ミルクい~ぱいごきゅごきゅ飲み干さないと、ね?」 「それにしっかりと息もしないと、おっぱいで窒息しちゃうぞ~?ほら、おっぱいと母乳の香りで『ミルクアクメ』ですよ?は~い、吸って~?吐いて~?あはは、お腹の中も、肺の中も『アクメ』でいっぱい?『アクメ』天国ですね~?」 「うぷ……?はぁ……?ぁぁ……?」 (『アクメ』『アクメ』『アクメ』???はぁあぁあぁぁあぁ???) 「さらに、とびっきりの『アクメ』をボウヤにプレゼント?」 「ボウヤのおちんちんからザーメンどぴゅどぴゅ搾り出してあげる?」 「『パイズリギロチン』されながら、お姉さんのたちにツブツブグローブで『シコシコギロチン』されたら射精が止まらなくなっちゃうよ~?」 「ぜ~んぶ出すまで、いえ、ぜ~んぶ出してもやめてあげな~い?」 「最高の快楽でヒーローだったことなんか忘れさせてあげる。ボウヤは『アクメ奴隷』なのですから?」 「そう、『アクメハート』の怪人さんに『アクメ』させられて弄ばれる『アクメ奴隷』?」 「もう、ボウヤは『アクメ奴隷』?」 「そう、ボウヤはすでに『アクメ奴隷』?」 「「だから、遊んであげる?」」 「ほら、左からぎゅって?」 「そして、右からもぎゅって?」 「「はーい、シコシコ~?シコシコ~?」」     どびゅるるるぶびゅびゅぶどびゅどぶどぶどぷ―――??? 「あは、出た出た、止まらな~い?」 「あはは、気持ちいい?気持ちいいよね?ほらもっと出しなさい?ヒーローだった記憶も、人格も、正義感も、使命も、ぜ~んぶザーメンと一緒に吐き捨てましょうね~?」 「最高の快楽で完全に『アクメ漬け』にしてあげる?」 「もうヒーローになんか戻れない?戻りたくないよね?だって、こんなすばらしい快楽を知っちゃたのですから?」 「このまま溺れさせてあげる、毎日毎日『アクメパラダイス』?」 「快楽がず~っと続く幸福な毎日、『アクメハート』の『アクメ奴隷』?」 「ほらほら、もっともっとイっちゃえ、あはは」 「もっと、もっと激しい『アクメ』で染まって、うふふ」 …………? ………? ……??? *** 「はーい、じゃあ『パイズリギロチンの刑』で元ヒーローくんがどうなったのか、確認してみましょう~」 「うふふ、きっと素晴らしい変身を遂げていますよ」 「「さん、はい」」  魔乳の牢獄から解放されるアトミックブルー。サトルは、その姿を見た瞬間、無意識のうちに両手へ力が入ってしまう。 「あへぇ?『あひゅめ』……『アクメ』、もっひょ?……もっひょ、ひへぇ、ぁぁ???」  解放されてなお全身を小刻みに痙攣させ、さらなる絶頂を求めるブルー。  あの勇敢なアトミックブルーが、これほどまでに堕とされることにサトルは戦慄した。だが、それに反してサトルの性器は異常なまで硬く勃起している。 「あぁん?なんて素晴らしいのでしょうか。屈強で勇敢な戦士が『アクメ』の快楽に屈する瞬間、いつ見ても堪りません?そうは思いませんか、サトル様?」 「う、うん、そうだね……」 「そうでしょう?だって、サトル様も……」  ナーティアがすっと、サトル感部に手を当てる。 「ほら、ここも、こんなに大きくされて?ヒーローくんがおっぱいで滅茶苦茶に犯されているのを見て、欲情されてしまわれたのですか?」 「そ、そんなことは……」  ナーティアの手がサトルのペニスをズボン越しに撫でまわす。 「いいのですよ?だって、サトル様は『アクメハート』の一員ですから。『アクメ』の素晴らしさに心打たれるのはとてもいいことです?」  そして、いつの間にかボクの後ろに回り込んだナーティアの右手がペニスを握り、左手が睾丸を優しく揉みしだく。そして、背中にあの大きな乳房を押し当て、耳元から誘惑の言葉を吹き込んでくる。 「もし、サトル様が望まれるのでしたら……ちょっとだけ、そう、ちょっとだけ、体験していきませんか?魔乳怪人の『パイズリギロチン』?『アクメハート』の一員でしたら、後学のために、その身で知っておくのもいいかと?」  心なしか、ナーティアの手の動きが速く、そして激しくなっていた。 「ほら、サトル様のここだって、もうこんなに?大丈夫ですよ、サトル様は特別ですから?ちゃ~んと、言いつけておきますので安心してください?」  そうして、ナーティアの舌がちろりと耳を舐めた。まるで、背中を後押しするように。  その誘惑にボクは……  無言で小さく頷いた。 「ふふ、お恥ずかしがりやさんなのですね、サトル様は?では、すぐに準備いたしますね。その間、サトル様には……」  そういうと、ナーティアは後ろから息を吹きかけてきた。すると、鼻孔に甘い香りを感じ (あれ、なんだ……あ、れ)  体から、力が抜け、強烈な睡魔を覚えた。足元がおぼつかない。ナーティアに寄りかかるように倒れてしまった。ナーティアに抱きすくめられる。まるで、母の腕の中で眠りにつくように、深い深い睡魔に意識が沈んでいく。 「少しの間、眠っていただきます。ふふふ?」  最後に瞼の隙間から見えたナーティアの表情は、アトミックブルーの処刑前に見せたあの嗜虐的な笑みだった。 *** 「あら、お目覚めですか」  うっすらと目が開く。相変わらず体には、あまり力が入らなかった。それどころか、手足を何かに締め付けられ動かすことすらできない。だが、後ろ側を何か温かいものに支えられているため、正面に立つナーティアの姿を見つけることができた。 「ご気分はいかがでしょうか」 「あれ、ボクは……」  途端、何やら甘い匂いがすることに気が付く。濃密な甘い匂い。練乳の香りに似た、不思議と思考がおぼろげになる匂い。嗅げば嗅ぐほど、呼吸を繰り返すほどに、頭に靄がかかってくる。 「ふふ、まだぼんやりとされておりますね、サトル様。今、ご自身がどのような状態なのかそこからではわかりにくいでしょうから、こちらに姿見をご用意いたしました?」  そういって、ナーティアが自分の背丈ほどある姿見の鏡を引っ張ってきた。  その鏡に映る姿をみて、驚愕した。 「なっ!えっ、えっ!」 「はーい、どうかしら、お姉さんの感触は?」  鏡に映ったサトルは、サトルの身長の1,5倍近く背の高い怪人の黒いラバースーツの中にとらわれていた。それも、ちょうど、サトルの頭が怪人の胸の谷間にすっぽりと収まる位置に。  今は、怪人の手がおっぱいを左右に開いているために、サトルは自分の姿を見ることができた。だが、一度その手を離せば、アトミックブルーのされた『パイズリギロチン』のように魔改造されたその乳房で快楽地獄に堕とされるだろう。 「な、ナーティア、こ、これは一体!」 「ふふ、なにをおっしゃっていらっしゃるのですか、サトル様。サトル様が仰せになられたのではございませんか。『ちょっと』と。あんなに激しく興奮なさっていらっしゃったのですから、わたくしめはそれを『もうちょっと、激しく、過激に』と受け取らせていただきました。しかし、アトミックレッド様にはこれくらいでちょうどよろしいかと?」 「なんっ!……何かの間違い、だ。ボクはアトミックレッドなんかじゃ……」 「アトミックレッド、本名『赤城 隼人』。ふふふ、お仲間を助け来られたハヤト様は勇敢であられますが、いささかおつむの方が足りなかったようですね。我々に自分の素性がバレていないと本気で思われていたのですか?」  ナーティアが近づいてくると、下あごをくすぐられる。まるで、小動物を可愛がるように。そして、ボクをあざけわらうように。 「そんな馬鹿な!ボクの身元だけは、さらに何十にもセキュリティーをかけたのに……」 「ええ、レッド様は、特別情報操作系能力が高かったがために、こちらも骨を折りました。ヒーロー組織内の全データを洗っても出てきませんのですから。ですが、ご自身を過信されすぎていたようですね、ふふふ」  ハヤトは、歯噛みした。絶対にバレるはずはないと思っていたからだ。アトミックレンジャーの皆もボクの素顔については知らない。そういう風になっていたはず。ならば、どこから…… 「では、今からアトミックレッド、赤城隼人様の快楽処刑を始めます。ハヤト様には特別にスペシャルコースをご用意いたしました。ふふ、『パイズリギロチン』よりもさらに『アクメ』感じられる『魔乳サンドイッチの刑』を執行いたします?これで、レッド様は本当の意味で悪の組織の一員になれますよ。あは、でも奴隷ですけどね。『アクメ』の快感だけ浅ましく求める『アクメ奴隷』?」  そういって、ナーティアがハヤトから手を離す。 「じゃあ、精々楽しんでね、ハヤト様?それと、バイバイ、ヒーロー君?」  ナーティアはそう言葉を残して部屋を出ていく。  必然、そこには身動きの取れないハヤトと怪人が残されることになる。 「うふふ、じゃあヒーローくん、始めましょうか。ヒーローくんもおちんちんおっきくしてお待ちかねのことですし?」  その言葉に慌ててハヤトは視線を下に向ける。怪人の言葉通り、自分のペニスはスーツ越しに異常なまで勃起していた。その形がはっきりわかるほどに。そして、ぴっちりと張り付くスーツはペニスの細部はもちろん、玉袋も、太ももの内側までも隙間なく張り付いていた。通常の衣服ではありえない構造である。 「あはは、ヒーローくんのオチンチンほんとビンビンね。こうしてお姉さんが腰を振ってあげれば……いやん、ぶるんぶるんって、とってもエッチね。お手々がふさがってなかったら、シコシコしてあげたのに?うふふ、ざ~んね~ん?」  ハヤトが拘束され、抵抗できないのをいいことに、怪人が弄んでくる。 「それとも、ヒーローくんは早くこのおっぱいでお顔をむにゅむにゅ~~ってされながら、オチンチンシコシコされて『アクメ天国』に連れてってほしいのかな?ふふ、でも、ヒーローくんが行くのは『アクメ地獄』ですよ~。【もう、『アクメ』イヤイヤ、アクメさせないで】って言っちゃうくらい、強烈な『アクメ』させてあげるからね?」  そういいながら、後ろに向きを変え、部屋の隅へ歩き出した。必然、ハヤトも一緒に連れていかれることになる。 そして、先のブルーの時にはなかった大きなバスタブが部屋の角にあることに気づいた。バスタブといっても特別仕様なのか、大人三人は入れる広さがあった。 「まずは、『サンドイッチ』の具材を調理していかないと。とろっとろの半熟状態になるまでミルクで煮詰めていきましょうね?」  バスタブの中に並々と注がれたミルク。それも、ほんのりと湯気がでるホットミルクだった。彼女がのぞき込むようにかがむと、ハヤトの意志とは関係なく同じポーズを取らされてしまう。すると、湯気と共にミルクの香りが鼻孔を撫でまわす。 (甘い?ぁぁぁ……頭が、とろけそう?) 「あは、ちょうどいい湯加減みたい?どうしたのかな~、ヒーローくん?さっきよりもおちんちん、大きくなっている気がするけど?」  そう言ってさらに体を前に傾けてくる。それもギリギリまで。鼻先がミルクの水面に接触する寸前まで。 (くぅ?はぁぁ、息、止めないと?はぁ、ぁぁあ、頭、溶ける、蕩ける?おかしくなりそうぉぉぉおお?) 「あはは、どうしたのかな~?ヒーローくん、そんなにはぁはぁしちゃって?もしかして、ミルクの匂いにあてられちゃったのかな~?ごめんなさい、こんなに近づけちゃって?匂いを嗅いでいるだけで、頭の中とろっとろになっちゃう猛毒催淫ミルクにボウヤのお顔すっごい近づけちゃって?ごめんなさ~い?」 (ふぉぉぉ――???脳ミソ溶ける、溶ける?ダメ、イク、イクイクイク???匂いだけでイっちゃう???) 「ぃ、ぃいい、………ぁあああああああ???」    ビクビクビクビクン???  匂いを嗅いでいただけで、軽い絶頂を迎えてしまった。つま先から駆け上ってくる快感が長く全身を巡っている。手足は絶頂に反応して、動かせないとわかっていても勝手に震えてしまう。 「あれぇ~?もしかして、イっちゃったの?やぁん、かわいいですね?ミルクの匂いだけ嗅いでイっちゃうなんて?ほ~ら、クンクンのお時間は終了ですよ。やっと起き上がれましたね、うふふ。あらぁ~、ボウヤのおちんちんの先っぽから透明な液体が零れてますね?ボディースーツ越しに先走り汁お漏らししちゃうなんて、情けないヒーローさん?」 「はぁ……はぁ……はぁ」 「ふふ、息も絶え絶えって感じかしら?でも、こんなところでそんな状態ならこの先大変ですよ?ほら、【正義の心は何者にも屈しない】でしたっけ、アトミックレンジャーの決め台詞。じゃあ、このあと、私が【ボウヤの決め台詞は?】って聞いたら、ちゃ~んと答えてね?」  すると、怪人はバスタブの淵に足をかけた。 「うそ、ぁぁ、いや、いや、やめて……くださぃ、おねがぁぁぁぁぁ―――???」 「あは、やめてほしぃの?ダーメ?ボウヤはお姉さんといっしょに入浴タイム?い~ぱい温まりましょうね?」  湯船のミルクは、怪人が足をつけてもハヤトの足先が触れるかどうかという水位しかなかった。しかし、足の指先が乳の水面に触れるとゾクゾクした快感が這い上ってきた。そのうえ、ボディースーツ越しでも触れた場所が熱くなってくる。 「ふふ、このスーツは特別仕様でね。と~っても水を通しやすい親水性の高い素材で出来ているの?ミルクだってお肌がごくごく飲んじゃうほどに染み込みやすい?お姉さんとぬくぬくお風呂嬉しいでしょ?」  ハヤトは先に精神処刑されたユウキの姿を思い出す。母乳の塗布をされるだけでどれほどの苦悩を味わっていたか。それをはるかに上回る量の乳に漬け込まれる。  ハヤトは抵抗を試みるも、ラバースーツは伸びたり縮んだりと繰り返すだけで敗れる気配は全くない。  無駄な抵抗を嘲笑うように、右足、左足と湯船に体を入れ、そのまま浴槽に体を預けるようにミルクの中に体を沈めていく。乳の量をハヤトの体に合わせているからか、浸かりきってもハヤトの肩、怪人の腹部くらいまでしか浸かることは無かった。だが、ハヤトの体は肩より下が完全に母乳風呂に浸かってしまう。 ハヤトが絶叫を上げるのは必然だった。 「――――???」  言葉とも言えない悲鳴。しかし、そこに苦痛の声は含まれていない。あるのは、おびただしい量の快楽を歌う鳴声。傍で声を聴いたものは、男女問わずに股間を濡らしていただろう。艶やかな鳴き声を上げる少年に送る視線があるとすれば、同情か嫉妬。あるいは、怪人ならば嗜虐的な愉悦の視線が向けられていたかもしれない。  それは、今、彼を縛り付けている怪人も同じだった。ラバースーツの中で快感の蹂躙に狂ったように跳ね回る少年を、蕩けたような笑みで見つめる怪人。未だに少年の顔を包まぬようにと、彼女の手は己が乳房を支え続けている。幾度も手を放し彼の体を犯し尽くしたいと思っている彼女にとっては焦らしプレーのように感じるものであったが、それもここまで。  凶悪な乳房とシルクのようにほっそりとしたその手がついに動き出す。 「あん?可愛い鳴き声ですね?ふふ、もう限界ですか?負けちゃいますか?正義のヒーロー君が怪人のお姉さんといっしょにミルク風呂で敗北しちゃいますか?そんなことないですよね。あれ、なんでしたっけヒーロー君の……そう、【ボウヤの決め台詞は?】」 「せぇ…いぎ……のこころ、は、?、ぅんん―――???」  そこまで、口にしたところでぼんやりとしていた視界を何かが埋め尽くした。そして、顔全体を包み込む脳を蕩かす感触、全身に突き抜ける甘露の香りに体が弾けた。 「あはは、おっぱいに負けちゃいました~?」 「んぐぅぅ―――???」 「あは、お姉さんのおっぱい監獄はどうですか~?思考が犯されていくのわかるでしょう?頭の中、おっぱいで強制的にぐちゅぐちゅされて気持ちいいですよね?ボウヤの正義の心はここでどんどん書き換えられちゃうよ~?ほら、もう一回、【ボウヤの決め台詞は?】」  その言葉と同時に、ハヤトの顔が乳房の牢獄から解放される。  恍惚としたその表情に、怪人はうっとりとした笑みを浮かべる。  たった一度、魔乳に捕らわれただけでハヤトの心は快楽に支配された。頭の中では脳内麻薬がとめどなくあふれ出す。使命は覚えている。自分という人間もわかる。しかし、欲しい。もっと、快楽が。そう思ってしまう。  そして、ハヤトはそれがどうすれば得られるか知っている。いや、知ってしまった。  使命と矛盾しない方法。堂々と快楽を得る方法を。 「せ、……ぃ…ぎの、こ、ほ、……ろ、は……?――――――――??????」  使命を言い訳にした染まりきった貪欲の言葉を吐くと、すぐに愉悦の快感に身を震わせることになった。体が打ち震え、浅ましく呼気を繰り返す。 「怪人のおっきなおっぱいで潰されちゃいました?こんな風に左右からむにゅっむにゅっって」 (ふぉぉぉぉぉおぉぉおおぉおおぉ???)  左右から極上の乳圧で揉み解されていく。何か大切なものが壊れていくのがわかった。だが、もうすでにそれが何だったのか、すでにわからなくなっている。すぐに『大切なものだった』ことすら忘れてしまうだろう。ハヤトの頭の中は、この甘美な時間を貪ることで一杯だった。 「あはは、母乳風呂で温まりながらおっぱいでもみくちゃにされて、おっぱい天国ですね?さあ、もう一度?【ボウヤの決め台詞は?】」 「は、ぁ、もっ、ひょ~、もっとぉ~~……?」 「あらあら、そんなにお姉さんのおっぱいが気に入っちゃったのかな、ふふふ?でも、ダーメ。だってお姉さんは、ボウヤの心を処刑するためにこんなことしてるんですもの。ボウヤの心が完全に折れちゃったのだったら、もうする必要がないですものね~。まさか、ボウヤはもう負けちゃったのですか?お姉さんおっぱいに敗北負け負けしちゃったのかな?じゃあ、もうおっぱいはないないですね?」 「いや、ぃや……」 「じゃあ、ボウヤは負けちゃだめですよ~?ほら、【ボウヤの決め台詞は?】」 「正義……せぃ、ぎの……はぁはぁ、こ、ころは……――――――???」 「また、おっぱいに潰されちゃいま~す?と~ってもつよ~いヒーロー君だから、今度はおっぱい左右交互にズリズリしてあげる?あはは、これでヒーロー君もイチコロね?もし、まだ負けを認めないようなら、もっとすごいことしちゃうんだから?はーい、【ボウヤの決め台詞は?】」 「せ、ぃぎ、の……心は……――――???」 「魔乳パイズリでとろっとろですね~?ほ~ら、ミルクも注いで、魔乳母乳パイズリですよ~?これで負けちゃえ負けちゃえ?さあ【ボウヤの決め台詞は?】」 「せぃ……ぎ……――――――???」 「は、ミルクまみれでおっぱいに敗北しちゃいました?もう怪人様のおっぱいには逆らえませ~ん?【ボウヤの決め台詞は?】」 「せ…――――――???」 「正義は、おっぱいに負け負け敗北アクメしちゃうことですね~?【ボウヤの決め台詞は?】」 「ぇ………――――――???」 「ボウヤの正義は、母乳まみれのおっぱいで敗北アクメパイズリされることですね?【ボウヤの決め台詞は?】」 「……――――――???」 「正義の心は、おっぱい監獄で一生溺れちゃう?【ボウヤの決め台詞は?】」 「――――――??????」 「【ボウヤの決め台詞は?】」 「―――??????」 「【ボウヤの決め台詞は?】」 「??????」 「あはははは?まだまだ始まったばかりですよ?た~ぷり、ボウヤの心に淫らなセイギを植え付けてあげますね?あはははは?」 ………………? …………? ……? ? *** 「ふふふ、そろそろいい頃合いかな~?」  両胸を寄せてこね回す手を止めると、宝箱を開くような慎重さで両胸を左右に開いた。ゆっくりと開いたのは、別に警戒してということでは無かった。ただ、楽しみはじっくり味わいたいというのが本音だった。食事の最後に食べるデザート(実際、人間が絶頂する際に放出されるアクメエネルギーを糧にする怪人に食事というものは不要だが、楽しみで食べたりする)のようにじっくり一口ずつ味わって、そうすこしずつ。  そして、現れたヒーローの表情を見て、ゾクリとした愉悦が背筋を駆け上るのを感じた。  思っていた以上の素晴らしい出来栄えに、少しばかり股間の内側が濡れるのを感じる。  魚が必死に餌を求めるように、半開きの口をパクパクと力なく動かし、濃厚な母乳の匂いを貪ろうと呼吸を繰り返す。目に力はなく、どことも知れない一点を見つめている。時節、思い出したかのように体を快感に震わせる。  ミルク風呂での洗脳パイズリを始めて1時間。当初予定ではアトミックレッドは、これでも心はおれないのではないだろうかと思案していたために『サンドイッチの刑』を用意していたが、その心配は杞憂で終わったようだ。  誰がどう見ても、堕ちていた。後は、少しばかりの『アクメ』を植え付けてあげれば、それで『アクメ奴隷』の完成。 「はーい、ヒーロー君?と~ってもいいお顔になりましたね~?さあ、じゃあ最後に言ってみようか?た~ぷり教えてあげたでしょう?ボウヤの正義の心がどうなっちゃったのか?それをこれからの決め台詞にしましょうね?じゃあ、はい、【ボウヤの決め台詞は?】」 「せ、……い、ぎ……の、ここ……ろ?」 「そう、正義の心は?どうなっちゃたの?」  これで完全に落ちたことが確認できる。あとは、調教部屋で続けて調教してあげれば、どのような洗脳でもできる。ママと呼ばせようか、それとも自分のことをペットと思わせようか、そんなことを考えていたところに、思いもよらぬ言葉が入り込んできた。 「こ、こ……ろ、は、くっし……なぃ……はぁ、はぁ、……ぼく……あと、み……レッド……」  驚愕。先ほどまで死んでいた彼の瞳にわずかばかり光が戻っている。  だが、それも風前の灯火。あと、ほんの一押しで谷底に落ちるように、わずかな絶頂で『アクメ』の虜になるに違いなかった。  しかし、これは良かったと、そうも思った。せっかく準備していた正規の処刑が無駄になるところだったのだから。 「あらあら、まだそんなこと言えるなんて?ふふ、お姉さん、ちょっぴりボウヤのこと見直しちゃった。じゃあ、頑張ったボウヤに素敵なプレゼントあげましょうね?」  湯船からゆっくりと体を起こし、先に下っ端戦闘員に準備させていたマットの上に移動する。  ダブルベッドのように大型のマットであったが、撥水性のラバーコーティングが施されており、複数人のローションプレーなどで使うように用意されたものだった。  背中のチャックを下し、ラバースーツをゆっくりと脱いでいく。その際、片手ずつで彼の体を支えてながら、だ。もちろん、逃げ出すとか抵抗されるとかいう気持ちからではない。しいて言うなら、愛着の湧いた玩具を粗末に扱いたくないだけの理由だった。  スルスルとスーツが脱げると、マットの上にあおむけで寝転ぶ。そして、先ほどと同じようにおっぱいの間に彼の頭が来るように彼をあおむけで寝かせる。  これで、準備は完了だった。  彼の心の強さは本物だが、これから行われる『魔乳サンドイッチの刑』に抗える力は残されていない。彼が、どんな可愛い悲鳴を上げてくるのか楽しみでアソコが濡れている。  心の中でこれからの様子を思い描いていると、もう一人の魔乳怪人が現れた。彼女の後ろに下っ端戦闘員3人が付き従っている。 「は~い、ハヤト様、ここからは私も参戦しちゃいますからね。二人の魔乳怪人による『魔乳サンドイッチの刑』ですよ?正義の心をアクメハートに変えられないように、精々頑張ってくださいね?じゃあ、まずは……」  言葉を合図に下っ端戦闘員たちが動き出す。壁の道具入れから取り出してきたのは、クリーム搾り機。形自体は一般的な人間の用いるクリームの搾り袋と同じだが、その大きさは下っ端戦闘員の身長の半分ほどはある。その上、通常の絞り袋のクリーム投入口部分にはホースが接続されており、ホースの延長線上には大型のタンクが用意されていた。大型タンクから伸びるホースは三本。ちょうど戦闘員の数とピッタリだ。 「さあ、始めなさい」  下っ端戦闘員は上官の命令に従い、クリーム搾り機を上官である魔乳怪人に向ける。彼女もクリームを浴びやすいように両手を握って頭上に掲げる。  そして、機械が作動すると、勢いよくホイップされたクリームが噴射される。胸、お腹、感部、太もも、つま先に至るまで体の前面が満遍なくデコレーションされていく。クリームのついていないのは腕と、顔だけ。 「あは、いい感じ?」  腕を下し、体についたクリームを手にも塗りのばしていく。 「じゃあ、ハヤト様、魔乳怪人のお姉さんがぎゅって抱きしめてあげますね?ほ~ら、魔乳怪人特性の生クリームを泡立てたふわふわホイップクリームですよ?特濃ミルクを原材料にしたクリームですから……ふふ、わかりますよね?あは、ハヤト様のオチンポビクンビクンしてますね?ふふ、なに期待しているのですか。これからハヤト様は『魔乳サンドイッチの刑』で『アクメ地獄』に堕とされるんですよ?それなのに、こんなにオチンチン固くしちゃって?あはは、お望み通り、イってもイっても止まらない『アクメ地獄』に堕としてあげますね?じゃあ、失礼します?」  魔乳怪人はゆっくりと体を重ねるようにハヤトの上に覆いかぶさる。わずかに、ハヤトは抵抗の意志を見せたが、それも連続絶頂の脱力感で指先がわずかに動く程度のものでしかなかった。  クリームまみれの魔乳怪人の体がハヤトに覆い尽くすと、脱力してまったく動くことすらできなかったハヤトの体が、激しくのけ反った。 「うぁぁあぁあああああああああ――――――???」  絶頂、絶頂、絶頂。止まらない絶頂。  肌一つ一つを舐めまわし、快感が細胞レベルで送り込まれるような尋常ならざる快感。加えて、超濃厚な催淫作用が、肉体を浸食していく。脳が快感信号を受けきれず、無尽蔵の絶頂信号を吐き出す器官へとなり果てる。  『アクメ』『アクメ』『アクメ』と、思考が『アクメ』一色に染め上がっていく。すべてが『アクメ』のために、『アクメハート』様のために、と。 (『アクメ』?気持ちいい――???もっと、もっと、もっと、『アクメ』ください?あぁあああ――――――――???) 「あはは、そんなに『アクメ』しちゃって?ほらほら、もっともっと『アクメトリップ』キめちゃって『アクメ』することしか考えられない『アクメハート』の性奴隷になりましょうね?」  怪人がハヤトの上で体をくねらせる。全身を使ったクリーム洗体。彼女の巨大な胸がハヤト小さな胸を押しつぶす。逃げられない『クリーム洗体の地獄』  しかし、これだけでは終わらない。これは、『魔乳サンドイッチの刑』なのだから。 「じゃあ、そろそろ、ね?はーい、ヒーロー君、お姉さんが抱っこだっこしてあげますね?クリームおっぱいの谷間に埋もれて、ビクビク『アクメ』しっぱなしのヒーローバイブになりましょうね~?」  全身べっとりとクリームをつけられ、身動きが取れない体を持ち上げられる。  ハヤトは抵抗できず無防備なまま彼女の大きなおっぱいに上半身を包み込まれる。 「ん、あん、ぁぁぁあん、あああああ――???」  弱弱しい声から一気に絶頂の喘ぎへ。  ハヤトは、どこまでも沈み込みそうな乳肉に体が覆い包まれる。かろうじて外に出ていることができた顔部分も、胸の谷間から溢れ出る濃厚ミルクの香りを至近距離浴びせられ、その上怪人の吐息も合わせて嗅がされるので相当なダメージを追わされる。  それ以上に、だっこと形をとることで、蕩けるような甘い絶頂を送り込む乳房に彼のペニスが咥えこまれ、彼女が腕で乳を圧迫すれば途端に昇天してしまう。 「ひぃぁあぁああああ――???」 「あーん?抱っこだっこ、気持ちいいですね?ほ~ら、ヒーロー君のお尻もモミモミ?女の子みたいにかわいらしく喘いじゃって?じゃあ、とどめ?『サンドイッチ』のお時間ですよ?」 「そうよ?ほ~ら、ハヤトくん?お姉さんの声聞こえているかな?ハヤトくんの後ろからクリームまみれの魔乳怪人が迫ってくるぞ~?あはは、ほ~ら、逃げないと?前からも、後ろからもクリームサンドされちゃうよ~?」 「ほら、ほら、あっちのお姉さんが迫っきますよ~?ほらほら、抵抗抵抗。あはは、無理よね?だっておっぱいお布団気持ちよすぎて抜け出せないものね?前からも後ろからもおっぱいお布団でくるんで『アクメ天国』ですよ~?今日は一日中クリームまみれのお姉さん達とおっぱいお布団で寝んねしましょうね?」 「『魔乳クリームサンドイッチの刑』でヒーロー君は、完全にお姉さん達のものに?もう、抗えないよ?た~ぷり『アクメ』してね?」 「は~い、じゃあ、ヒーロー君?」 「うふふ、じゃあ、ヒーロー君?」 「「バイバ~イ」」     むにゅむにゅむにゅむにゅ~~???     どぴゅどぴゅ、びゅくびゅくびゅびゅぶびゅびゅ――――――――― 「あはははは、びゅくびゅくとビクンビクン止まらないね~?あは、イキすぎて、もう意識半分飛んじゃってるね?眠っちゃってもいいよ?夢の中でも犯されたままだろうけど?」 「『アクメ』し過ぎで、もう何にもわからないよね?ただ、『アクメ』気持ちいい、『アクメ』気持ちいいってことだけわかっていればいいからね?」 「このまま、『アクメハート』の性奴隷に堕ちていきましょう」 「毎日幸せな快楽のエデン?」 「今まで、ヒーローお疲れさまでした?」 「じゃあ、ヒーロー君、さようなら?」 …………??? ***  扉を開く。  部屋の中は薄暗く、ほんのりと光るフットライトだけがその部屋を照らす光源だった。  広い一室。しかし、そこに物はほとんど置かれておらず、部屋の奥に執務用のデスクが置かれるのみであった。  部屋の主人、いや、『アクメハート』総司令官の席だ。そして、そこに座す人もまた彼女である。  ナーティアは、数歩進み跪く。 「ご報告します。アトミック戦隊、アトミックブルーとアトミックレッドが我々の軍門に下り、今さらなる洗脳を怪人一同で行っている最中です。残りはアトミックイエロー、アトミックグリーン、アトミックピンクのみでございますが、それぞれもこの基地に捕縛しておりますので時間の問題かと」 「ご苦労様でした。ナーティア。そろそろ、アトミック戦隊には代替わりをしてもらわなければならない時期でしたのでちょうどよかったです。さて、新しいヒーロー達にはどのような名前を付ければいいか……」  総司令官が微笑んだのが、薄暗い部屋の中でもはっきりわかる。悪魔の笑み。時節、喜びに満ちたように背中の羽をバタバタと羽ばたかせている。 その香りがナーティアの元までたどり着くと、クラっとする恍惚感を覚えた。これが真祖、淫魔の力。同性、怪人、ありとあらゆるものを魅了し世界を掌握せんとする者。 「ふふ、決めました。では、私はこれから『ヒーロー組織の総司令官』として任に出ますので、しばらくここを頼みますよ。ああ、そうそう、テレビ局の方にも支持を出しておかないと。あと、ちゃんと最後のフィナーレ用に『正義のヒーローは悪の組織に打ち勝った』とテレビ放送できるように洗脳しなさい」 「は!お任せくださいませ!」 「では、うふふ?」  彼女は羽をたたみ人間の姿に変わると、『ヒーロー組織の総司令官』として相応しい慈悲深い笑みを浮かべながら部屋を出ていった。  残されたナーティアは怪人ながらも、その恐ろしさにしばらく身動きが取れなかった。 一媚杀  女の手は血で汚れていた。しかしそのことを疎ましくも厭わしくも思ったことはない。それが女の定め、彼女の宿命であり、生業なのだから。  彼女、霞の里、霧生一派のくノ一?お瑶は冷たくなった骸を前にして、自分は用意した桶の水で手を清めながら、ひと心地つきつつも、油断なく周囲に気を張っていた。桶の水はみるみる赤く染まっていく。白魚のような指先からは雫が垂れ、それを懐紙で拭った。  骸は咽喉を掻き切られ、血潮を当たりに撒き散らして息絶えていた。  ここは深夜の奥座敷、虫の音しか物音はない。行燈の光も仄かで、月明りの方が強いくらいである。畳も襖にも障子にも、血痕は点々と付着し、雅な室内と相俟って異様な地獄絵図であった。そんな中、お瑶は何ごともないかのように身を清めている。  お瑶も、また男であった骸も、一糸まとわぬ姿であった。  畳の上には布団が敷かれ、骸はその上に仰向けに横たわっている。目は閉じてあるが口元には唾液が一筋線を引き、だらしがない。筋肉質の身体だが、青白く見えるのは激しい流血の為ばかりではないだろう。  寝具は乱れていた。そして畳の上には、男ものの浴衣に、女ものの着物、帯、襦袢などが打ち捨てられるように置かれている。  風が庭の木々を揺らしていた。 (ふふ、随分派手にやってしまったわ。でもこれが注文なのだから仕方ないわね)  身体を拭いながら、お瑶は思った。  女は見事な肉体の持ち主であった。流れるような黒髪が、なだらかな肩や背に張り付いている。そして張りのある円い豊乳の先にはつんと乳首が勃っていた。腰は括れ、腹は引き締まり、尻は上向いている。腿から足までは長く、美しい。そんな裸身を、死者の前に惜しげもなく晒しているのだ。見る者が見たら、劣情を抑えきれず、情欲の虜となってしまうであろう。それは女とて同じことかも知れない。  しかし、お瑶がその裸身を晒しているのは、死者の前だからではない。この骸と成り果てた男が生きている時、つまり数刻前から、彼女はその魅惑の肉体を晒していたのだ。無論、骸が骸となる前、生者だった頃にである。  死んだ男の名は大蔵重進といい、ここ都の徴税役人の取りまとめの一人であった。その徴税の仕方が度を超えて苛烈であり、庶民もまた商人連中も困っているとのことで、誰かその上役が、闇の仕事を依頼したのだ。税吏の取りまとめといっても、下っ端である。死んだことでお上が揺らぐことはない。  霧生の里から依頼が伝えられたお瑶は、その担当として重進暗殺の刺客の仕事を任されたのである。  その任務はくノ一であるお瑶にとっては容易なものだった。  芸妓の姿を取ったお瑶は、重進の馴染みの店に潜入し、忽ち彼の気に入りとなった。酌をする際に、男に手を握られたり、肩を抱かれて引き寄せられたり、果ては着物の裾から手を入れられ、腿を撫でられるようになっていった。始めは恥じらいの仕草と共に、小さく拒んでいたが、次第に妖しい瞳で痴態を働く男を見つめ返し、その手を握り返すなど反応を変えていった。そうやって男の警戒心を解き、更には心理を摑むのだ。  それらもまたお瑶の目論見通りなのである。  重進はお瑶を床に誘おうとしたが、しかしそれだけにはお瑶は中々応じず、重進をやきもきさせた。 「儂の言うことが聞けんのかっ」  酔った勢いで重進はそう激高したこともあったが、しかしつれない仕草と妖艶な視線で、お瑶は男を丸め込んでしまう。それでも暴れて手がつけられなくなった時には、密かに急所秘孔を突き、一度失神させてしまうのだった。そうやって焦らせば焦らすほど、重進はお瑶の元へと通い詰めたのである。  そして今夜……。 「重進様、奥で床の用意が出来ておりまする」  したたか酔った男に、お瑶はそう囁いたのだった。  男は一瞬きょとんとしたような表情を赤ら顔に浮かべ、次第に酔った頭でもその意味することが分かったのか、いかにも好色そうな笑みを満面に広げると、 「うむ」  と、一見重々しく頷いて、半ばお瑶に支えられながら奥座敷へと来たのだった。  それが自身の最期になるとも知らず……。  重進が通された奥座敷には、既に床が延べられており、枕元に酒と煙管の用意もしてあった。  ぴたりと障子が閉じられ、座敷は男女二人だけの影が浮かぶ。  男の酒臭い息が荒い。 「おお、儂は待ちわびたぞ」  酔った男はふらつく足取りで芸妓であるお瑶の方へと向かってくる。 「まあ、お顔が真っ赤ですよ。座って落ち着かれてはいかがですか」  お瑶はそう言ったが、その腕は急に掴まれ、強引に引き寄せられた。 「きゃっ」 「ああ、お瑶よ……」  男の酒臭い息がお瑶の顔に掛かる。そしてその艶やかな朱唇が塞がれた。 「あぁン、はぁンン……」  獣のような男の接吻がお瑶の口を蹂躙する。  二人は立ったまま、女は男に抱きすくめられるようにして、顔を、そして身体を密着させた。  着物と着物が擦れる音が、女が身を捩る度に響く。 「ああ、お瑶。もう逃がしはせぬぞ」  重進は女を床の上に押し倒し、自分がまとっている浴衣を乱暴に脱ぎ去った。  税吏としても日々の鍛練は欠かしていないのか、逞しい肉体が露わになる。次いで男はするすると褌も脱ぎ取った。白い布の下から現れた陰茎もまた、大きく反りかえっている。 「まあ、ふふ……」  女は胸元と裾を寝具の上で肌蹴させて、白い脛を覗かせながら妖艶に微笑む。 「お瑶、今宵おぬしは、晴れて俺の女になるのだ」  酒精が入っているにも関わらず、男の陰茎は剛直に膨らんでいる。  それが遠慮なく床の上に寝そべった女に迫り、その上に覆い被さろうとする。 「ふふふ……」  女は艶然と微笑んだまま、男を抱き止め、下になる格好で重進を床の上に迎えた。  男の肉体は熱を持っている。その厚い胸板が、着物の上からもはっきりと形の感じられる女の乳房を潰した。しかし、弾力と張りのある双乳は完全に潰れることなく、男の胸部を押し返そうとする。 「おお、お瑶、お前の肌は何と心地よい……」  肌蹴た袂へと顔を埋めつつ、重進は陶然と呟く。  もぞもぞと、頭と身体を動かし、手を女の腿と首に這わせて、男はタガメのような格好を取る。 「ああンっ、重進様っ、首は、首はぁ……」  女の嬌声が上がる。それが男をますます欲情させ、男の指は女の首筋を擽るようになぞる。  豊満な胸元の、深い谷間から上る女の香りを男は一心に吸い込んだ。 「むふっ、むふううっ、お瑶は感じる度に良い匂いがするのう」  腿を這う一方の手は大胆さを増し、次第に脚の付け根の方へと上っていく。 「いや、いやぁんっ……」  脚を動かし、身体を捻ろうとするも、女は僅かにしか動けない。首筋、胸元、右太腿の三点を重進に固定されて、女は上気した甘い息を吐く。 「うっふっふっ……。お瑶、愛い奴め、沢山可愛がってやろうぞ」  好色な男のくぐもった声が言った。  男は上乳に鼻梁を触れたまま、両手で女の裾をぱっと広げた。 「あっ、何を――」  露わになった両腿を強引に開き、その真ん中に自分の身体を持ってくる。 「待ち望んだぞ、この瞬間を。今こそ、おぬしは儂の女になるのだ」  胸元から顔を離し、重進は陽物に手を添えると、その先端を女の着物の奥、長く白い両脚の付け根、禁断の女地へと狙いを定める。着物の裾でその先は外からは見えないが、その奥には淫蜜を滴らせた媚花弁が控えている。そして男の象徴を待ち望んでいるのだ。 「ああ、重進さま……」  潤んだ瞳で男を見上げ、女はしおらしくその名を呼んだ。 「ふっふっ、おぬしも早う欲しいのであろう。今、この腰の刀で突き抜いてやるぞ」  ギラギラと目を光らせ、鼻息も荒く口角から唾を飛ばしながら、重進は遂に腰を前に突き出した――。 「うぐうぅっ」  くぐもった声が重進の咽喉から洩れる。  ずずっ、ずずっ、と男根まで陰茎が、女の媚花弁を搔き分けて、そのぬるみに溢れた快美の通路へと侵入していく。  窮屈な通路を覆う膣襞が怒張した陽物全体を容赦なく扱き上げるのが、男にも感じられた。 「お、おぬしの中は、な、何と……」  重進の息は既に絶え絶えだった。それでも本能は快楽を求めて、腰を前に進める。 「ああっ、あふっ、じゅ、重進、さまっっ」  俄に女の瞳が妖しく光る。と同時に、そのしなやか両脚が男の胴に絡み付いた。 「あぐっ、あぐっ、あぐあああああぁぁぁっっ――」  断末魔のような悲鳴が座敷に響き渡った。その反動なのか、仄かな灯火が揺れ、障子に映った男女の影を揺らめかせる。  悲鳴を上げたのは、重進の方だった。  そして、そんな男の様子を見るお瑶は不敵に嗤っているのだ。 「捕らえたわ、愚かな牡。快楽の深淵に堕ちるがいい――」  ――媚術?快潮淫沈。  女の不思議な声が響き渡る同時に、男の身体が激しく痙攣する。  どくどくどくっ……。  ごぼごぼごぼっ……。  重進が予期しなかった激烈な快美感がその身を焼き尽くすように襲うと、男の意志とは無関係にその陰茎はまるで爆発したかのように精を噴出させたのである。  噴き零れるような射精は留まることを知らなかった。 「ぐほっ、ぐおっ、ぐおおおっっ」  咽喉の奥から血を吐くような奇怪な音が重進の口から洩れる。床の上に仰向けに横になっている男の身体は、陰茎の先端から白濁が放出される度に跳ね、痙攣している。暗い灯火に照らされた男の顔は蒼白で、その逞しい肉体も、射精と共に衰弱しているように見えた。 「ふふふ……」  傍らに立ち、惜しげもなくその美麗で妖艶な四肢を見せつけながら、お瑶は男を見下ろしていた。しかし、男にそんな女の艶姿を眺める余裕などはないが。 「あああっ、あぐっ、あぐううっ、た、たすけ……」  命を素を噴き出しながら、衰弱していく男は途切れるような声で命乞いめいたことを言った。それも虚しく響き、奥座敷には強烈な牡の臭いだけが籠っている。 「お前の全身の精と引き換えに沈んでしまいなさい。快楽の淵へ」  酷薄に嗤って、お瑶は男を見下ろす。  瞳が妖しく光り、薄っすらとした汗が、首筋から鎖骨、そして豊満な乳房の先端である乳首へと流れた。乳首はツンと勃っている。そして女の肌もまた上気していた。  獲物となった男が自分の術に捉われる様に、お瑶は昂揚を禁じ得ないのだ。  事実、その股間の秘裂からは、僅かに潤みが滲んでいる。 「うぐっ、ぐはあっっ」  ひと際大きく身体を仰け反らせ、陰茎から白濁を暴発させると、重進は糸が切れた人形のように脱力し、呼吸すら聞こえぬほど微動だにしなくなった。 「ふふふ、憐れな男。本能を刺激するくノ一の術には、決して敵わないのよ……」  お瑶は重進の近くに屈みこむと、その腕を取り脈拍を測った。僅かにだがまだ心の蔵は止まっていないようだ。  それを確かめると、お瑶は小刀を取り出し、少しの躊躇いもなく、精を尽きるまで吐き出して失神している男の咽喉元に刃を当てると、一閃横に引いたのである――。  ぷしゅっ、と勢いよく鮮血が飛び散り、襖や障子を紅い斑点で汚していった。  牡臭に加えて、生臭い血の臭いが奥座敷に立ち上る。  お瑶は素早く男の側から離れ、流血を避けた。  血飛沫はしばらく止まず、部屋の至る所へと飛び散り、血痕を作っていく。衰弱しきった男にまだこんなにも血液が残っていたのかと思われる量だ。  首筋の動脈から血液が噴き出すのが収まると、お瑶は近くに用意してあった懐紙で、小刀の結婚を拭った。  こうした派手な暗殺は、依頼の一つでもあったのだ。獲物を単に隠密裏に葬るだけではなく、翌日派手な事件とすることで、汚職役人とその周辺で旨い汁を吸っている者達を牽制する為だという上からの指示なのである。それがどこまで効果的なのかは分からぬが、一介のくノ一たるお瑶としては、命令には従う以外にない。  女は眉一つ動かすことなく、文字通りその寝首を掻き切り、獲物を始末し、その血で以て現場を派手に装飾した。これにて仕事は完了である――。 「先を越されちまったかな」  闇の中から声がした。無論、重進のものではない。  お瑶の全身に緊張と警告が走る。  誰か、いる――。一体誰が、何故……。 「そう殺気立たないでくれよ。俺も同業者さ」  ふっと気配もなく、一つの影がお瑶の前に現れた。  お瑶はきっとそれを睨み付け、手にしていた小刀を構える。 「何も悪徳税吏を狙っていたのはお前さんの所だけに依頼していた訳じゃないのさ。俺もそいつをやれと言われていたんだよ。まあ、お前さんが先に仕留めてくれたお陰で手間が省けたってところか」  影は飄々と言った。それは油断なく目を光らせたお瑶とは対照的な雰囲気である。  薄っすらと、灯火が影を照らす。  それは背の高い、ひょろりとした体格の男だった。使用人でも武士でもなく、庶民の、それも遊び人にような格好をしている。この娼楼にしては少しみすぼらしい装いだった。 「そんな物騒なものを向けるなよ。折角の美人が台無しだ。もっとも、その目は綺麗なもんだがな」  ひゅっと風が吹くと、お瑶は男との間合いを詰めていた。短刀が男の首筋を襲う。  しかし手応えはなく、男は紙一重でお瑶の凶刃を躱していた。 「まあ、聞けよ。俺は古烏羅の雷十。お前さんと同じ忍びだ」  古烏羅とは、お瑶が属する霧生と同じく忍びの一派だった。音も気配もなくお瑶の前に現れたことで、相手が名乗る前に同業者だとは察せられたが、こうも易々と自らの素性を明かすのも不審である。それに仕事を嗅ぎ付けられたなら生かしてはおけないのが忍びの掟だ。  お瑶は容赦なく追撃する。  血の煙ったような奥座敷に、短刀が閃き、二つの影が躍った。 「おい待てよ。今はそんな時じゃ……」  雷十と名乗った男が、お瑶の剣撃を受け流しつつ何かを言おうとした。その時――。  奥座敷の中に、何かが転がり込んできた。  それは鞠のような大きさで、シューシューと音を立て、煙を吹いている。 「――!!」  お瑶の動きが止まった。その鞠のような物体の正体に気づいたのだ。それは火薬玉だ。  奥座敷の外には、人の気配があった。雷十が連れてきたのだろうか。いや、男が姿を現した時にはまだ感じられなかった。それに火薬玉による抹消を狙うのなら、雷十が姿を現さずとも、さっさと玉を投げ込めばよい。 「分かっただろう。重進を始末したら用済みなのさ。俺もお前さんも、同時に消す算段だ」  飄然とは言うものの、言外に焦りを滲ませて男は言った。 「くっ――」  外は多くの敵が配備されているだろう。恐らく忍びか。自分がそれに気付かぬとは深くだった。まさか重進の動脈を切って派手に殺すという作業は、こうする為の時間稼ぎだったのかもしれない。  煙の音に混じって、何かが弾けるような音が玉から響く。 「まずいっ」  雷十がその手を裸身のお瑶の方へと伸ばした。  その瞬間――。  火薬玉が火を噴き、奥座敷は瞬く間に燃え上がったのである。 奥座敷から火の手が上がり、店はみるみる内に延焼して、夜の空を焦がさんばかりに燃え上がった。周囲は騒然となり、半鐘の音がけたたましく響き渡る。悲鳴と怒号が、大店の倒壊する音に掻き消された。  火は一晩中燃え続け、店は全焼した。そして逃げ遅れた数名の焼死体が瓦礫の中から発見された。  奥座敷から見つかった死体は、一つだけであった……。    ☆  夜風に乗って、火の臭いがする。東の空が赤橙色に染まっていた。  ざわざわと周囲の木々の枝が擦れた。 「ここなら追手も来るまい」  男はそう言って、破れた戸を閉める。周囲に人の気配はなかった。 「そう、火事に紛れて、上手く逃げられた訳ね」  女が言った。その着物は着崩れ、片々が焦げている。  ここは人々が寂し杜と呼んでいる街外れの林である。その中の寂れたお堂に、二つの影があった。  一つは、くノ一お瑶である。  もう一つは、お瑶が重進を仕留めた後に現れた古烏羅の雷十だ。  雷十の機転により、二人は間一髪、襲撃者達の火薬玉から逃れ、ここへと逃げ延びたのである。 「あいつらは、何だったのかしら」  お瑶が疑問を口にする。重進を仕留めた後、現れた襲撃者達のことだ。 「おそらく、別な者から依頼を受けたのだろう。お前さんが重進を殺った後、痕跡を残さずに消すように命じられたのさ。さしずめ、上は上で何やら思惑違いがあるらしい」  重進は税吏として汚職を繰り返している為、お瑶によって粛清された。どうやらそんな単純なことではないようだ。事実、雷十にも重進暗殺の仕事が命じられていたという。税吏の汚職を巡って、上層部が対立しているらしい。  しかし一介の忍びであるお瑶には、今は知る由もない。  重要なのは、自分達自身も命を狙われ、何とか雷十の手助けもあって一時ではあるが無事逃げ延びることが出来たということである。  お瑶はまだお堂の戸口に立つ男を見た。背の高い、鍛えられた身体に、簡単な町人装束を身に付けている。仕込みの武器は持っているのかも知れないが、体術で仕留めることが得意なのかもしれない。歳はお瑶と余り変わらないようだ。 「暫く動くのは危険じゃないかしら」  お瑶は提案する。 「かと言って、ここも安全という訳ではないだろう」  外に目を光らせて、雷十は言った。 「だが、無闇に姿を晒すのは危険だ。俺が戻らなければ、繋ぎの者が動く手筈になっている。それまではここで様子をみよう」  そうして、雷十はその場に腰を落とした。  お瑶は正面から雷十を見る。 「ああ、少し寒いわ」  くノ一らしからぬことを口にした。 「ふん、止めろよ。こんな時に俺を誘っても、お前さんの得にはならないぜ」  素っ気なく雷十は返す。 「あら、男と女が同じ屋根の下で、何もしないで朝を待つなんて、野暮じゃない」  軽口を叩いてみたものの、お瑶は不思議な心地だった。それは外の空風とは裏腹に、どこか身体が温かく感じられるような心地だ。この男には先刻初めて会ったばかりで、ともすると敵かもしれぬが、それでも妙な親近感を覚えてしまうのだ。それも、同じ忍びという境遇だからだけではないらしい。 「女は嫌いなのかしら」 「ふん、女は好きさ。だがくノ一は別だよ。同じ里の女でも、裏を掻かれるのが忍びというものだろう」 「警戒しているのね。まあ、無理もないわ」  じんわりと、お瑶の下腹部が熱くなってくる。これはどうしたことか。少しの戸惑いがお瑶に生まれた。  お瑶とて、数多くの男を相手にしてきた。その中には、初心にも恋慕してしまった相手もいる。今、雷十に対して感じている女体の反応は、それに似ていた。手練れのくノ一が男に恋情を抱く等笑止だと心では思うが、その秘部は、微かに濡れてきているのだ。  身体は男を求めている。そして、心も……。  お瑶は膝立ちになり、雷十へと詰め寄る。 「ねえ、貴男はわたしを助けてくれたわ。そのお礼がしたいのよ」  囁くように、お瑶は言った。着崩れた着物がら、白い肌が覗いている。 「成り行き上たそうなっただけだよ」  にべもなく雷十は返した。しかし、その視線は深い女の胸元へと注がれている。 「なら、男と女同士がこうなるのも、成り行き上仕方ないんじゃないかしら」  お瑶は器用に雷十の褌を解く。すると立派に屹立した陽物が飛び出した。 「ほら、身体は素直ね」 「ふん、好きにするさ」  少しの悔しさを滲ませながら、雷十は言った。  お瑶は微笑むと、上体を屈ませて顔を男の股間に埋めるようにして、陽物を銜え込む。 「ううっ」  雷十の口から息が洩れた。  そしてそのまま、お瑶は絶妙な舌使いで、怒張した陰茎を丹念に舐っていく。  舌先で鈴口を軽く穿り、裏筋から雁首まで、唾液をまぶしながら舐め取っていった。その度に陰茎は口の中で抵抗するように跳ね、反り返る。そして硬度と大きさを増すのだ。  啄むように唇で亀頭を何度も接吻すると、じんわりと先端から液が漏れ始めた。  雷十は一言どころか、喘ぎ声すら洩らさない。全気力や胆力を腰に集中させ堪えているのだ。それくらいのことは、男の顔を見なくともお瑶には分かった。ならばその胆力の限界まで昂ぶらせて、最高の男としての至福に導いてやろうという思いが、お瑶の身体を熱くする。 「ンちゅ、じゅるっ、ちゅちゅ、れろっ、れろれろ、ちゅちゅっ」  巧みで止むことのない舌責めが繰り出される。並の男なら、既に昇天してしまっているほどだ。だが、雷十は耐えに耐えている。男は胡坐を掻いたまま、どっしりと微動だにしない。 「れろっ、ちゅるっ……。ふふ、如何かしらわたしの舌は?」  挑発するように、お瑶は訊いた。  雷十は直ぐには返事をしなかった。しかし無表情に思えたその眉がぴくりと動く。 「ねえ、どうする?」 「……」 「やっぱり、くノ一とはしたくないと言うのなら、これで止めにするわ」 「……」  お瑶は上目遣いに雷十を見た。男の顔は影になって判然としないが、内心にて凄まじく葛藤しているであろうことがお瑶には分かった。選択権は男に与えられたように見えて、主導権は依然女が握っているのだ。 「答えがないようなら、これで終いね」  無下にそう言って、お瑶は身体を上げた。 「……くっ」  雷十が息を洩らす。  そこには何処か敗北の悔しさが籠っていた。 「ああっ」  すると突然、雷十はお瑶に抱き付くと、そのまま床の上へと押し倒した。  着崩れた着物を剥ぎ取る。豊乳が夜陰に光るように露わになった。 「きゃっ」  口でこそそう言ったものの、お瑶は微笑を浮かべていた。まさか相手がここまで大胆な行動に出るとはおもわなかったが、それでも目論見通りになったのだ。 「だからくノ一等、嫌いなのだ」  女を裸形に向きながら、雷十はそう洩らす。そこには幾らかの嫌悪や憎悪も混じっていたが、既にお瑶の術中に嵌っている男の表情だった。 「なら、わたしがくノ一だということを忘れなさいよ。初めて見初めた女子だとでも思いなさい。その娘の名は何と言うの」 「うるさい、お瑶だ」 「あら、わたしと同じ名なのかしら」  豊満な乳房が主張する素晴らしい四肢が露わになる。男も上衣を脱ぎ去り、裸体だった。二人の股間は怒張し、そして濡れていた。 「重進を殺めたその身体で、お瑶、お前さんはこの俺の心をも殺したんだよ」  そして男は、女に覆い被さる。  女はそれを受け止め、背に腕を回し、男の腿に脚を絡めた。 「ふふふ、雷十、今宵はずっと愛して上げるわ。男達を何人も殺めたこの身体で、貴男のことをね」  多くの男を惑わせ、夢中にさせ、そしてその命を奪って来たくノ一最大の武器、それが今は一人の男を愛する為に使われている。血を吸って磨かれた女の四肢は、男の身体に絡み付き、柔肌は吸い付いて、えもいわれぬ快美感を男に与えていた。  男達と殺め、そしてまた一人の男を殺そうとしているくノ一の魅身。しかしそれは、単に命を奪うのではなく、何時も間にか知ってしまった感情故に、相手を虜にしてしまおうとすることだった。  雷十自身もまた、そのことに気づいていたのだろう。男は女の気持ちに応え、その危険で魅惑的な肢体を抱いたのである。  その気持ち、感情こそ、恋である。お瑶は、危機を共に脱した雷十とい初見の忍びに、恋情を抱いたのだ。 (まずは雷十、貴男の中の他の女の想いを全て消して上げるわ)  男の熱い手が、豊乳を摑む。  二人の吐息が次第に荒くなっていく。  抱き合って横臥したまま、男女は獣のように乱れていった。  それは美しく、そして限りなく淫靡である。 (そして、貴男の胤も心も、全て貰うわよ)  女が腰を浮かせると、その引き締まった腹部が男の怒張した部分に当たる。お瑶は腰を上下させて、激しく腹で男の陰茎を扱き立てた。  男は声を立てなかった。  だが、口と舌に責められ、女身の柔肌の快楽を刷り込まれた男根は遂に限界を迎えて決壊したのである。  濃厚な白濁が、お瑶の腹を汚した。それは熱を帯び、女の肌を焼きそうな程である。 「ふふ、貴男の胤、熱いわ。それにとっても濃いわね」  気を遣ったばかりにも関わらず、男は精を自分と女に対して塗りたくるように、激しく女の肌を貪る。 「ねえ、雷十、次は貴男の最も愛する女の名を呼びながら出してちょうだい」  お瑶はしなやかに身体を捻り、太腿の間に陰茎を挟み込むと、それをやわやわと扱き上げた。  柔肌と、腿の交互の動きが射精したばかりで敏感になっている陰茎に刺激を与える。一度大量に出していても、精巣は直ぐに活発になり、血流は股間へと集中して、陽物は硬く大きく成長した。それもお瑶の腿という淫牢に捉えられたまま。 「うぐっ」  呻き声と共に、乳房を摑む男の手に力が籠る。柔らかで弾力のある肉鞠からの刺激もまた、快感となって雷十の全身を犯す。 「さあ、雷十、貴男の懸想している人は、誰?」  お瑶は一層強く両腿で最大に怒張して暴れる陰茎を捉え、扱き上げると同時に両方から挟み込んだ。  それが止めだった。 「ああっ、お瑶っ、お瑶、おようううっっっ――」  呻くような声は次第に絶叫へと変わり、雷十はその名を叫びながら、上体を仰け反らせて、お瑶の腿の間で先程よりも尚濃厚で大量の精を吐き出したのである。  びく、びく、と身体を大きく痙攣させて、雷十はお瑶の上へと倒れ込んだ。 「……お、お瑶、お、よ、う……」  意識の薄らぎかけた状態で、しかしその口からは愛を刷り込まれた女の名が洩れている。  お瑶はその魅惑の四肢で男を優しく受け止めながら、その後頭部を撫でていた。 (ふふふ、可愛いわ。恋の罠は、どんな媚術も敵わないくらい最強ね)  お瑶は艶然と微笑みながらも、その瞳は何処か夢見る乙女のように、自身の胸の上で脱力している雷十を眺めている。  外ではまだ風が唸り、木々のざわめきが、ここに二人がいることを隠してくれているかのようだ。だが――。  お瑶は雷十を優しく寝かせ、自分は四肢も露わに立ち上がる。その腹部や腿には白濁が付着し、股間や膝ねと流れていた。  お瑶はそのまま、戸の近くまで行くと、それを開け放った。 「ふふ、犬が一匹いたみたいね」  お堂の側に黒装束の男が一人仰向けに倒れているのだ。激しく身体を痙攣させている。 「わたしの淫気に中てられたみたいね。ふふ、天女の目交いは、選ばれた者しか許されないのよ。恥を知り、惨めに後悔するがいいわ」  そしてお瑶は、そのしなやかな素足で男の股間を踏み付けた。 「がはっ」  黒装束を突き破る程に勢いよく、白濁が噴き上がる。  暫しの痙攣の後、男は完全に動かなくなった。  それを見届けて、お瑶はまたお堂の中へと戻る。  もぞもぞと、雷十が動き始めていた。どうやら、意識を取り戻したようである。 「無理をすることはないわ。まだ夜は長いのよ。それまで存分に愛し合いましょう」  妖しい眼光と慈愛の笑みを浮かべ、お瑶は雷十を優しく包み込んだ。  その魅力で男を殺しもすれば、至福の快楽を与えて愛しもする、それがくノ一〈天女衆〉の、ひいては女の持つ二面性。  外では、精を枯らして干乾びたようになった男の死体が寒風に晒される側で、お堂の中では、男女が再び濃艶に交わり合おうとしている。 「お瑶、ああ、お瑶……」  雷十が口にするのは、朴訥な愛の言葉だ。  その名を唱えながら女を抱く度に、男は心も身体も、女への愛に溺れていく。  陰茎がまたも反り返り始めた。 「ふふ、雷十。来て、もっと、もっと、抱いて……」  甘い蜜のような言葉が男の耳から理性を溶かす。  淫靡な男女の情交に、お堂は淫らなけはいに満ちた。 (わたしの恋の罠の中で、わたし達はずっと愛し合うのよ、雷十……)  普段男を淫殺する時と同じように、あるいはそれ以上に、お瑶の女陰もまた、ふしだらな程に蜜を滴らせているのだった。 (終わり) 「どう、今日も景気はどうかしら?」 「ああ、モリーさん。最高ですよ」  その日以来、アキラは捜査と称して、カジノ?ドラゴンストリームに足繁く通うようになった。無論、捜査は行っている。しかし、これといって、裏社会と通じている証拠までは掴めないでいた。それもその筈、そうした証拠を入手しようとしても、妨害が入っていたのだから。しかも、アキラ自身も自覚していない所で……。  また、アキラがここに来るのは、仕事や、単にギャンブル熱だけが理由ではない。 「凄い凄い、今日もスロットは絶好調だねっ。じゃ、次はバカラとかやってみない?」  フロアガールであるモリーの勧めで、アキラはバカラのテーブルに移動する。  しかし、どうしたことか。スロットの時とは違って、中々当てることが出来ない。スロットで稼いだ山のようなチップが、見る見る消し飛んでゆく。 (くそ、もう一勝負――)  最後といってもいいなけなしのチップを賭けようとした時、彼はその腕を掴まれた。二の腕が何か柔らかい感触のものに当たる。 「ストーップ。これ以上賭けたら一文無しになっちゃうよ」 「だ、だけれど……」 「はいはい。子供みたいに聞き分けのないこと言わないの。ちょっと、こっちに来てよ」  アキラはモリーの後に付いてバカラのテーブルを離れた。  モリーは、アキラをある個室へと案内する。革張りの大きなソファが二つと、その間に硝子製のテーブルのある豪華な個室。  モリーがドアを閉めると、カジノフロアの喧騒は完全に聞こえなくなる。 「この部屋見覚えある?」 「……いいや」  モリーの質問に、アキラは否定する。 「そうでしょうね。でも、貴男はこの部屋に以前入っているのよ」 「そんなこと……一体何時……」 「貴男が初めてこのカジノに来た日」 「初めて来た日……」  アキラは思い出せなかった。ここには覆面捜査に来て、パートナーと別れて、スロットをやる振りをして周囲を観察して、それから、それから……。 「別に無理に思い出す必要はないわ。ただ、ちょっとギャンブルに熱中し過ぎているみたいだから、この辺で気晴らしでもと思って誘ったの。それに――」  モリーはアキラに身体を寄せる。胸元の大きく開いたフロアガールの制服から、豊満な乳の輪郭が作る谷間が覗き、アキラを悩殺する。 「フロアガールは、お客の運気を上げる力があるのよ」 「え、運気を……どうやって、そんな……」 「知りたい?」  囁くように、女は言う。  男は、女の胸元を無遠慮に見たまま、 「知り……たい……」  と呟くように言った。 「そう、じゃあ、教えてあげるわ――」  すると女は俄にパチンとフィンガースナップの音を響かせる。  キィィイーンとアキラの脳内に反響音のようなものが響き渡った。 「あ、ああ……」  男の表情がトロンとしたものに変わり、目が虚ろになった。同時に、口から喘ぐような声が上がる。 「思い出したようね、ペット君」  女は艶然と嗤った。 「そう、貴男はわたしに宝石でトランス状態にされて、そのまま胸の快楽を擦り付けられたのよ。つまり、性奴隷になってしまったという訳」 「は、はい。モリー様……」 「貴男のすべきことは、何?」 「はい、このカジノで沢山散財することです」 「そう。いいこと、貴男にはそれくらいしか出来ないの。出来ることだけをさせて上げているのよ。優しいでしょ」 「はい、ありがとうございます……」 「従順なペットには、言い付けを守ったご褒美を上げないとね……」  女は征服の上を脱ぎ去り、ブラジャーだけの姿になる。レースのふんだんに施されたブラだ。そしてソファの上にしどけなく仰向けに寝そべった。 「貴男は、全部脱ぎなさい」  女の命に従って、男は全ての衣服を脱ぎ去り、一糸まとわぬ姿となる。 「ふふっ、なあに、その股間のものは。もしかして期待していたのかしら」  男根は既に勃起し、陰茎は反り返る程怒張している。 「簡単に発情するなんて、まるで猿か犬ね。そうやってお給料が出る度に、ここに散財しに来るのよ。その後は、こうして前みたいにわたしの胸で遊んで上げるわ。ストレスもおカネも発散出来て、欲望も満たされる――天国みたいよねえ」  挑発的に女が悩ましげな口調で言う。 「さあ、早く来なさい。わたしの胸で、また挟んであげる。貴男の顔――」  トランス状態に入っているアキラは、フラフラとした足取りで、女の元に近付く。ソファに寝そべる女に、男が覆い被さろうとすると、女は焦らすようにゆっくりと、蠱惑的な視線で男の目を見ながら、ブラを取ってゆく……。 「そんなに見たかったの、わたしのバスト……」  男の目は血走っていた。そして女の豊満で美しい乳房が露わになるや、躊躇も恥じらいもなく、本能にのみ従うように、その中へと顔を沈めてゆく。 「あぁんっ……息が荒くてくすぐったぁい。ふふ、興奮しているのね。何せ貴男は胸に顔を挟まれただけで射精しちゃうくらいバストが好きなんだものねえ……。変態さんかなあ……」  くすくすと可愛らしく嘲笑しながらも、女は夢中になって顔面を豊乳に自ら擦り付ける男の後頭部を優しく愛撫する。 「やぁんっ、くすぐったぁい……」  男の脳内は、最早女の乳房で支配されていた。それは脳だけでなく、脳が司る肉体も同じである。脳内は多幸感に閉められ、身体には快感が駆け巡っている。そしてその快感は、下半身を刺激し、下腹部に欲情を煮え滾らせてゆくのだった。 「たった一回の快楽暗示と催眠でここまで堕ちちゃうなんて、貴男覆面捜査員になんて向いていないんじゃないの。……ああ、でもそのストレスが、トランスに入り易くしたのかも。女性経験も少なそうだし、毎日精神も性欲も抑圧されて、捌け口が見つからなかったのね。それで簡単にわたしくらいの力量でも堕とすことが出来たって訳ね。……なら、これはペット君にとっても悪い状況じゃないと言うことかしら。全ての抑圧から解き放たれて、自分の欲望に忠実でいられるんだから」  ストレスの強い者程、トランスは深くなる。もう宝石の補助は要らなかった。モリーはその肉体だけで、男を更に深いトランスへと導くことが可能だと悟ったのだ。 「さあ、アキラ?ゼーネ。貴男はわたしのペットであると同時に、大きな赤ちゃんよ。身体は大人だけれども、わたしの判断がないと何も出来ない赤ん坊……。でも、大好きなわたしの言うことは何でもしたくなる。せずにはいられなくなるの。それに、身体は大人なのだから、女が与える男としての悦びも知っているわ。そんな赤ちゃんペットになるのよ……」  そう囁くように言いながら、女は男の後頭部を抑え付け、自らの豊乳に男の顔を押し付ける。そして言い終えると、男の耳の側でまたパチンと指を鳴らした。  男の身体がびくりと大きく跳ねる。 「ねえ、アキラ。貴男にとってわたしは何?」 「……むぐうっ、飼い主であると同時にママです」 「そう、よく言えたわね、偉いわ。ご褒美にお乳を吸っていいわよ」  男は蕩け切った顔に喜色を浮かべ、女の片方の乳房を乳首ごと口に含む。 「ふふふ、ああんっ、舌が乳首に当たってくすぐったぁい……」  モリーの胸に魅了されたアキラは、その人格さえモリーに自在に作り変えられてしまう、人形に成り下がっていた。しかも、女の胸を貪欲に求めれば求める程、トランスは深くなり、男の内面はますますとろとろに蕩けて、廃人同然になってしまうだろう。その空っぽの男の内側に、女は自分の好きなように人格を構成し、どんな命令でも聞く新たなアキラ?ゼーネを作ることだ出来るのだ。 (こうやって有力な男を支配して、この組織は成りあがってきたのよ……)  そう、公安局が察知していた通り、このカジノ?ドラゴンストリームは確かに裏組織がバックに控えていた。しかしそれは、マフィア等月並みな裏組織ではない。そのマフィアすらも操りかねない、女だけの催眠洗脳集団なのだ。 (有力な男……そうだわ)  一心に胸を吸うアキラを眺めながら、モリーは目を光らせた。  パールピンクの唇に笑みが広がる。 (まだまだあるじゃない、このペット君の利用価値が……)  乳房を吸っていた男の顔をそこから離す。乳首と乳輪の周りが、男の唾液でべとべとだ。男は更に蕩け切った顔で、母であり飼い主である女を見ている。 「お前に仕事を与えます。必ず実行するのよ――」 「……はい」  男ははっきりと頷く。その後、女は男にに対して問題の仕事に関する質問を幾つかする。魅了トランス状態にある男が嘘を述べることは出来ない。よって、男の返答から、モリーは今し方思いついたアイディアが実行可能なものだと確信した。 「なら、いいわね。上手くやるように。分かったわね」 「……はい」  男は深く何度も頷く。トランス状態で強い快楽暗示を受けた男には、女の言い付けを聞く以外に能はないのだ。 「そう、いいわ。ちょっと位置を変えるわよ。もっと気持ちよく堕としあげるから」  女は立ち上がり、アキラにソファに座るように言う。アキラの男根からは、すでにカウパー液が漏れてどろどろだ。陰茎自体少しも刺激していないというのに、顔を胸で扱いただけで、この男はもう盛大に果ててしまうだろう。……寧ろ、顔の乳責め以外で絶頂することはないかも知れない……そう思って、女はふっと嗤う。 「ソファに凭れて座るのよ。そして身体全体を前の方へずらして、頭が背凭れに来るようにしなさい」  男は言われたように、身体を前へとずらし、頭が背凭れの位置にくるように座った。  男の前には、その母であり飼い主である女が立ち、挑発的に男を見下ろしている。無論、上半身は何も身に付けていない。  その豊乳が男の視線を釘づけにしている。そして、ゆっくりと、そのゆたかなバストが、男の目の前へと迫ってきたのだ。 「あ、ああ、……ああああっ」  豊乳の柔らかで弾力のある感触が男の顔に押し当てられる。圧倒的な柔肉で視界を塞がれ、ソファの背凭れに押し付けられて、アキラは乳圧をさらに感じることが出来た。  びくびくと男根が怒張し、震える。  女はソファの上でアキラを跨いでに膝立ちになり、調度バストの位置が、男の顔の高さにくるように調整すると、そのまま胸を男の顔に再び押し当て、ソファの背凭れの間に挟んで圧迫したのだ。 「さあ、わたしの胸の感触を、今まで以上にその肉体と精神に刻み付けるのよ。この感触が心地よくて、気持ち良くて、もう忘れられないわ。この感触の為なら何だってする――そうよね?」  乳房で男の顔を塞ぎ、圧迫し、揺らして扱き上げる。  男の意識は恍惚境に入り、その口角からは唾液が滴っているのが、濡れた感触で分かった。男の自我は胸によって既に溶解しており、そこには剥き出しの本能があるだけだ。その本能に対して、女はその凶悪な豊乳を使い、刺激を与えてゆく。  もう逃れることの出来ない、甘美な刺激を。 「貴男は今から、赤ちゃんペットとしてだけでなく、本当にわたしの手足として働いてもらうわ。いいわね。貴男はわたしの胸に溺れ、胸に依存し、胸に支配された性奴隷よ。さあ、その股間の赤黒いものの先から、白い液を吐き出しなさい。顔を胸で扱かれながらね」  乳圧を込め、男の顔をソファへと押し付けつつ、その乳肉を手で自在に震わせて、男の顔を扱き上げる。男の身体は快感で小刻みに痙攣し始め、下半身ががくがくと振動する。赤黒く怒張し、ミミズのような血管が浮き出た男の陰茎の先端から透明な液が更に溢れる。 「貴男はもう顔を乳で扱かれることでしかイけない、乳房依存者なのよ。顔という性感帯を開発されて、わたしの胸でしか絶頂出来ないわ。さあ、止めを刺して上げる。そしてわたしの胸に責められてイった時、本当の性奴隷が完成するのよ――」  女は上半身を激しく揺すって、圧倒的に男の顔を豊乳で扱き始めた。 「あ、ああああっ、ああああっ」  男の口元は、下乳の間にあって、塞がっていない。そこから快感の喘ぎとも、悲鳴ともつかない声が洩れる。女の胸に魅了され、堕ちてから、男が自分から意味のある言葉を発することはなかった。最早自由意思は奪われ、自我も崩壊し、残っているのは牡の本能だけであるかのようだ。  女は巧みにその本能を、魅惑の豊乳で刺激し、確実に自らの支配下へと堕としてゆく。  そして……。 「バスト?フェチの胸依存者さん、もう貴男はわたしの胸で顔を扱かれることでしかイけないわ。ペニスもパンパンよ。さあ、胸の快楽を受け入れて、完全に堕ちてしまいなさい――」  完全に堕ちてしまいなさい――。  堕ちてしまいなさい――。  堕ちて――。  その瞬間、何も触れられていない男の陰茎が遂に暴発した。 「あが、あががががががっっ――」  喚くような男の声と共に、白濁が噴き出る。それが男の腹や腿に掛かって、革張りのソファをも汚す。  どくどくと射精は留まることを知らない。射精をしている最中も、女は男の顔を激しく胸で扱き続けていた。 「ふふふ、あーあ、遂に出しちゃったわねえ。胸で顔だけを責められながらの絶頂は如何かしら……」 「くふぅーっ、くふぅーっ」 「悔しい? 屈辱? そんなことないわよね。貴男が表向きは公安局の捜査官でも、今は、その実態は、わたしのバストに屈服した堕落性奴隷ですもの……」  女が更に男の顔に双乳を押し当てる度、まるで陰茎を刺激しているかのように、白濁が噴き零れる。 「わたしの胸に扱かれ、潰され、壊れて、貴男は遂に射精までしてしまった。真性の性奴隷へと昇天してしまったのよ。隣のフロアでは、人々がおカネ目当ての欲望に熱狂している同じ建物の中で、一人の男が密かに性の欲望を開発され、刺激され、曝け出されて、堕落させられているとは夢にも思わないでしょうね……」  女は最後に、搾り取るように思い切り乳肉を男の顔に押し付ける。  びゅくびゅくと陰茎の先から白濁が飛び出して、射精はようやく落ち着いた。  それと同時に、男もまた、女の胸に顔を覆われた状態で糸の切れた人形のように脱力する。  しかし、実際には糸は縫い付けられてしまったのだ。女の胸による責めによって、それに依存し支配されるという強固な糸が……。 「堕ちたわね。完全に……」  女はパールピンクの唇を酷薄に歪める。  そして豊乳の拘束から、男を解放した。 「目が覚めたら、ここでのことは記憶に残っていない。でも、貴男の肉体と精神にはしっかりと刻まれている。次に来るのは金曜の晩よ。確かお給料日だったわね。あるだけの財産と、そして、さっき命令した例のものを必ず持って来なさい。いいわね、奴隷君……」  耳元でねっとりと囁くように言うと、アキラはソファの上に崩れ去るように倒れた。 「あーあ、彼の精液でベトベト……。速くシャワーを浴びて、カジノフロアの仕事に戻らなくちゃ」  そうぼやいて、モリーはシャワールームに繋がるドアに手を掛ける。 「今度の命令が上手くいったら、一緒にシャワー浴びるのもいいわね。奴隷君……」  振り返って、未だ全裸で失神しているアキラに向けてウィンクした。    ☆  カジノ?ドラゴンストリームのオーナーであるマリア?ルナージュは、自身のオフィスであるデータを閲覧していた。  それは今日、カジノの客が持参した外部メモリに保存されたデータである。  今日は金曜日、この街の官公庁は給料日で、お役人の客も多い。 「へえ、公安局が目を光らせている要マーク人物のリストとはね。まさかこんなものが、簡単に手に入るなんて、モリーが言ったように、あのアキラって奴隷は、まだ利用価値があるかもね。  そのデータは、アキラがモリーにトランス状態の際に命令されて局から秘密裏に持ち出した、公安がマークしている人物のリストだった。大物過ぎて野放しにされている犯罪者リストと言ってもよい。それも、男の分だけである。 「確かに、これだけの人数だもの。わたし達の役に立つ男もいるかも知れないわね。内容をよく吟味させて、適当な人物がいれば……ふふふ、仲間になってもらいましょうか。あの奴隷君みたいにね」  相手がどんな男だろうと関係ない。この女達の手に掛かれば、殆どの男は、利用勝手のよい性奴隷に作り変えられるのだ。  あの公安局の捜査員のアキラがそうであるように。  オフィスのドアがノックされる。  オーナーはデータのウィンドウを閉じてから、入室許可の声を掛ける。 「失礼します」 「あら、貴女も来ていたの。どう、当局の方は?」  現れたのは、何と、アキラと共にこのカジノに捜査に来た、公安局の覆面捜査官ユリアであった。 「毎日レポートしている通りですわ。幾つか大きな事件を抱えていますが、今の所オーナーに特別ご報告するようなことはありません」 「そう……じゃあなんで来たのかしら」 「それは……、同僚の様子を見に、ですかね」 「へえ……」  オーナーはある左手の方へと視線を遣る。  ユリアもそれに倣って、視線を同じ方へと向けた。  そこにもドアがあった。そしてそれは通路を経て、シャワールームへと繋がっている。 「貴女の同僚なら、今はご主人様とシャワールームでお楽しみ中よ」 「ふふふ、そうですか。幸せなアキラ君……」  二人の女は顔を見合わせると、くっ、と咽喉を鳴らして嗤った。    ☆  ほらほらぁ、もっともっと、胸に溺れなさい……。  身も心も、とろとろに蕩けて、ますます快楽へと堕ちてゆくのよ……。  そして一生、わたし達の為に尽くすの、幸せよねえ、性奴隷君……。  女の豊乳に包まれて、男は今夜もまた終わりない快楽と共に射精を繰り返す。 「ああ、俺は、奴隷。ご主人様の、性奴隷……」  シャワーの湯で火照った身体が絡み合い、男の顔を女の豊乳が滑り、扱き上げていった。  湯よりも熱い白濁が、二人の腿から足元へと流れてゆく。  ご主人様とその性奴隷――乳房によって繋がれた鎖を強固なものにすべく、今宵もまた、魅了の儀式は続けられる……。 (おわり) 勇者祭司  僕は勇者。勇者アルク16歳。  今、魔王城に最も近い町の、教会に来ている。  祈りを捧げて、死んだときにこの町から再開できるようにするためだ。  早く魔王を倒さなくてはいけないのに寄り道はしたくないんだけど、仕方ない。  教会の中は、変わった造りだった。  教壇も長椅子も無く、小さなテーブル席がいくつも置かれている。  信者とシスター達が、そこで談笑していた。  知らない人が内観だけを見れば、カフェか何かだと思うだろう。  そして教壇があるべき場所には、女神像が飾られてた。  羽根の生えた全裸の美女が、優しく両手を広げている。  ありふれたモチーフだけど、グラマーな体つきで細部まで作り込まれてて、妙にいやらしい。 「ようこそいらっしゃいました、勇者様」  女神像に見蕩れていた僕に、女性の司祭様が声をかける。 「祈りを捧げに参られたのですね?  それでは、こちらにお座りください」  そう言って司祭様は、僕に近くのテーブル席を勧めた。  僕が勧められるままに座ると、司祭様は向かいに座った。 「驚かれたでしょう?  我々の信仰する神は、他とは少し変わっておりますので」  そう言って司祭様は柔和に微笑む。  僕は頷いた。  この世界には、多数の神様がいて、その数だけの教義がある。  だから、教会に個性があるのも不思議な事じゃない。  でも、教壇も長椅子も無い教会というのは初めてだった。 「私達の神は、人々の自由意志を何よりも重要視しておられます。  ですから、司祭が人々に一方的に説教するのではなく、こうして対話する形を取っているのですよ」  なるほど、そういうことか。  でも正直、教義にはあまり興味は無い。  早く祈りを捧げて、魔王城に向かわなくては。 「勇者様、何を急いでらっしゃるのですか?」  興味のなさそうな様子の僕に、司祭様は問いかける。  当然、魔王を早く倒さなくてはならないからです。  僕は答える。 「なぜ、魔王を倒さなくてはならないのですか?」  魔王が悪で、僕が勇者だからです。 「なぜ、勇者が魔王を倒さなくてはならないのですか?」  勇者が魔王を倒すと、決められているからです。  当たり前の事を聞く司祭様に、僕は苛立ちながら答える。 「……勇者様。  人々は自身の意志に忠実に生きるべきなのです。  どんな人間であろうと、他人に自身の生き方を決められることなど、あってはなりません」  司祭様は僕の目をまっすぐ見据えて言う。  そんな事は無い。  勇者は魔王を倒さなくてはいけないんだ。  司祭様の真剣な表情に気圧されながらも、僕は答える。 「それを決めたのは、誰ですか?」  ……  そう問われて初めて、その答を知らないことに気付いた。  勇者であることが分かってからずっと、魔王を倒すことが使命なのだと言われてきた。  家族にも、周囲の人々にも、王にも。  でも、それが何故なのか、考えたことも無かった。 「勇者様。  勇者はどうやって決められたのか、知っていますか?」  ……知らない。  数年前、ある日突然、自分は勇者なのだと告げられた。  家族も大喜びしてて、村の人達もお祭り騒ぎで。  理由なんて聞ける雰囲気じゃなかったし、僕も誇らしさで一杯で聞く気も無かった。 「これをご覧下さい」  司祭様は、僕に一枚の紙を差し出す。  その紙には、多数の名前と、その横にはいくつかの数字が書かれていた。  よく見ると僕の名前もあって、大きく丸が付けられている。  ……なんだろう。何か嫌な予感がする。 「これは勇者様と同じ年に生まれた、魔力の高い子供達の名前です。  その横にあるのは、魔力を数値化した値と、国に納めている税の金額です」  動悸がする。  それ以上、聞きたくない。 「……そしてその横が、魔力値から税金を引いた数値です。  お分かりですね?」  理解したくないのに、僕の目は真実を探して勝手に動いてしまう。  ……僕の名前の横の数値が、最も大きかった。 「魔王が生まれて数週間後、この紙に書かれた者を勇者として祭り上げろとの王の命令が来ました。  ……耳を疑いましたよ」  心臓が飛び出るんじゃないかと思うくらいドクンドクンと脈打つ。  頭が割れるように痛い。耳鳴りがする。 「国は、魔力の高く貧乏な子供を、適当に勇者に仕立てあげたのですよ。  そして、彼に魔王に関する全ての責任を押しつけたのです」  そんな馬鹿な。  僕が辛い冒険の中、唯一心の支えにしていた、自身が勇者であるという事実。  それが、こんな適当な理由だったなんて。 「勇者様。いいえ、アルクくん。  自分の気持ちに正直になって?  あなたがしたい事は、本当に魔王退治なの?」  真っ青な顔の僕に、子供に語りかけるような優しい口調で司祭様が語りかける。  身体の震えが止まらない。何も考えられない。 「……もう少し、落ち着ける場所に行きましょう。  教会の奥に、私の部屋があるわ」  司祭様に支えられて、僕は震える身体を押さえながら教会横の扉をくぐる。  ……女神像の顔が、歪んだ笑みを浮かべていた。 ほら、飲んで。  落ち着くわよ。」  すっかり素の口調に戻った司祭様が、僕に紅茶を勧めた。  ソファに座らされた僕は、勧められるままに紅茶に口を付ける。  甘くて、ほっとするような味。  一口、二口と飲むうちに、少しづつ動悸が収まっていく。 「少しは落ち着いた?」  司祭様が僕の隣に座って、笑いかける。  ベ―ルを外していた。  長い綺麗な亜麻色の長髪が、サラサラと僕の肩にかかって、思わず見惚れる。 「触りたい?」  心を見透かされて、ギクリとした。  ごめんなさい、と謝る。 「ううん。いいよ、触って」  予想外の言葉に、驚く。 「言ったじゃない、私の教団は自由意志を重んじるって。  アルクくんは触りたい。私は触られても構わない。  交渉成立よ。触って」  そう言われて、僕は遠慮がちに髪に触れる。  美しい髪が、サラサラと指の隙間を流れ落ちていく。 「私の名前、ルースよ。  そう呼んで」  初めての髪の感触に夢中になる僕に、司祭様は言う。  ル、ルースさん。 「違う、呼び捨てで呼ぶの」  ……ルース。 「よろしい」  真っ赤になりながら呼ぶ僕を、ルースは満足そうに見る。 「アルクくんは、どう呼ばれたい?」  そう言われて、僕はドギマギする。  勇者以外の名前で呼ばれることなんて、今まで無かった。 「アルクくんは、自分の意志を言葉にすることから練習しないといけないの。  ねえ、どう呼ばれたい?  自分で考えてみて?」  今まで考えたことも無かったことで、なかなか思いつかない。 「言わなかったら、くん付けのままで呼ぶわよ?  それでいいの?  私にどう呼ばれたいか、それだけ考えればいいの」  ルースに呼ばれたい名前……  ……アルク。 「分かったわ、アルク」  ルースが僕を見つめて笑う。  なんだか恋人になったような錯覚がして、僕の方が赤くなる。 「それで、アルク。  さっきも言ったけど、あなたはずっと、嘘の役割に縛られ続けてきたの。  だから、自分の意志を言葉にする練習をする必要があるのよ。  私が、その練習を手伝ってあげる」  そう言って、ルースは修道衣を脱ぎ始める。  ビックリする僕をよそに、ルースはキャミソール1枚になってしまう。  修道衣越しでは想像が付かないほど大きい胸が、むっちりとした白い太ももと共に僕の視線を奪う。 「これからは、我慢すること禁止。  したいと思ったこと、全部言うこと。いい?」  ……はい。  ルースの色香に当てられて、僕は素直に頷く。 「さ、何をしたい?」  ルースは両手を広げて、僕を誘う。  おっぱいが、太ももが、僕の欲情を誘う。  でも、思ったことをそのまま言うなんてとても出来なくて、僕は口ごもる。  そんな僕の様子を見て、困ったようにルースが顔をしかめる。 「もう、仕方ないなあ。  恥ずかしがりゃのアルクのために、素直になれるお呪いをしてあげる」  ルースは突然僕に覆い被さって、僕の瞳を見つめてくる。  その瞳が淡くぼんやりと明滅する。目が離せない。  光を見ていると、羞恥心や虚栄心、警戒心がほどけていく。  ルースという魅力的な女性が目の前にいること、それ以外の事がどうでもよくなっていく。 「ふふ? いい顔になったわね?  さあ、どうしたい?」  触れそうなほど唇を近づけて、ルースが問う。  キスしたい。  僕は何の躊躇いもなくそう答える。 「いいよ」  吐息混じりの、愉しそうな声。唇が重ねられる。  柔らかな唇の重なる感触。  ルースが強引に舌を入れてくる。  蛇の交尾のように舌が絡み合わされ、  甘い甘い唾液を飲まされる。  長い長い長いキス。  その名残を惜しむように、唇が離される。  唾液が唇の間で糸を引く。 「……ふぅ。  ねえ、次はどうしたい?」  ルースはそう言うと、アソコが見えそうなほどキャミソールをたくし上げて、太ももを僕に見せつける。  柔らかそうな太ももが、僕を魅了する。  太ももに顔を埋めたい。  僕は間髪入れずに答える。 「偉いよ? アルク?  自分のしたい事、言えるようになってきたね?」  ルースは愉しそうに笑って、僕の方に向けて座り直す。  僕は身体をルースの下半身に倒れ込ませて、太ももに顔を埋める。  甘い香りと柔らかな感触に包まれて、恍惚となる。  身体中から力が抜けて、顔が情けなく緩む。  弛緩した口から自然と舌がはみ出て、太ももに当たる。 「もうー、舐めていいなんて言ってないでしょ?  舐めたいの?」  僕は太ももに埋めたままコクコクと頷く。 「いいよー?」  許しが出て、僕は思う存分太ももを舐める。  汗の味、舌に伝わる太ももの柔らかな感触。  全てが僕を魅了する。どんどんと、ルースの身体に依存していく。 「ねえ? もっと太ももを愉しみたくない?」  コクンコクン。  僕は即座に頷いた。 「じゃあー、太ももでパフパフしてあげる?」  股が開かれて、太もものギロチンにかけられる。  むわぁっと濃厚なフェロモンに包まれる。 「ほーら、パフパフ?」  柔らかな太ももが僕の頭を挟み込む。  パフンパフンと弾む太ももが僕の頭を締め付け緩める。  飼い主が犬の頬を手のひらで優しく包むような刺激が、僕の心を太ももの虜に変えていく…… ……どれだけの間、太ももに挟まれていたんだろう。  ふいに太ももが緩められて、僕の顔がソファに堕ちる。 「ふふ? ふにゃふにゃになっちゃったね?」  愉しそうなルースの声。  その声に顔を上げた僕の目にまず入ったのは……広げられた股の奥に隠された、秘所。  フェロモンを撒き散らすその妖しい女性自身に、僕は釘付けになる。 「どうしたのぉ?  したい事があるなら、ちゃんと声に出さないとダメだよ?」  僕の考えを見透かしたように、ルースが言う。  ……あそこを舐めたいです。  僕は、少しだけ躊躇してから、懇願するように言った。 「それはダメ」  断られて、僕は絶望する。  舌を伸ばせば触れられる場所にあるのに、お預けを食らうなんて。 「お互いの自由意志を尊重するんだから、相手が嫌がったら止めないといけないのよ。  でも、どうしても舐めたいなら、取引をしない?」  ……取引? 「アルクのしたい事をする代わりに、私がして欲しい事をアルクがするの。  そうすれば、お互いの意志が尊重されるでしょう?」  ……うん、うん。確かにそうだ。 「アルク、さっき、したい事を言うのに躊躇しちゃったでしょ?  効果が弱くなってるみたいだから、もう一度おまじないをかけさせて?  そうしたら、あそこを舐めさせてあげる?」  ……それくらいなら……  了承しようとする僕に、心の奥底が警鐘を鳴らす。 (何かおかしい。逃げろ)  ……あれ? そう言えば僕、なんでルースとエッチな事してるんだっけ……? 「ダメよ? アルク?  自分の意志を抑えつけちゃ?」  ルースが秘所に指を入れてかき回す。  ヌチャヌチャと響く音と共に、より一層濃厚になったフェロモンが周囲を満たす。 「こういうときは、深呼吸して落ち着きましょう?」  僕はルースの言葉に操られるように、息を大きく吸い込む。  濃厚なフェロモンが肺の奥の奥まで満たす。  ペニスがガチガチに勃起して、気持ちいい事以外考えられなくなる。  心の奥に生まれた疑念が、すーっと消えていく。 「さぁ、取引受ける? 受けない?」  うん、受ける。おまじないをかけて。  僕は躊躇なく、そう答えた。 「いい子ね?  さぁ、お姉さんの瞳を見て……?」  ルースは僕の顎を持ち上げて、自分の方に向かせる。  淡く光る瞳に見つめられて、より深く心がほどけていく。  ルースに、心の底から魅了されていく。 「はい、おまじないおしまい……?  舐めていいわよ?」  言うが早いか、僕はルースの股に顔を埋める。  愛液で濡れた下の口を、犬みたいに舐める。  甘い愛液で唇を塗らして、フェロモンに塗れて、僕はただの獣になる。 「ねぇ、舐めながら聞いてね……?  実は私、アルクに謝らなければいけないことがあるの……?」  ……謝らなければならないこと?  僕は秘所を舐めることに夢中で、あまり興味が沸かない。  でも、ルースが言う事なら、ちゃんと聞かないと。 「実はね、アルクに見せた紙は偽物なのよ……?」  ……え?  それは、とても重大なことだった気がする。  それなのに、頭に靄がかかって、フェロモンに犯されて、よく思い出せない。 「王が適当に勇者を決めたなんて嘘……?  アルクは世界中の神々に力を与えられた、唯一魔王を倒せる存在なのよ……?  アルクがいなくなれば、魔王に対抗できる人間はもうこの世にいない……?」  混乱する。  自分は何か、とてもまずいことをしている気がする。  でも今舐めてるあそこはとても美味しくて、離れたくなくて…… 「私達の教団は魔王と結託しているのよ?  村の人達を信者にして、魔王城に近づく人達を上手に排除して……  そうやって、安全に教団を大きくしていたの?」  とんでもない事を言っているような気がする。  でも、ルースはエッチで、とてもいい人で…… 「でも、そんなことどうでもいいわよね?  アルクは今、自分が一番したいことをしてるんだもの……?  アルク自身の意志が、一番大事なのよ……?」  そう、僕の意志が一番大事。  僕は自分の意志でルースのあそこを舐めていて、それはとっても気持ちいい。  舌を入れる。ルースの唇が吸い付く。気持ちいい。 「くす……?  さ、もう舐めるのはやめて……?  もっと気持ちいいことをしてあげるからね……?」  名残惜しいけど、ルースの言う通り僕は股から離れた。 「見てて……?」  ルースはキャミソールをずり下げて、プルンとおっぱいを露出する。  大人の顔より大きなおっぱいが、プルンプルンと弾む。  ルースは自分の片腕を谷間に挟んで、もう片方の腕を使っておっぱいで包む。  そのまま上下に弾ませて、自身の腕をおっぱいで愛撫する。 「ほら……? どうしたい……?  自分で考えて、言ってごらん……?」  おっぱいを弾ませながら、ルースは僕に笑いかける。  いやらしく、嘲るような笑いも、僕には女神の微笑みにしか見えない。  おっぱいでおちんちんを挟んでください。  僕はそう、答えた。 「いい子ね? アルク?  本当にいい子?」  ルースは僕を抱きしめる。  顔がマシュマロみたいに柔らかいおっぱいに埋められて、とっても気持ちいい。  ルースに褒められて、誇らしい気持ちで一杯だ。  そう、勇者に任命されたあの日より、ずっと…… 「さぁ、自分の意志を言えるいい子には、ご褒美をあげましょうね……?」  ルースは僕をソファに深く腰掛けさせて、僕の前で膝立ちする。 「さ、自分で脱ぎ脱ぎしましょうねー?  アルクのおちんちん、私に見せて?」  言われて、僕は恥じらいも感じずにズボンを脱ぐ。  もうガチガチに勃起しているおちんちんを、ルースの前に露出する。 「ふふふ? もう準備万端ね?」  そう言って、ルースはゆっくりと僕のおちんちんにおっぱいを近づけていく。  少しづつ少しづつ近づいてくるおっぱいを、僕は期待の眼差しで見つめる。  ふわぁっっっっ??  マシュマロのように柔らかいおっぱいに包まれて、おちんちんが溶けてしまったみたいだ。  表情筋の緩みきった顔から、涎がとめどなく流れる。 「これからもっと気持ちいいわよ……?」  ルースは両手をおっぱいに添えて、ゆっくりとおっぱいを揺らし始める。  激しくはない。なのに、身体に一切の力が入らない。全身がおちんちんになっておっぱいに包まれているみたいだ。  自在に形を変えるおっぱいが自分の気持ちよさを僕に教え込ませるみたいに、ゆっくりと蹂躙する。  おっぱいの大海の中でゆったりとした波に揉まれるような、抗いようのない快感が僕を襲う。 「もう、いい頃合いね……?」  ルースは突然、上下に激しくおっぱいを揺らし始めた。  プルンプルンと揺れるマシュマロおっぱいに、おちんちんが激しく蹂躙される。  激しい波に揉まれて、快楽が限界を容易く超える。  我慢汁が溢れ出して、おっぱいをヌルヌルに汚す。  出る! 出る…………!! 「あら、射精は許可してないわよ?」  突然、おちんちんがおっぱいから解放される。  行き場を失った精液が、所在なくペニスに留まる。  射精できない焦燥感に、僕は混乱する。 「私、アルクに射精してほしくないのよ。  アルクは射精したいの?」  必死で首を縦に振る。 「相手と自分の意志が違う場合、どうすればいいのか教えたわよね?」  取……引…… 「そう、取引をしましょう。  射精する代わりに、アルクは私の教団の信者になって、私に忠誠を誓うの。  そして世界中の人々に、自由意志の素晴らしさを伝えましょう。  素敵でしょ?」  ……信者……忠誠……  これに了承してしまえば、もう二度と元の道には戻れない。  それだけは、消えかけた理性でも理解できた。  射精したい気持ちと危機感がせめぎ合い、答えを出す事ができない。 「もう、言ったじゃない。  自分の意志を抑えちゃダメだって?」  不意に、ルースの瞳が淡く光る。  咄嗟のことに反応できず、まともに瞳を見てしまう。  心が溶けていく。  射精したい気持ちが際限なく溢れて、わずかな理性が洗い流されていく。 「さぁ、射精して私の奴隷になるのと、  射精できずに惨めに帰るの、どっちがいい?」  射精させてくださいぃぃっっ!!!  奴隷にしてくださいぃぃっっ!!!  僕は、声の限り叫んでいた。 「いい子ねぇ? 本当にいい子?」  優しく笑って、ルース様は僕の頭を撫でてくれた。 「ほらぁ、隷属の証を刻んであげるね?」  ルース様は僕の額に指を当てる。  赤黒い光が指の先端に集中していき、徐々に額の中に染みこんでいく。  脳に楔が打たれたような衝撃の後、世界は一変した。  ルース様が、今までより何倍も美しく見える。  いや、これが本来の美しさだったのだろう。僕は目が曇っていたんだ。  世界の中でルース様だけが光り輝き、それ以外のものは取るに足らないものに思える。 「それじゃぁ、ご褒美をあげる。  気持ちよく射精しなさい?」  ルース様は僕のおちんちんを大きなおっぱいで挟んで、激しく揺らしてくれた。  女神様に身体ごと愛撫されているような極上の快楽に、悦びの喘ぎをあげる。  身体中から血液が集まって、精液に変換されていく。  おちんちんが歓喜の悦びを上げて、屈服の証を吐き出す。  どぴゅっっ??ぴゅるるっっっ???どぶどぶっっっっ??ぴゅっっ??  ルース様に精を捧げることの出来る悦びに打ち震えながら、僕は射精した。  勇者が、魔王城の付近で姿を消した。  その知らせは、瞬く間に王城に伝わった。  魔王に捕らえられたのか、それとも何者かが拉致したのか。  すぐさま、捜索隊が付近に派遣された。   ● 「おい。あれ、勇者様じゃないか?」 「そんな馬鹿な。ここはもう、他の隊が調べたはずだろう?」  補給のため、魔王城の最寄り町に立ち寄った捜索隊員達。  彼らが教会の中で見たものは、司祭と話をしている勇者らしき人影だった。 「失礼、あなたは……」  声をかけた隊員は、言葉を失う。  その人影は、勇者その人だったのだ。  すぐさま、彼らは自身の隊を教会に呼び寄せた。 「なぜ、こちらにいらっしゃったのですか?  捜索の兵が来ているはずなのですが、お会いになりませんでしたか?」  隊長が勇者に問うた。  勇者が言うには、魔王城で一度敗れ、力を蓄えるために付近で鍛錬を重ねていたらしい。  つまり、姿を消したというのはデマだったのだ。 「大変失礼致しました。  では、我々は報告に戻ります。  勇者様、ご武運をお祈りしております」 「お待ちください、皆様」  敬礼して教会を出ようとする捜索隊を、美しい司祭が呼び止める。 「長旅でお疲れでしょう。  お茶をお出ししますから、暫しここで休んでいかれてはどうでしょうか」 「いえ、お申し出はありがたいのですが、我々は急いで報告をせねばなりませんので……」 「遠慮なさらないでください?」  そう言うと、司祭は目を淡く光らせる。 「……そうですな。ではお言葉に甘えて、少しだけ……」  堅物隊長の気まぐれに隊員達は沸き、隊長が虚ろな目をしていることに気付くことはなかった。 「本日はシスター達もおります。  皆で、心ばかりの歓待をさせて頂きますよ。  義務と責任に疲れた皆様に、一時の休息を……ね」  10人ほどの美しいシスター達が、隊員達に微笑みかける。  いつの間にか入り口に移動していた勇者が、教会の入り口を閉め、閂を下ろす。  女神像の全身から、誰も気付かぬほど微かな淡い光が漏れ出していた。  捜索団の面々が教団の信徒に加わるのは、それからほんの半刻後のことだった。 炼金 「着いたー!これが王都かぁ……!」  船着場から徒歩で数時間。この大陸で一番大きな街、王都アスラ?アム?バートの東門に着いたライザことライザリン?シュタウトは、街道の真ん中で両腕をあげて大きく伸びをした。ライザの故郷、クーケン島と周辺地域だけが世界だった彼女にとって、数十メートルはあろう外壁も、様々な色の石材で綺麗に塗装された広い街道も、それを往来する人や馬車の数も、全てが未知の新鮮さに溢れていて、ライザは童心に帰ったようにキラキラした目で周囲を見回していた。 「おいそこの女の子?!馬車が通るから突っ立っないでどいてくれ?!」 「えっ?…わぁっ、ごめんなさい!!」  当然、ライザの棒立ちは通行の邪魔になっていて、——近付いてくる馬車の御者から注意されて我に帰ったライザは、顔を赤らめて道端に飛び退く。 (うぅ…、絶対田舎者丸出しだって思われたよぉ……。なんだか周りの人からもクスクス笑われてる気がするし…。よし、ここから離れよう!いざ王都!)  ライザは小さく深呼吸をしてから、街中へ歩き始めた。しばらく歩いていくうちに、彼女の観察対象は、建物や風景から王都に住む人々に変わっていく。王都の住民は皆、スラリと細身で男女ともに背が高い人ばかりで、服装は夏らしい薄着ながらも、体型にフィットするようなスタイリッシュな仕立てだ。老若男女誰もが、仕事や私生活へと忙しなく動き回っていて、ライザは見ているだけで目が回りそうだった。    街を一回りした後、中央区と呼ばれる区画の噴水の近くで休憩しながら、ライザは独言る。 (それにしても———うぅ…やっぱり視線感じるなぁ……、あたしの格好、浮いてるかなあ?ただの自意識過剰かな……?)  ライザは顔を下に向け、自分の服を観察する。島ではタンクトップに上着を羽織るだけ、というラフな服装だったが、今回の王都行きに向けて新調したノースリーブのブラウスとアウター、お気に入りのホットパンツにタイツとサンダルを身につけていた。——片足タイツは王都でも少し奇抜だったが、街ゆく人たちが注目するほど面白くはないはずだ。 (服はそんなに変じゃないよね。———うん、きっとあたしがキョロキョロしてたから怪しまれてただけだよね!きっとそうだよ!  よし、ボオスとタオを探そう!皆でいれば、あたしもそんなに変に見られないはず!)    ブツブツと呟きながら小さく右手を上げて、ライザは再び街へと走り出した。  ——走っている間、すれ違った全ての男の目線を独占していることに、気付かないまま。  その後、タオとボオスの再開?パトリツィアとの出会いを経て、中央区にアトリエを借りられることとなり、王都で錬金術士としての活動を開始して数日が経った。———  ライザは、カフェで依頼の報告を済ませた後、職人区で買い物を済ませてアトリエへと歩いていた。錬金術士としてのルーチンワーク、この数日で既に何度も往復した慣れた道のりで、キョロキョロと見回すこともなく、王都の住民と同じ立ち振舞いができているはずなのに—— (あぅ……今日もすっごい見られてる……)  ライザが感じる視線は、王都に着いた当日から減るどころか、むしろ増えているようだった。歩いているときや、階段を駆け上がるとき、特に強く視線を感じる。  毎日、アトリエの外に出る度に視線に晒されるうち、ライザは故郷のクーケン島でも時々、似たような視線を感じていたことを思い出していた。———島にやってきた行商人に会いに行ったとき、私生活であまり関わりのない島民の依頼をこなしたとき———今と同じような視線を向けられていた気がする。 (あのときも今も、見てくるのは男の人ばっかり。それで多分、あたしの……お、おっぱいとか……おしりをすっごい見てるよね……ってことは———) 「——あたし、知らない人に、えっちな目で見られてる………。」  ちょうどアトリエに帰ってきたタイミングで思考が終わり、声に出してみる。  ライザにとっては初めて経験する、不特定多数に性的な目で見られている状況——にも関わらず、不思議なほどに冷静だった。ベッドに寝転がり、ブツブツと呟きながら思考を続ける。 「王都の女の人、みんな綺麗なのに。なんであたしばっかり見てくるんだろ?——っていうか、デート中の男の人ですらこっち見てたし———あたしの方が、……えっちに見えるから?———確かに今日まで街中で見た中だと、あたしのおっぱいが一番………///  ———うぅぅっ、恥ずかしいっ!なに言ってんだろ!例えおっぱいが……お、大きかったとしても!あたしそんなに細くないし、脚とかむしろ太いくらいだし……!  ———どっちにしても、一番不思議なのがこの気持ちだよね。」 「あたし……ああやってえっちな目で見られるの——嫌じゃない……。むしろ……。」  ベッドの上で、ライザは右手でホットパンツの上から秘所を撫でる。その瞬間、ライザ自身も驚くほどの快感が彼女の身体を走り抜ける。 「っっ!やぁぁっ…!?これ全然っ…いつもと違って……!」  身体を丸くしながら、左手で自身の胸を揉みしだく。当然、ライザのバストサイズで片手では収まるはずもなく、トップバストの周辺を弄る形になる。 「んんっ?……このおっぱいで歩くだけで…みんなが興奮しちゃうのっ…!皆があたしのこと見ちゃうのっ…!?あたし、王都の女の子よりすごいのぉっ……???  ————はぁっ、はぁっ……あたし、知りたい、試してみたい…?あたしのことを見てくる男の人が、どんなこと考えてるのか…?」  ——錬金術士としての知的好奇心か、男友達に囲まれて育った故の警戒心の欠如か、錬金術が行き詰まっていることに起因した都会人へのコンプレックスか———心の中で様々な思考が絡みあった結果、ライザはいつもより性欲が強く、自制心が弱くなっていた。目尻がトロンと下がり、いつもより紅潮した頬で、リップを塗り直して艶やかになった唇で———ちょうど夜の帳が下りた王都へ向けて、ライザはふらふらと歩きだした。  数分後、ライザは見知らぬ男——20代半ばの、精悍で経験豊富そうな男性——を引き連れて、あっという間にアトリエに戻ってきた。 「ここがライザちゃんの部屋かあ、おしゃれで可愛いね。ライザちゃんにぴったりだ。  いやー、僕に近付いてきて「あたしのこと、ジーッと見てたよね?」なんて話しかけてきた時は、人生終わったかと思ったけど……ライザちゃんはエロいおのぼりさんなんだね。」 「……分かんないの。男の人に見られるのは嫌じゃないんだけど……それが”したい”って気持ちと一緒なのか。あたし、初めてだし…。」 「……なるほどね。ライザちゃんを見てる男がどんなこと考えてるか、僕がたっぷり教えてあげるよ。」  ベッドサイドに座った途端に、男はライザの唇を奪う。ライザの整った顔立ちが真っ赤に染まり、厚い唇から唾液が絡み合う音が響きだす。ライザはされるがまま、ベッドに押し倒され、舌を突き出して慣れない動きで男のキスに応えている。  ——1分ほどキスを続けた後、男は唇を離すとライザの足元に膝立ちになり、ライザの両脚を持ち上げる。 (これって……セイジョウイの体勢……だよね。あたし、まだ濡れてないし、服も脱いでないんだけど…この人、無理矢理するつもりなの!?)  不審に思ったライザは、右手を隠し持っていたコアクリスタル——万一の撃退用電気爆弾をセットした——に伸ばしながら、男に話しかける。 「この体勢って、エッチの体勢だよね?えっと…前戯?とかしないとダメだよね?」  男は一瞬キョトンとして、笑いながら否定する。 「もちろん、前戯のつもりだよ。だって、持ち上げたライザちゃんの脚、閉じたままにしてるじゃないか。……僕が今欲しいのはライザちゃんのおまんこじゃなくて———太もも——っ!」  にゅぷぅぅぅ、とばかりに腿肉を変形させながら、男のペニスがライザの太ももの間に突き立てられる。平均以上のサイズを誇る男のペニスも、むっちりと成長したライザの太ももに飲み込まれ、亀頭が僅かに覗く程度だった。  思わぬ部位へペニスを押し当てられて、ライザは驚愕を隠せない。 「えっ、えぇぇぇっ!?ふ、太もも?そんなとこで、おちんちんを……」 「…そんなとこで、じゃないよっ!!…っ……きもちいいっ?」 「だ、だって…みんなあたしのおっぱい見てるとばっかり……」 「ぅぅっ?……そりゃあ、そのおっぱいと谷間にも釘付けだよ!でも、少なくとも僕はライザちゃんの太ももが、見たこと無いくらいエロかったから……ライザちゃんから目線話せなかったんだよっ…あぁぁっ?」  男はライザの脚を固定したまま、腰を前後させてペニスを太ももに出し入れし始める。ライザが普通に立っているだけでも、脚の付け根付近は隙間が見えなくなるほど、見事な肉付きを誇る太もも。それが今はぴったりと閉じられており、その柔肉の密度は、男のペニスの挿入に合わせて即座に変形し、裏筋に腿肉がピッタリと這って刺激するほどであった。  男は想像以上の太もものスペックにビクビクと震え、喘ぎながら、ライザのどこを見ていたか告白し続ける。 「太ももとおっぱいの他にもっ…!———タイツ脚と生脚両方見せるとかエロすぎ!———そのパツパツのホットパンツで強調されたお尻、正直裸よりエロいよ…!——ブラウスから脇腹とくびれチラ見せしてるのもセクシーすぎるし———おっぱいもっ、ブラウスの密着と縦縞模様でめっちゃ強調してるし———脇丸見えなのも———もちろん顔も可愛い!  とにかくっ!ライザちゃんは全身エロくて男がどんな性癖でも見ちゃうんだよ……!  この太ももコキも、想像以上に気持ちよくて……!もうイきそうなんだよぉっ?」  ライザは捲し立てるように身体の魅力を褒められ続け、呆けたような照れたような表情でキョトンとしていた。 「あたしの身体、ほとんど全部じゃん……全部やらしいの?だから男の人は見ちゃうの…?」 「そうだよっ…!ライザちゃんに気持ち良くしてほしくて、目が離せなくなっちゃうんだよ…!」  半刻前は街中のバーで1人グラスを傾ける、頼りがいのある年上男性だった男が、今はライザの太ももに夢中になって、息も絶え絶えになりながらライザの身体を褒め称えている。その豹変を目の当たりにして——ライザの中で、ピタリと思考がはまった。 (そっか。——男の人はあたしの身体で気持ち良くなりたい…。あたしは———) (——あたしは、男の人が、あたしの身体に夢中になってるのが快感だったんだ…。だから、ジロジロ見られても嫌じゃなかったんだ…!)  ライザの目が、妖しさをまとって細められる。そして——男に持ち上げられていた両脚を、交互に上下させ始める。 「ひっあっ!?ライザちゃ…あぁぁっ?」 「教えてくれてありがとう?初めてだから上手くできないけど…、あたしの太ももでいっぱい、気持ち良くなってね??」  ライザの太ももに自分から擦り付けているだけで、射精直前まで追い詰められていた男が、太ももの魅力を理解し、積極的に刺激し始めたライザの前に耐えられるわけがなかった。  たとえテクニックが未熟だとしても、男が一瞬で我慢できなくなるのは必然だった。 「ら、いざちゃん…!イきたい……!出したい!?」 「うん?あたしに男の人の射精、教えて?服にかかってもいいから?いっぱい?」  ビュルッ!!ビュッ!ビュッ!  最後の力を振り絞り、太ももの奥に目一杯押し込まれたペニスから、何度も勢いよく精液が放たれる。——一度目はライザの鎖骨から胸の谷間にかけて。二度目は下乳の一帯に。三度目はホットパンツに。  全身が魅力的なライザのこの部位で出したい、と主張するような射精だった。——まだ太ももを味わい足りない、と言わんばかりに、四度目の精液を太ももに垂れ流して、男は絶頂を終えた。  ———自分の強みと溢れんばかりの欲求を理解したライザは、持ち前の行動力で次々と経験を重ねていった。  ——男をアトリエに誘いこみ、その極上の肢体で精を搾り取り、次々と男を狂わすテクニックを身につける——そのループを繰り返し——1ヶ月後には、王都男性の間で秘密裏に噂される存在となっていた。   錬金術師ライザリン?シュタウトに街中で声をかけられたなら、人生最大の幸福を得られる、と。 33 「さーて、今日はどんな依頼があるかなあ?」  とある日の朝、ライザは開店直後のカフェに赴き、掲示板に所狭しと貼られた依頼の内容をスラスラと流し読みで確認していく。一流の錬金術士は、一流の冒険者でもあり一流の採取専門家でもある。ほとんどが容易に達成可能な討伐?物資調達である掲示板の依頼は、この王都における大切な収入源であり、毎朝の確認は日課となっていた。  手頃な依頼や、手持ちの素材で調合できるアイテムの依頼が書かれた貼り紙を数枚引っぺがす最中———掲示板の端に少年が近付き、新たな依頼を貼り出した。 (へえ、依頼ってこんな風にペタペタ貼っていくんだ。——それなら、今あの依頼達成できるなら、あの子に直接渡せるかな?)  ライザの故郷——クーケン島では、掲示板のような依頼を取りまとめる仕組みは存在せず、村人から直接悩みを聞き、解決するのが常識だった。この王都では、掲示板によって効率的に様々な依頼を受けられる一方で、人の悩みを解決して感謝される、錬金術士としての醍醐味を感じられる機会がクーケン島より少なかった。  依頼の内容を確認すると、——“古代樹の枝”10個の調達。ちょうどアトリエのコンテナにある素材ですぐに達成できる。 (ボオスとかゼフィーヌさんが、みんなの評判を伝えてはくれるんだけどねぇ。やっぱり依頼は直接渡してこそ!)  ライザは久々の依頼人との直接のやりとりを楽しみに、カフェを出ようとする少年に駆け寄り、声をかける。 「こんにちは!いま君が貼った依頼、すぐに達成できるんだけど、私に任せて貰えるかな!」 「え?本当ですか?……って……あなたは、ラ、ライザさんっ!??」  少年は振り返ってライザの姿を見た瞬間、赤面して声が裏返るほど動揺する。ライザの目線にちょうど頭の天辺が届くくらいの低身長で、大人の男になりかけの童顔、寝癖が残った金髪……いかにも研究の虫、天才少年という見た目の少年。そんな子にまで錬金術士として認識されていて、ライザは少し誇らしくなる。 「え、あたしのこと知ってるんだ?依頼内容からすると、あなたも学生?」 「はい。……ゆ、有名人ですよ、学生の間では。その……依頼をすぐに、たくさんこなしてくれるし、……か、かわいいし………」  少年はどんどん小声になってボソボソと喋る。  男子学生の間では、ライザは女神のような存在として讃えられていた。レア素材収集も強敵討伐もあっさりとこなす依頼達成のプロ。学生と同年代の容姿端麗な女性。  ——何より、その魅惑のボディライン。王都ではお目にかかれない、肉感的なムチムチボディとそれを必要以上に強調するファッションに、経験の少ない男子学生のほとんどが虜となっていた。  15歳になったばかり、思春期真っ只中のこの少年も同様だ。ライザを街中で一目見たときから、どうしようもなく自身の情欲を煽られ、性欲は日に日に増す一方であった。  更に、それを増長させたのは、学友たちの噂話だ。20歳前後で、知識だけは1人前の同級生たちが——毎日、取り憑かれたようにライザの身体で猥談に盛り上がっていた。レイプ?パイズリ?足コキ?顔面騎乗………。妄想のような猥談も、15歳の少年にとっては知らない単語だらけの異境である。聞いたことの無い単語が、ライザの名前を出しながら語られる。———いつしか、少年の中で聞いたことのある淫語全てが、ライザの身体と結びついてしまっていた。  そんな卑猥な妄想の対象が目の前で、少年に向かって声をかけている。  少年は未熟な性欲を抑制できるはずもなく——ライザの顔を見上げることをやめて、ライザの肢体を穴があくほど凝視してしまう。大胆に開けられたブラウスの胸元。身体ひとつ分も少年の側に飛び出ている、ブラウスの縦ラインで強調されたバスト。ホットパンツを飲みこまんとする太もも。黒タイツとのコントラストで際立つ白い生脚。  ライザから目を離せない。ライザの身体のどこを見ても興奮してしまう。  目線を隠すことなど思い浮かんでいないような、若く溢れんばかりの熱目線をライザは感じ取り——— (やだ………そんなに見られたら……スイッチ入っちゃうよぉ?元々若い子にえっちなことしてみたいって思ってたけど……?こんなムラムラしてるの丸出しな表情…あたしの身体中を何周もジロジロ見ちゃって………かわいすぎるよぉ?)  先ほどカフェに来るときも愉しんでいた、街中で浴びせられる男達からの目線。今受けているのは、街中で感じるよりずっと至近距離で、ずっと若く熱い目線だ。  すでにライザの顔から、依頼を探していた時の錬金術士としての表情は消えていた。男を弄ぶ魔性を凝縮した微笑み。ライザの性欲は目覚め、どのようにこの少年を誘惑して、自分のものにするか考え始めていた。  ——とはいえ、カフェの入口でお互いに惚けた表情を晒しているわけにもいかない。ライザは目を細めて笑うと、少年を自分の巣穴へと誘い出す。 「そうだ!せっかく依頼の人に渡せるんだし、ちょっと手伝ってくれないかな?  古代樹の枝10本だと、あたし1人じゃ流石に持ちきれなくて……。あたしのアトリエに一緒に来て、納品させてくれないかな?ね、いいよね??」  谷間を寄せながら腰を落として目線を合わせ、手をひいてカフェの外に連れ出す。ライザの一挙手一投足に、少年の身体はビクビクと敏感に反応する。ライザは初見の調合を試すときのような新鮮さを感じながら、少年と並んで歩きだした。  カフェのある学園区からアトリエへと帰る道中、ライザはわざと人通りの多い大階段を使わず、学園区の横側にある路地を抜けて歩く。少年と雑談しながら、常に少年の方に向いて後ろ歩きし、大袈裟なくらいオーバーリアクションをとる。———全て、ライザの身体を少年に舐め回させ、少年の性癖を確定させるためだ。  ライザの豊満すぎる、全身性器という表現が相応しいほどの身体は、容易に男を絶頂させ、1,2回で搾り尽くされてしまう男性がほとんどだ。事実、先日職人区で誘惑した男も、尻コキと太ももコキの2回で限界を迎えている。ライザが脚を強調すれば脚を、胸を強調すれば胸を見てしまうこの少年が、ライザの全身を味わうほどの耐久を持っているわけは無く———少年の性癖を弄ぶのが目的のライザは、白昼堂々の誘惑で少年の性癖を見抜き、そこを重点的に責めようと考えていた。 「そうなんだ!……12歳でこの学園に入るなんて、本当に賢いんだね!……もしかして、錬金術も教えたらできちゃうんじゃないかな?」 (ほーら、前屈みの谷間が好きかな??……並んで歩いてる時の横おっぱいがいい??……ちょっと早歩きして——どうかな、あたしのお尻揺れてるよぉ??)  他愛のない話の中で、少年はライザに視線を操られ続けて、身体中の魅力を教えこまれて———学園区を抜けて中央区に入ったあたりで、徐々に少年のライザの身体に対する反応が変化していく。ある部位を強調された時だけ、吐息が、目線が、手の震えが少しだけ強くなる。ライザはその、気配と言ってもいい僅かな変化を敏感に察知する。 (へえ……?君はあたしの……おっぱいがいいんだ?大きいおっぱいが大好きな……おっぱいフェチなんだね……?それなら——) 「あたしのおっぱい、もっと大好きにしてあげる?」  ライザは興奮を抑えきれず、少年に聞こえない程度の小声を発する。そして、こっそり右足のポーチから小さな杖を取り出し、一振り。  ライザは、一流の錬金術士である。すなわち、水火雷風の属性を自在に操るのも容易だ。ライザ特製のアイテムによって、———瞬く間に王都上空に暗雲が立ち込め———突然、激しい雨が降り出した。 「わぁっ!すっごい雨!ちょっと何これ!」  ライザはわざとらしく叫び、少年の前に立ってから、振り向く。  今日のライザのファッションは、”海風のブラウス”。ライザがいつも着用している服装のアウターを脱いだ、ブラウスとホットパンツのみの、大胆すぎる薄着だ。  大雨によってぐっしょりと濡れるライザの白ブラウス。———バストの形に沿ってピタリと張り付くブラウス生地の下に、赤の下着が完全に透けていた。 「———っ!!?ら、らい………ふ、ふく……!?」  ライザが振り向いた瞬間、少年は大雨を気にする余裕もなく、ライザの胸に——濡れ透け白ブラウスに目線が釘付けになる。ぷっくりと丸い、少年の身体では再現しようもない膨らみが、濡れ透けた赤い下着のラインで裸と同等以上に強調される。白ブラウスの全体が透けて、谷間の周辺やノースリーブの脇の近くに、チラチラとライザの肌色が見える。勢いよく落ちる雨粒が、次々とおっぱいの上に落ちて、おっぱいの形に沿って流れていったり、谷間の生肌で跳ねて少年の目の前に飛んできたり…… 「ほらっ!早く行こ!あたしのアトリエ!」  雨の中、ライザに手を引かれて中央区の街中を早足で歩く間も、少年は目の前を歩くライザの横乳から目を離せない。何度も石畳につまづきながら、アトリエの裏口へとたどり着く。 「ふぅ、すごい雨だったね。ずぶ濡れだよー。コンテナから素材持ってくるから、アトリエの中で待っててくれるかな?」  少年がライザに連れられてアトリエに入った途端———少年の後ろで、ガチャリとドアのカギが閉まった。続けて、窓のカーテンがひとりでに動いて外の光を遮る。ライザの錬金道具による遠隔操作だった。  部屋の照明は付いておらず、備え付けられた練金釜の淡い光によって、部屋全体がほの暗く照らされている。困惑する少年にライザは一歩近づき、これまでと全く違う態度———錬金術士として活動するときの明朗快活な声色でなく、男性を興奮させるための、少し語尾の上がった高い声色———で少年に話しかける。 「ね、男子学生の中であたしが有名なのって、依頼のことだけかな?別の噂————あたしに誘われたら、エッチなことしてもらえるって噂も、広まってるんじゃない??  君もあたしに声かけられて……期待しながらアトリエまで付いてきたんだよね??」 「い、いや……僕は……そんなこと、思って…………ない……」  若さゆえか羞恥ゆえか、密室となったアトリエに2人きりとなった状況においても、少年は自らの欲求を曝け出さない。しかし、今のライザにとって、そんな少年の自制心を砕くのは、青ぷにを倒すよりも簡単だった。 「嘘はだめだよー。さっきアトリエの鍵を閉めた時から、背筋ピンって伸ばしてすごい緊張してるし…。何より——あたしがカフェで声かけた時から、ここまで歩いてくる間も……ここ、あたしのおっぱい……ずっと見てたの知ってるよ??」  言い終わると同時、ライザはブラウスの胸元で結ばれたエメラルドグリーンのリボンをほどく。———リボンの真下、トップバストにあるボタンは留められておらず、支えを失ったブラウスがはらり、とバストに押し退けられて開く。下着のフロントホックが覗くほどに露出が激しくなり、元々、十分すぎるほどに露出されていたライザの谷間のI字が2倍近く長くなる。  少年の短い人生では見たことのないほどの深い谷間。少年の目は釘付けとなり、動くことも、瞬きさえもできなくなる。 「まだまだ、だよ?」  間髪入れず、ライザは右手を背中に回し、首の後ろで結ばれた赤い下着の結び目を掴む。——ライザの下着は、およそブラジャーと呼べるものではない。バストのサイドから背中へ向かうバックストラップは存在せず、両肩にまわるストラップも無い。辛うじてブラジャーと呼べるフロントホック付きのカップで、首を支点としてハンモックのように両胸を吊り下げるだけ。ライザの巨乳を支えるにはあまりに拙い布きれだ。  そんな下着の唯一の支点である首裏の結び目が、ライザ自身の手でゆっくりと上下し始めて——    だぷんっ?だぷんっ?だぷんっ?  豊満な両乳が、布地とともに全て持ち上げられ……重力に任せて下に落ち、ブラウスに叩きつけられる。胸元のリボンが解かれ、大きく開かれたブラウスから谷間の全てと下乳が露出し……再びブラウスに戻っていく。雨で濡れたブラウスから、赤い下着の動きが全て透けて見える上に、バストが上から落ちてくる度、バチン、と大きな音を響かせて重量感をアピールする。密着する布地が、波打つ乳肉を見せつける。 「うわっ…ぁっ………!」  見たことのないサイズのバストが目の前で踊り狂う未知の体験に、少年は声を漏らさずにいられない。目線だけでは飽き足らず、膝が折れて顔がライザの胸に近づいていく。当然、少年の股間はテント状に膨れており、溢れ出したカウパーが、ベージュのズボンに雨でできたものより濃い染みを作っている。 「よいしょ……んっ…?ほら、認めちゃいないなさいよー。あたしのおっぱいが雨でスケスケになってて、夢中になっちゃいましたって?あたしに声かけられてから、おちんちんのむずむずが止まらないんですって?」  ライザの乳揺らしは激しくなる一方で、何度も乱暴に揺らされたバストが、徐々にブラウスから溢れていく。成人男性の理性をも容易く飛ばす、ライザのセックスアピールに少年が勝てるわけもなく—— 「……ライザさんっ!僕、ライザさんのおっぱい欲しいですっ?学生の友達がみんな噂してるライザさんの身体……想像してたよりずっとムチムチで…エロすぎますっ?しかも、目の前でぷるぷる揺らされて……欲しいですっ?そのおっぱいで気持ちよくなりたいですぅ?」  ライザは、少年の言葉尻を見逃さない。バストを揺らし続けながら、少年の理性をさらに砕くべく尋問する。 「へえ……あたしの身体、想像してたんだ?どんな想像かな?」 「……ライザさんのおっぱいに顔埋められたり……アソコを苛められること…!」 「想像してただけ?その間、君の両手は何してたのかなぁ??」 「…アソコ……を、触ってましたっ…!」 「あたしの噂話で、あたしの身体想像して……オナニーのネタにしてたんだ??家でおちんちんシコシコ、してたんだぁ??」 「そうです!気持ちよくて、止められなかったんですっ?」  少年が溜め込んでいた欲望を曝け出させたライザは、羞恥と興奮で息も整わない少年を愛おしげに見下ろすと、バストを揺らすのをやめてゆっくりと両腕を前に伸ばす。 「あははっ、正直によく言えました?でも、もう一生オナニーできないかもね?  ………あたしの身体、君の想像よりずっと気持ちいいから?」  ぎゅむぅぅぅぅぅ?  正直になったご褒美、とばかりにライザは少年の頭に両腕をまわし、自身の巨乳に埋もれさせる。少年の小さな顔面はもちろん、耳の入り口にまで乳肉に飲み込まれ、柔らかく少年の耳を塞ぐように変形する。突然視界を奪われた少年は、反射的にライザの背中——適度に皮下脂肪のついた女性的な柔らかい背中——にしがみつく。  そして、鼻で息を吸った瞬間——ライザの谷間に籠った匂いに鼻腔が支配される。ライザのブラウスにぎゅうぎゅうに詰め込まれた谷間の中で、彼女の体臭と汗の匂いが溜まり——大雨に降られて蒸れたブラウスの中で過剰に濃縮され——先程の乳揺らし誘惑によって撹拌された、犯罪的なフェロモン。まだ午前中にも関わらず、並の女性が1日かけても発せられないほど強烈な香りを立ち上らせていた。少年の性知識では想像もできるはずもない、匂いの洪水。何が起きてるか理解できないまま、少年の脳が麻痺していく。  嗅覚処理がオーバーフローした少年の脳は、他の感覚に集中しようとするが———耳まで乳肉で塞がれ、ライザの甘い責め声が遠くに聴こえるのみ。視界は全てライザのバストに覆われ、瞼を開くことすらままならない。肌から感じるのは、水のように柔らかいライザのバストと、滑らかな背中の感触。口いっぱいに唾液が溜まっていて、鼻腔から溢れたライザのフェロモンが溶け出したように甘く感じる。五感全てを支配された少年の中で、興奮が高まり続けて——!  どくん!?どぷっ?どぷっ?  少年はビクンと大きく痙攣し、ペニスに触れられることもなく、ズボンの中で精液が迸る。ライザのバストに埋められ続ける、それ自体が極上の搾精と同義であり、ペニスの律動はおさまらない。あっという間に少年のズボンから精液が滲み出て、床にボタボタと垂れ落ちる。  ライザは少年が痙攣した時点で、絶頂したことを確信していた。少しだけバストを緩めて少年の耳を解放すると、少年の頭上から声を降らせる。 「……おっぱいに埋もれただけで、精子どぷどぷ、しちゃったね??あたしのおっぱい、そんなに気持ち良かった?君のおちんちんがおっぱいで触られるとこ、いっぱい想像してオナニーしてたのに……おちんちん触られる前にイっちゃったね?想像よりずうっとエッチだったでしょ?  ……さっき、あたしのおっぱいの中で息吸った瞬間に一番ビクビクしてたよね?……じゃあもっと?あたしの谷間の底でスーハーしよっか?」  少年の反応を読み切っているかのように、ライザは少年の頭を更に深くバストにうずめる。少年の鼻がコツン、と谷間の底——ライザの胴体にぶつかる。ライザの胸元から上乳で滲んだ汗の全てが流れる谷間の底。そこで熟成されたフェロモンは、乳肉の中で少年を狂わせていた甘い香りよりも、より刺激的で、より濃い。新たな強い刺激を受けて、少年の射精は勢いを取り戻す。さらに、ライザの右脚が持ち上げられ——豊満な太ももが少年のズボン越しにペニスへ押し付けられる。太ももで刺激する、というよりはライザの肉感で射精を長引かせるためのものだったが、少年にとっては射精中に更なる絶頂へ導かれるほどの快楽で、ズボンから溢れる精液は増すばかりだ。 「ほら?ほら?アトリエの玄関で、あたしにギュッてされただけで、服も脱がずにイっちゃてるよ?君のオナニー何回分かなぁ??もっと…好きなだけ出していいよ。これくらいなら、何時でも何処でもしてあげられるから?」  ———射精が終わり、ライザにしがみついていた少年の腕が、力なくダランと落ちる。谷間から頭を解放された少年は、へなへなとその場にへたり込んでしまう。ベージュのズボンの股間には、ズボンの色よりずっと白いゼリーがこびりついている。少年の口からは涎が滝のように流れていて、鼻腔に残ったフェロモンを保持するかのように、口で浅く呼吸を繰り返している。  ライザは右太ももにたっぷりと付着した精液を指で掬い取り、少年を優しく見下ろしつつ指を咥えて精液を舐めとる。 「んっ……ズボン越しの精子なのにすっごく濃いね?あたしの太ももにかけたくて、勢いよくおちんちんからビューってしたんだね?  でも……もっとでしょ?ずっと見てたあたしのおっぱいで、君のおちんちん挟んでほしいでしょ??想像してたこと、それ以上のこと……されたくないのぉ??」  ライザは戦闘終了時にとるポーズのように、片膝に手をつけて前屈みになり、少年の目線に再び谷間を見せつける。それだけで少年のペニスは再び勢いよく勃起し、少年は欲求のまま激しく頷く。ライザは少年の手を取り立ち上がらせると、アトリエの奥——ライザのベッドサイドへ移動する。 「ライザさん、このベッドって……!」 「うん、毎日あたしが寝てるベッド。……シーツぐちょぐちょになるまで出させてあげる?あたしと君の精子が毎日一緒に寝るんだよぉ??」  およそ王都に来てから淫行を始めたとは思えないほどの、男の性欲を燃え上がらせるライザの誘惑。大人の男も強制的に勃起させるような言動は、射精直後の少年のペニスからカウパーを滲ませるには十分すぎる色気だった。ライザにされるがまま、少年はズボンを脱がされてペニスを露出する。 「わあ、さっきズボンの外に滲んでた精子の3倍くらいは出してたんだね?。おちんちん、あたしの唾なんかいらないくらいヌラヌラだね?ほら、握っただけでグチュグチュって音?」 「あっ?……ちょっ……だめ!イっちゃ……ぁ?」  一回射精した後とはいえ、初めての女性からの刺激、それもライザの手ともなれば少年のペニスは瞬時に限界まで追い込まれる。ライザは分かっているように刺激を止め、根本をぎゅっと握って精液を押さえ込む。 「我慢しなきゃだめだよー。あたしにパイズリ、されたいんでしょ??  それじゃ……あたしも脱ごうかな?」  ライザは少年の目の前に立ち、ブラウスの3つしかないボタンを惜しげもなく外していく。続けて、開いたブラウスから露出した下着のフロントホックを、ノールックで器用に外す。支えを失った下着とブラウスは、解放されたライザの巨大な乳房によって、邪魔だとばかりに左右に押しのけられていき……ライザが手を触れることもなく、ライザの巨乳の全容が少年に見せつけられる。  水のように柔らかく揺れまくるのに、下着を失ってもほとんど垂れず、深い谷間を保ち続ける巨乳。緩やかに大きく膨らんでいく上乳に対して、下乳は急な傾斜で胴まで降りていく。普通は乳袋の付いた服で演出するはずのシルエットを、裸で実現してしまう恵体。一方的な搾精で、男に責められることがほとんどないためか、乳輪や乳首は小さくピンク、しかし興奮でぴんと勃っている。  王都の大半の女性は、ライザの片乳のボリュームにも敵わないだろう。少年は、先程顔を埋めただけで絶頂した、そしてこれから自分のペニスを蹂躙するバストを見つめ、ため息を吐くように「すご…おおきい…」と感嘆することしかできなかった。当然、ペニスはカウパーを撒き散らしながらそそり立っており、そのサイズは、ライザのバストに埋もれて射精する直前と同等だった。  ライザは少年に近づき、少し屈んで目線を合わせるとおもむろに唇を奪う。ライザの脱衣に興奮し、少年の口内で波打っていた唾液は、瞬く間にライザのバキュームに吸い尽くされ、ライザの舌が少年の歯茎をつつき、舌を絡め合わせ、唾液を流し込んで征服する。街中でライザに視線を向けていたことを否定し、見栄を張る男をその場で素直にさせるために身につけた、ディープキステクニック。そんなテクが容赦なく少年を襲い、少年の目が蕩けていく。少年がライザの舌技に無抵抗になるほど従順になったことを確認すると、ライザは唇を離して少年に問いかける。 「ねえ、君って割と……マゾだよね?キスですぐトロトロになっちゃうし、あたしのおっぱいに埋もれてイっちゃうし、あたしが「もうオナニーできないかも」って言った時も嬉しそうにビクンビクンってしてたし?  ……あたしでオナニーしてたとき、どんなこと想像してたのかな??あたし、知りたいなぁ。」  ライザにメロメロになった少年にとって、彼女の問いかけは命令に等しい。少年は未だライザの唾液の味が残り、まともに回らない舌で答える。 「……ライザさんのお、おっぱいに先っぽまで挟まれてから……何回もイかされたり…おっぱいの中で寸止めされたり…想像してました……。」 「そっか。じゃあやっぱり、あたしのおっぱいで責められるの大好きなマゾなんだね??」 「……そ、そうで……す……。」  顔を真っ赤にしながら肯定する少年を見て、ライザは口を結んでゾクゾクした表情を浮かべる。 自分が、この少年の性を全て掌握しているのだ、という支配欲と、単純に少年が可愛らしく愛おしい気持ちが入り混じる。 「ふふふっ、ありがとー?おっぱい大好きな君には、とっても気持ちいいパイズリをプレゼント?マゾな子にしかやらない、えっぐいパイズリ?その代わり……君が想像してたのより、ずっと気持ちいいパイズリ?  さっきは、一生オナニーできないかもって言ったけど。今からするパイズリは———一生、あたしじゃないと射精できなくなっちゃうかも?それでもいい?あたしにパイズリ……されたいかな??」  必死に何度も頷く少年を見て、ライザは少年の額に、頬に、唇に次々キスを落とす。そして、少年をベッドに乗せ、四つん這いの姿勢をとらせる。ベッドの縁に少年の膝と、真下に垂れ下がったペニスが位置し、膝から下の足はベッドの外に放られている体勢だ。  ライザは少年の足の間、ベッドの脇に膝立ちとなり————谷間の中に、少年の下向きペニスを挟み込んだ。  ぷにゅぅ?ずりゅっ?ずりゅっ?ずりゅっ? 「———!!ひぁぁぁぁぁっ!?これっ……知らない……!無理ぃっ!?」 「ほら?ほら?初めてのパイズリがあたしのおっぱいだよぉ?プニュプニュで気持ちいいでしょ??」  男を四つん這いとし、牛の搾乳のようにペニスを刺激する、痛みのないプレイの中では最高クラスの女性上位。通常、四つん這い手コキとして実行されるプレイを、ライザはパイズリで再現する。乳で搾精される乳搾り。  通常のパイズリとは異なり、男性の尻までしか接近できないため、半端なサイズでは挟むことすらできない。さらに、重力でバストがペニスの先端へ逃げていくため、垂れ乳ではペニスの根本まで刺激できない。ブラウスを着て街を歩くだけで、深い谷間が男を誘惑する巨乳と、裸になっても谷間を保つ天然乳袋バストを併せ持つライザは、これらの課題を解決し、最高に嗜虐的な体勢で男性をよがり狂わせることができる。  そして———四つん這いパイズリが実行できたときの利点は、男性のマゾを刺激する精神的快楽だけではない。重力に任せて、数kgのバストを振り下ろす際の強烈な摩擦。通常のパイズリであれば、ペニスの根本へと向かうこの摩擦が、四つん這いパイズリであればペニスの先端へ——精液を搾り出す動きと一致する。パイズリは視覚的快楽が主という俗説を嘲笑い、ペニスと男の性癖を巨乳でくしゃくしゃに蹂躙する。これが、ライザの四つん這いパイズリだった。 「どうかな、あたしのパイズリ?あたしのおっぱい、普通の人よりずっと柔らかい、お水みたいなおっぱいなんだって?だから街中で揺れまくって男の人がおかしくなっちゃうんだって?そんなおっぱいだから、おちんちんの裏筋にもぴったり入りこんで……柔らかいお肉がクニュクニュ?気持ちいい??」  女性慣れした成人男性すら虜にするライザのパイズリ。それを、初めて女性にペニスを触られる——初めてパイズリをされる——ずっとライザのパイズリを妄想していた——そんな少年が、手加減無しで受ける。初めての快感を多重に受けた少年は、すでにライザに犯されていると言ってもいいほどの状態だった。挟まれた瞬間の絶叫のような喘ぎ声は出ず、「らいざさん……イっちゃう……」という語彙を喘ぎ声に混ぜて発することしかできない。ぽかんと空いた少年の口からは涎が溢れ続け、ライザのシーツはぐっしょりと濡れている。膝立ちを保てないほどに全身をガクガクと震わせているにも関わらず、ライザの快楽を手放せない本能が、四つん這いを保ち続けている。  ペニスからは射精したようにカウパーが溢れ続ける。しかし、ライザがその見事なテクニックで溢れたカウパーを絶え間なく下乳で回収し続けているため、ペニス下のシーツはほとんど濡れていない。谷間から響くクチュクチュという粘液音は大きくなる一方で、比例してペニスへの——特に振り下ろされる乳肉にカリ首が引っ掛けられる時の刺激が滑らかに、強くなっていく。 「あたしのベッド、君の涎でべちゃべちゃだねー。気にしないで、あたし寝汗すっごいから。きっと気にならないよ?どっちかというと、あたしの谷間の匂いでイっちゃう君が、あたしのシーツを嗅いでおかしくならないかが心配だなぁ?  あはは、またビクビク強くなった?おっぱいフェロモン、思い出しちゃった??でもまだだよ?いっぱい我慢して、憧れのパイズリなんだから。あたしにこれ、されたかったんでしょ??」  ライザは我慢しろと言いながら、パイズリの乳圧を高めていく。バストが潰れて谷間が深くなり、ただでさえ全て飲み込まれていたペニスが、パイズリの最中にも亀頭が下乳から出てこなくなる。これまで、僅かに隙間があった裏筋の逆サイドのカリ首にまで乳肉がフィットし、天然のオナホール、もしくは乳まんこと言っていい淫乱すぎる穴が出来上がる。 「ねえ、シーツばっかり見てないで、首もっと曲げてみて……見える?股間の下で、あたしのおっぱいにおちんちん食べられてるところ?ほら?ほら?目線離したらダーメ?  ずっと見たかったあたしのおっぱいに、君のおちんちんが乳搾りされてるよぉ??すっごいでしょ、この体勢でパイズリされるの。想像してたパイズリとどっちが気持ちいい??  あ、でもこの体勢だとパイズリフェラだけできないんだよねー。———そ?の?か?わ?り?」  かぷっ?はむはむっ?れろっれろっれろっ?  ライザは少年の股下に顔を埋め———玉袋を舐め回す。毛のほとんど生えていない袋ごと口に含み、ねっとりと暖かいライザの唾液まみれにコーティングする。これまで与えられた快楽に応えるべく、限界を越えて精子を作り続ける少年の玉を、一つずつ、優しく咥えて舌で転がす。玉袋を責める間もパイズリは激しさを衰えぬまま継続して、少年の身体は悶え続ける。  ライザに言われるまま、股間を覗いてパイズリされる光景が明滅してまともに見えなくなる。全神経が射精に集中し始めている。ペニスが取れそうなほど熱い。経験の無い少年にもそれは理解できて—— 「ら、らいら……らいざしゃん!イく?いくイく?」 「ちゅるるっ?ちゅぽっ?———あはは、舌回らない??あたしにたまたまぺろぺろされて、限界来ちゃった??  ……出しちゃう??射精しちゃう??あたしの濡れ透けおっぱいに夢中になって?目の前でおっぱい揺らされて動けなくなって?おっぱいに埋もれただけでノータッチ射精して?とろとろになるまでキスされて?———四つん這いパイズリされて?  その歳で、あたしに一方的にされるの大好きなマゾになっちゃうね?あたしじゃないと射精できないくらい気持ち良くされて……あたしが性癖になっちゃうね?  いいよ?パイズリ搾精で性癖変えられちゃうとこ、あたしに見せて?ほら?ほら?ほーら?」  ライザのパイズリは、言葉責めに完璧に対応して速度を増していき、最後にはプルプルと左右交互にバストを揺らすほどの超高速四つん這いパイズリが少年を襲い———  ビュル?ドビュルルルル?ドプドプドプッ?  少年の真下、これまでカウパーを垂らすこともなかった綺麗なシーツが、少年の精液で白く汚れていく。限界を超える快楽を与えられ続けた少年のペニスからは、間欠的でなく連続的に——放尿のように精液が飛び散る。ライザは大きすぎる下乳で精液を留めないよう、巧みにパイズリをコントロールしながら、ペニスを刺激し続ける。 「あたしからは見えないけど、分かるよ?君のおちんちんがめちゃくちゃにされて悦んでるの?ほら、射精緩めちゃダーメ?乳搾りみたいに、太さ一定だよ?精子びゅくびゅくじゃなくて、びゅぅぅぅぅ、だよ?ほら?その調子?もっともっと?あたしに気持ちよくしてもらう感覚、忘れないように…?」  ライザにされるがまま、少年は狂ったように射精し続け……ライザのベッドサイドに立ってから15分も経たぬ間に、少年は精を吸い尽くされ、気絶した。 「やっぱり、年下の恥ずかしそうな反応も可愛いなあ。あたしで喜んでくれてる!って実感できるよねー。」  夕方、意識を取り戻した少年が依頼の素材を持ち帰った後。精液まみれになった玄関を錬金道具で掃除しながらライザは1人つぶやく。 「でも、年上がプライド捨ててあたしにおねだりするのも可愛いし……!あ、そうだ!  年上だけじゃなくて、立場とか、他のプライド捨てちゃうならもっと…良さそう…!?」  悪戯娘ゆえか、錬金術士ゆえか、より興奮するシチュエーションを想像するライザの思考展開力は非常に高い。疼きじめた自身の股下をさすりながら、妄想を続けているところで——玄関の呼び鈴が鳴った。 「うえっ!?……はーい!今いきまーす!」  玄関先に立っていたのは、王都らしく身なりの整った初老の男性だった。 「依頼ですか?………え?貴族の執事さん?」 「はい。私は、フェンベルク家の旦那様直属の執事であります。ライザリン様、旦那様よりお手紙を預かっております。……錬金術士でなく、女性としてお受け取りください。」 「分かりました。…………へえ?」  ライザの目は、次の楽しみを見つけたように妖しく光っていた。